「20世紀少年」を、読み返す。


 浦沢直樹の『20世紀少年』及び『21世紀少年』を、読み返してみた。

 実写映画化にはまったく興味がなかったが、
 テレビ用に編集された第一章が、思いの外、面白かったからだ。

 だいぶ前に完結したマンガで、コミックもしっかり全巻持っているので、
 当時はなんて書いたかなと、
 自分のブログを探してみたら記事がなかった。たぶん。
 理由は、だいたいわかる。
 内容を理解できなかったからだ。
 結局、完結してから一度も読み返すこともなかった。
 難解な内容で、長く、その割に結末にカタルシスがない。
 作品として成功したのかすら、判断できなかった。

 ダメだ。
 これは断続的に読んではダメだ。と、気付く。

 ひさしぶりに、一気に読み返してみたら、えらくおもしろかった。
 煩わしかった謎も、するすると解かれてゆく。
 そーか、ともだちは、※※※※君だったのか。
 読み返すと発見がある話の作り方は、見事なものだ。

 この作品を簡潔に表現するならば、まさに、憧憬、である。
 幼い頃の、記憶。
 美しくも醜くもある、思い出。
 消えることのない憧れが、現実に牙を剥くわけだ。

 ノスタルジィの狂気については、
 クレヨンしんちゃんが『大人帝国の逆襲』で見事に描き切っている。
 万博が、共に象徴として存在しているのも重要なところ。
 またパトレイバーの劇場版第一作も、
 視点は逆であるが、失われる記憶の澱みをテーマの一つにしている。
 理由は、どれもばからしく、じつに子供じみた遊びであるが、
 この幼い欲求は誰もが胸に残しているものであり、
 あらゆるものすべてが地続きで繋がっていることを表している。
 忘れた者と、
 忘れなかった者に違いがないのが、この問題のもっとも怖ろしいところなのだ。

 いい具合に話が迷走してきたので、強引に戻しますが、
 一つだけ解らないことがあります。
 まあ、一つだけじゃないんだけど、※※※※君について。

 ここからネタバレも容赦なく入れてくるので、注意してください。

 ※※※※君は、いったい、どの時点でフクベエらと出会ったのだろうか。
 これがまるでわからない。
 なぜサダキヨと同じお面を被っているのか、とか。

 とにかく、そこをはっきりしてもらわないと、
 あらゆる説が仮定止まりの妄想になってしまうのだ。
 ネットで検索すると、フクベエの双子説などが見つかるが、
 その説は弱いとおもう。
 そこまで濃密な関係も感じなかった。
 フクベエの二重人格も考えたが、一緒にいるシーンがあるので、それも違う。
 むしろ可能性としては、
 サダキヨの親類としたほうが高いのではないだろうか。

 サダキヨと※※※※君は頻繁に入れ替わり、
 まわりは同一人物‘サダキヨ’として錯覚しているのではないか。
 これならば※※※※君は友達にはならないし。

 と、ゆーのが、わたくしの仮説なのだが。
 (転校してから戻ってくるのが、サダキヨではなく※※※※君。)

 しかしこの『20世紀少年』の一番の謎は、
 なぜ、このようなもやっと、もやもやっとする結末にしたのか。
 だとおもう。
 おそらく、それこそが狙いなのだろう。

 現実があり、理想があり、
 本物があり、コピーがあり、
 未来があり、過去がある。
 そのほつれたものを描いて、味わってほしかったんじゃないかな。

 どっかの受け売りだけどもw




20世紀少年―本格科学冒険漫画 (1) (ビッグコミックス)

浦沢 直樹 / 小学館



21世紀少年 上―本格科学冒険漫画 (1) (ビッグコミックス)

浦沢 直樹 / 小学館


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by y.k-ybf | 2009-02-16 22:59 | 本棚 | Comments(0)

むしろ、レコード・プレイヤー、の、ようなもの。


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