『KID A』/レディオヘッド (079/100)


 「クリープ」のクリップを、ビートUKではじめて観たとき、
 曲はいいけど、またマッチョなバンドだなあと、おもった。
 トム・ヨークが裸でギターを弾いていた。
 なぜか、アメリカ人のバンドだと勘違いしていた。
 先入観か。
 おれのアメリカ人のイメージは、裸でギターを弾くヤツなのか。
 「ポップ・イズ・デッド」で、少し変わったなと、おもった。
 でもまだブレイクとゆーほどでもなく、彼らの存在も特別だとはおもえなかった。
 セカンドアルバムの制作が延びた。
 その間に来日公演があって、
 友人に誘われたけど、まだそこまで興味がなかったので断った。
 いまだに行けばよかったと後悔している。
 セカンドの『ザ・ベンズ』がでた頃には、すっかりマッチョなイメージは無くなっていた。
 とゆーか、飛び抜けたよーに変わっていた。
 ビートバンドでも、
 ただ、いい曲をやるだけのバンドでもなく、音楽表現に対して意識を傾けるようになっていた。
 ポップアートみたいな。
 「ハイ・アンド・ドライ」がいちばん好きな曲で、
 「フェイク・プラスチック・ツリー」のクリップが、また良かった。
 次のアルバム『OK コンピューター』では、
 さらなる高みへ踏み出し、そのキャリアを確立させた。
 シングルも聴いて、すげえなぁと、おもった。
 安直なメッセージに縛られるのではなく、流行を追うわけでもなく。
 でも、
 個人的にはセカンドのほうか好きだったので、案外、冷静に受け止めていた。
 この時、はじめてライブにも行った。
 ギターのヒトが、ギター以外の楽器を一生懸命いじっていた。
 そして、『キッド A』。
 前のアルバムの印象があったので、あまり期待はしなかった。
 彼らのことだから、良いものを作るのは当たり前として、さてどーやろと。
 油断していた。
 アルバム一曲目、「エヴリシング・イン・イッツ・ライト・プレイス」。
 そのイントロ3秒の電子音に、見事にやられた。
 たったそれだけの音なのに、
 それは何かを訴えていたし、何かが込められていた。
 何が。
 この、何が、こそ、『キッド A』である。
 不安、予感、因果、悪意、恐怖、シグナル、ベクトル、システム、、、。
 具体性と曖昧の同一。
 無機質な電子音がエモーショナルに響くのは、
 名をもつと失われる、「何か」を表現しているからだ。
 まるで預言書を手にしたような、恐ろしさがあった。
 このアルバムが2000年に作られた意味を、我々は容易に見つけることができるだろう。


KID A

レディオヘッド / EMIミュージック・ジャパン


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by y.k-ybf | 2009-07-19 16:27 | 音盤/100 | Comments(0)

むしろ、レコード・プレイヤー、の、ようなもの。


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