その13。つっこむと、五秒と進まない奇跡の映画。

アマルフィ 女神の報酬 スタンダード・エディション [DVD]

ポニーキャニオン




 まったく観る気も興味もなく、完全スルー確定であった『アマルフィ』。
 案の定つーかなんつーか、
 一部の好事家にネタモノとして取り上げられたのを知り、
 コレは美味しそうだと、一転、観る機会を待ち望むよーになった。
 んが、
 実際に観てみると、案外、楽しく観れてしまいました。
 残念。いや、ラッキー。
 叩かれるほど最低最悪な映画ってわけではない。
 まあ、最高ってわけでもないが。

 確かに、考えてみると破綻はある。
 わざわざ、それを取りあげるつもりはないが、
 とりあえず、犯人グループは、子供を誘拐なんてしなくても、
 強引に大使館へ乗り込むなり、ターゲットを誘拐すれば済む話だったんじゃないのかな、と。
 結局、警察に取り囲まれてたし、最後は死ぬ気だったみたいだし。
 ま、そこを指摘してしまうと、この映画の全否定になるのですが。

 編集は噂通り酷かったです。
 冒頭、タイトルがでるとき、ぶつっと画面が切られて真っ黒になります。
 最初、何が起きたのか理解できずに、何度も巻き戻しました。
 ただ、タイトルが出ただけのシーンでした…。
 こーゆー乱暴な編集はいくつかあって、製作時の混乱が伺えます。
 (途中で脚本家が降りたため、この映画に脚本家のクレジットはない。
  いわばアラン・スミシー状態。)

 サラ・ブライトマンも、なかなかのしつこさでその美声を披露してくれる。
 同じ曲を二回も三回も聴けるので、お得だ。

 そして全編で大活躍の、外交官・黒田を演じる織田裕二。
 仕事にストイックで、寡黙なキャラは目新しくもあったけど、
 織田裕二の実在感を消せるほどではなかった。
 あちこち走り回って、
 タイトルにもなっている(のに意味はない)アマルフィまで行ったりして、
 最終的には、この黒田って何なのよ?
 とゆー、これまた致命的な疑問が残される。
 どーみても中心は、娘を誘拐された母親役の天海祐希だし、
 感情移入するなら、イタリア語が下手な戸田恵梨香になるだろう。
 ラスト近くで、戸田が苦手を克服してイタリア語を話すシーンがあったらしいのだが、
 カットされたみたい。
 そんなシーンがあったなら、ますます誰が主人公か分からなくなるので、懸命な判断だろう。

 要するに、設定が死に体なんだわ。

 さて、その気はないのに、
 かるくこれだけ不満を言えちゃう『アマルフィ』ですが、
 イタリアの風景だけは、本当に素晴らしいです。
 カメラが時々ピンボケになりますが、些細なことです。

 どんな映画でも一つぐらい誉めるところはある、とは、
 映画評論家の淀川さんの言葉でありますが。
 イタリアの絶景を眺めているだけで、一本、映画が観れました。

 ちょっと、得した気分になれる映画です。
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by y.k-ybf | 2010-05-14 23:08 | 映画 | Comments(0)

むしろ、レコード・プレイヤー、の、ようなもの。


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