『殴るぞ』 『山田シリーズ』 吉田戦車


 突然、吉田戦車マイブームがやってきた。

 『伝染るんです。 』はものすごい好きだったのだが、
 好き度合いが過ぎたというより、
 『伝染るんです。 』のイメージを壊したくないがために、
 追いかけて読むのを、極力、避けていた。

 といっても、いくつかは読んでいるのだが。

 で、
 なぜマイブームが再燃したかというと、
 『殴るぞ』の表紙に、見慣れたカワウソの姿を見つけたからだ。
 遅い。
 遅すぎる。
 すでに二巻の表紙がカワウソなのに、
 気づいたのは五巻が出版されて、『山田シリーズ』も完結した後。
 遅い。
 遅いが、燃焼度合いは半端ではなく、
 なぜかドコにも売ってない四巻を探すため、本屋をハシゴしたり、
 なぜか出版すらされてない、幻というかオレ妄想の本を探しに、ハシゴしたり、
 傍目からは、かるくノイローゼ気味であったことだろう。


 『殴るぞ』は、
 『伝染るんです。』の流れを汲んだものであるが、
 このカワウソは「和歌子」というカワウソであり、
 『伝染るんです。 』のカワウソとは別カワウソで、
 『山田シリーズ』に出ているカワウソこそが、
 『伝染るんです。 』のカワウソと同カワウソなのだ。
 しかしながら『山田シリーズ』のカワウソは、
 あの頃(『伝染るんです。 』)から時間も経過しているためか、
 どこか表情豊かでよく喋り、躁気味なカワウソになっていた。
 むしろ『殴るぞ』の「和歌子」のほうが、
 どことなく、あの頃(『伝染るんです。 』)のカワウソらしさを感じる。
 おそらく「和歌子」のほうが年齢的にあの頃(『伝染るんです。 』)のカワウソと近いと思われるので、
 もしやするとカワウソは、年齢を重ねると性格的な変化が起こる生き物なのかもしれない。
 そしてそれはカワウソ界では常識的な現象で、
 何処からその情報を入手した吉田戦車が、
 『伝染るんです。 』、
 『殴るぞ』、
 『山田シリーズ』の三作を通じて描くことにより、
 密かに情報を提示して、
 カワウソ界の常識を知らない市井を独り嘲り、悦に入っているのではなかろうか。

伝染(うつ)るんです。 (1)
吉田 戦車 / 小学館
ISBN : 4091790410

殴るぞ! 1 (1)
吉田 戦車 / 小学館
ISBN : 4091867316

山田シリーズ 1 (1)
吉田 戦車 / 小学館
ISBN : 4091878016
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by y.k-ybf | 2004-11-18 00:53 | 本棚 | Comments(0)

むしろ、レコード・プレイヤー、の、ようなもの。


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