『MUGEN』、『LOVE ALBUM』/サニーデイ・サービス (67,68/100)
2009年 05月 26日
一応、この俺ベスト100枚の企画は、
一つのミュージシャンにつき一枚の方針で選んでおります。
二枚以上選んだらベストじゃないからね。
たぶん、今のところはない‥‥あ、米米CLUBか(・_・;)
すげえ、米米。
ビートルズだって一枚なのに。
まあ、そんなわけでよろしいかなと、二枚まとめて選んでしまいました。
サニーデイ・サービスの『MUGEN』と『LOVE ALBUM』。
・・・まあ、待て。話を聞きたまえ。
わたくしもサニーデイは好きでずっととゆーか、いまでも普通に聴いております。
なので、
当初はコンセプト色が濃く、強気な姿勢の『24時』で決定と、
聴き返してみたら、これがコッテリ過ぎて腹にもたれる。
だいたい一枚に収まらず、何気に二枚組になってるし、
シングルにも曲が漏れてるまとまりの無さがダメ。
じゃあ、
個人的に好きな『愛と笑いの夜』はどーか。
コッテリさは幾分解消されるけど、抜けがない。
ハマらない時の半端な感じが気になる。
これが『サニーデイ・サービス』になると、抜け過ぎてアッサリとしてしまう。
軽いとゆー意味ではないが。
かといって、ファーストの『若者たち』は未完成の未完成とゆーか、
即席ではないけど生ラーメンみたいな具合だし、
『東京』は、はるかに良くなって、お店に出せるものにはなってるけど、
まだバラつきがあり、個性や深みが足りない。
さて、そこで『MUGEN』でございます。
濃い味、薄い味とメーターの針を振り回してきたサニーデイでしたが、
ここに着てちょうどバッチリな味に、、、 じゃなかった、アルバムに到達します。
深みがあっても濃くなり過ぎず、
コクがあっても抜けが良い。
これまでの作品にあった強い個性のようなものはないが、
それは欠けているのではなく、必要としなくなったからだ。
バンドが蓄積してきたものを、最良の形に出来ただけの、とてもシンプルなアルバム。
わたくしは、このアルバムこそが、サニーデイ・サービスのラストアルバムだとおもっている。
そして『LOVE ALBUM』は、完全に外へと飛び出てしまったアルバムだ。
前作『MUGEN』は、あくまで内側の核を起点として外側へ向けられたのに対して、
『LOVE ALBUM』は全体から外へと向いている。
それがこの二作の大きな違いであり、
むしろ一対に近いものとして、一緒に選んだ理由でもあるのだ。
打ち込みを多用し、外部の助けも借りて、
ダンスナンバーや新たな曲調を試みており、それまでとは異なる艶やかさがある。
これは、サニーデイらしさを素材とした、外向け用ののアルバムなのだ。
大概、こーいった挑戦的なものは成功とは違う結果を招くのだけど、
前作で到達したものがあるから、
これが妙に聴き応えもあり、聴きやすくもあるのだ。
ほんとに、らしくないアルバムなんだけどねw
だから、ここには野心みたいなものはない気がする。
さらに次へと考えたときに、あとはもう(バンドを)壊すしかないと気が付いて、
こんな形のアルバムになったのかな、と。
まあ、推測なんだけども。
えー、まとめてみますと、
『若者たち』は、即席じゃないけど生ラーメン。
『東京』は定番で基本な醤油味、『愛と笑いの夜』はしっかりと味が残る味噌味、
『サニーデイ・サービス』はアッサリな塩味、『24時』はコッテリな豚骨味で、
『MUGEN』は複雑な味わいとコクのある醤油豚骨、
『LOVE ALBUM』はいろんな味が楽しめる、つけ麺と云ったところであろうか。