『家政婦のミタ』を、ミタ。


 以前、町山智浩さんがラジオで、
 「いまの日本の流行歌は感情ばかり唄っていて、物語がない」と嘆いておりまして、
 確かにそれもあるかもなー、などとぼんやりとおもっておりました。
 ま、それが流行といえば流行なのかな、と。

 『家政婦のミタ』が、最終回に驚異の視聴率40%を取った。
 数字は、数字の話でしかない、つー持論を持っておりますが、
 やはり現在のテレビの状況からすると40%って数字は無視できない。
 何があったのか。

 そこで、ちょびちょび観ていた、同時期に放送されたドラマと並べてミタ。

 まず『南極大陸』。
 どーも好かなかったので半分も観ていなかったのだが、
 視聴率的にはやっと20%を超えたぐらい。
 キムタクをメインに豪華キャストを集め、
 大々的なロケを敢行したにもかかわらずこの数字ってのは失敗ではないかもしれないが、
 少し寂しい。
 それこそ『ミタさん』から20近く離されたことになる。
 半分しか観てないのでほとんど偏見のような感想になってしまうが、
 『南極大陸』には視聴者を惹きつけるよーな物語がなかったんじゃないかなーと、おもふ。
 キムタクさんも悪くなかったし、他のキャストの方々も頑張っておりました。
 犬も一生懸命、ソリを牽いておりました。
 しかし南極観測とゆー巨大な状況設定に応えられるほどのキャラクターは、出来上がっていなかった。
 エピソードの組み立てが散漫で、その伝達力が弱く、
 物語を紡ぐことができなかったのではないかなー。
 そのわりに演出は絶好調で、感動ばかり押しつけてくる。
 要するに、感動(感情)の押し売り状態になって、キャラが死に体になってしまったと。
 偏見だけど。

 『家政婦のミタ』は、その真逆と云ってもいい作り方をしていた。
 まずキャラクターを濃ゆく練り、
 物語を(意外にも慎重に)組み、仕上げる方向で、感動、感情みたいなものを生み出した。
 ま、このへんは受け手の個人差はあるけども。
 んで、脚本かプロデューサーかは忘れたけど、
 「誰にも感情移入できないぐらい、極端なキャラ作りにした」と言っておりまして、
 それが結果的に物語を強固なものにしたのだろう。
 押すところ引くところも、ちゃんと計算してたし、
 どーなるのか?
 どーするのか? ってヤマも、しっかり配置されていた。
 何より、これは感動的なドラマだっつー大上段な構えを最終回まで隠し通したのが、
 効果的だったのではないかなー。

 そんで、あまり話題にもならなかったが、
 『蜜の味』ってフジのドラマも同時期に放送されておりまして、
 同時にひっそりと最終回を迎えたのだが、
 これは『ミタさん』と『南極』とちょうど中間ぐらいの作りで、
 親族同士の禁じられた恋愛と、医院の世界とゆー、
 言葉だけでもドロドロ感が伝わってきそうなドラマなのだが、これが奇跡的に大失敗で終わった。
 理由はどれよりも明確で、
 設定があって、キャラもあって、
 しかし、物語がなかった。
 そこまで至らなかったとゆーより、途中で迷子になった感じ。
 もーずっとキャラ作りのためのエピソード、展開が積み上げられるばかりで、
 どーにもならんかった。
 積みっぱなし。
 病気になったら気が変わったとか、
 海外で結ばれるとか、勝手に改心しましたとか、なんだあの結末わ。
 蜜の味っつータイトルは意味深でよいが、活きてないなあ。
 もしかすると最終話は、延長無しで詰め込まれたのかも知れないが、
 テコ入れするべきところをやらなかった、貴重なケースとも考えられる。

 と、偶然でもなんでもないが、
 成功例、失敗例、大失敗例が見事に並んだわけでございます。

 感情ではなく、物語を。
 ってのは、音楽やドラマだけではなく、
 今の日本のエンターテイメント全般に云えることだと、
 『家政婦のミタ』をミテ、おもいましたよ。
 とゆー話でした。


 個人的には、普通におもしろいドラマでしたけどね、『ミタさん』。


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by y.k-ybf | 2011-12-23 22:28 | テレビ | Comments(0)

むしろ、レコード・プレイヤー、の、ようなもの。


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