その84。『パラノーマル・アクティビティ2』


パラノーマル・アクティビティ2 [DVD]

パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン



 そもそも前作が、いわば出オチのよーな一発ネタで、
 これをシリーズ化するのはチャレンジだっつーか、危険なニオイがするなとおもっておりました。
 が、
 これが案外ストレートに前作を踏襲しつつ、うまく仕上げておりました。
 しかもちゃんと続編とゆーか前日譚になっておりまして、
 ああ、そこに繋がるのかと、前作を観ているとわかるよーになってます。

 ただ当然、前作のよーなインパクトはない。
 敷地が広がり、登場人物もカメラの数も増えけど、本質的なものに変化もない。
 なんでカメラ持ってるの? とか、
 音声はどーなってるの? とか、
 ま、そのへんの疑問も同様で。
 とりあえず家から出ろよ、とか、
 おまじないぐらいでクビにするなよ、とかね。

 しかし、これは前回の時にも指摘したことであり、
 このシリーズ、この種の映画を否定する方に共通してることなんだけども。
 これは映画とゆー形を借りた心霊モキュメンタリーで、
 もっと言っちゃうと素材に近いんだわ。
 そこに物語の起承転結やらカタルシス、技術を要求するのは致し方ないとはおもうが、
 やはり適切ではない。
 表現や仕掛けの拙さや、事態の不自然さに抵抗を感じるのも否定はしないし、
 もっとうまく作ってくれよとも、そりゃおもう。
 しかし、と。
 簡潔に云うならば、でも楽しいんだわ、こーゆー映画が。
 もっとじゃんじゃんやってくれ、作って驚かせてくれと、切に願いますよ。
 こーゆーものなんだもの。


パラノーマル・アクティビティ第2章/TOKYO NIGHT [DVD]

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 さて、こんな作品もある。
 『パラノーマル・アクティビティ 第2章 TOKYO NIGHT』。

 どーゆー経緯でこれが作られたのか、よくわからないのだが、
 日本で作られた公式な第二章である。
 設定やストーリー的な繋がりもちゃんとあり、
 舞台は日本で、キャストも日本人、セリフも日本語の、ほぼ純国産のホラー。
 『パラノーマル・アクティビティ』を観ていると、
 意外と気になるのが、心霊現象に対する欧米人と日本人の反応の違いで。
 日本人からすると、
 盛り塩や御札、お祓いなどの知識は一般的だし、
 悪魔の仕業って発想には、まずたどり着かないだろう。せーぜー、悪霊か。
 なので、
 鑑賞しながら、
 これを日本人が作ったら、カルチャー的にもまったく違うものができて、おもしろそーだな、
 とか、
 考えていたものだから、
 本当にそれが実現するとはおもわなかったし、期待せざるを得まいよ!!

 が、だ。
 なんだこの体たらくわ。この茶番わ。

 まずな、映像がキレイ過ぎる。
 なんであんなクソガキが、こんな性能のいいビデオカメラを持っているのか。
 そしてたまたま撮影しているのか。
 まあ、いい。
 ちょうど新しいカメラを買ったよーだし、きっと映像関係の仕事でも目指しているのだろう。
 珍しい映像を撮って有名になりたかっただけかもな。
 そんな描写はないけども。
 カメラを回していたのも、
 姉が両足を骨折して帰国したからテンションが上がっていたのだろう。珍事だからな。
 でもカメラのアングルが一々巧すぎるし、それはこのタイプの映画的には下手すぎる。
 なんだかんだで、自分ばかり撮ってるし。
 そんでー、
 演者の演技がよくないなぁ。台詞もよくない。
 どっか不自然でぎこちない。
 そもそも姉と弟の関係なのに、それが感じられない。
 どちらかとゆーと、同棲してるカップルみたいで、なんか地味にエロさが漂う。
 「姉がキレイだから、彼女ができない」とか、それっぽい台詞もでるけれど、
 それが何かで活きるわけでもない。
 きっと、親が再婚したとか、どっちかが連れ子とか、なのだな。

 えー、要するに、導入部分が雑すぎるんだわ。
 こーゆータイプの映画で重要なのは、状況設定と関係性の説明で、
 それの伝達によって観客は安心して作品に入り込めるし、
 多少の分かりにくさもカバーできるのだ。
 いわば土台なんだけど、その土台がこの時点でガタガタ。
 まだ何も始まっていないのに。飯食べてるとこばっかり撮ってる場合じゃねえ。
 んでだ。
 盛り塩がでたのは、よかった。
 でもね、フローリングの床に、直で盛るか?
 後始末はどーすんねん。
 汚れちゃうよ?
 普通は小皿とかに盛るでしょ?
 直だと、隙間とかに入っちゃうでしょ?
 そりゃお姉ちゃんも怒るわ。
 あとそれを隠し撮りしてたことについては、もっと怒れ。
 そんでこの塩も、
 本来なら溶けて液状になるのが、らしいと云えばらしいのだけど、
 踏み荒らされる描写がほしかったのだな。
 確かに効果的な画にはなっておりますが、
 だったら、まずカメラ無しで盛り塩が荒らされて、
 おかしいってことで次からカメラを置けばいいじゃねえか。
 一応、車椅子が勝手に動いてたからって前フリはあるんだけど、
 それより自然な理由になるとおもうがなー。

 で、
 部屋に定点カメラを置いて、PCにつなぎ、
 後からべつの部屋にももう一台カメラを設置することになるんだけど、
 うん、たまたまカメラが複数台あって、PCにもつなげられたんだね。
 家は大きいし、お金持ちそーだし。きっと映像関(以下、略。
 でもね。
 お化けとゆーか、何かありそーな部屋に、そのまま寝るかね?
 両足が複雑骨折して不自由なのに。
 ま、自分の部屋がいいんだろな。部屋は変えたくないんだろ。
 なんかお姉ちゃんの部屋、二階だったよーな気もするけど、
 一階に大きな和室があったよーな気もするけど、
 両足骨折で車椅子なら、とりあえず治るまでそこで寝ていたほうが安全だし楽だとおもうのだけれど、
 きっと自分の部屋がいいんだろな。
 だったらせめて、弟と一緒に寝てもらえばいいのにな。
 ダメなんだろな。
 カメラで一晩中撮影するのはかまわないけど、
 部屋を変えたり、一緒に寝たりするのはダメなんだな。
 うん、わかるわかる。
 そんで、弟の友人と、なんか霊感のあるヒトがくるけど、
 すぐに帰っちゃって、そのまんま。
 や、ここはもっとなんかないと。
 せめて霊感的な裏付けとか説明とか。
 電話やメールで連絡するとか、もっとしないんか。人望ないんか。

 お祓いのシーンもあるけど、、その時ぐらいはカメラ置こうな。
 いろいろ失礼や。
 んで、お祓いしたヒト、
 あ、死ぬなとおもったら、やっぱり死んだ。
 そんでここの関係も切れる。
 イヤイヤ、霊感やらお祓いこそ、日本的なアプローチを見せられるところでしょ。
 広げられるところでしょーに。
 そもそも、お父さんもそーだけど、なんで死んだんや?
 たいした伏線にもなってないどころか、
 これやっちゃうと、シリーズの軸さえブレかねないよ?

 んでさ、
 カメラが設置してある部屋に、急いでるのになんでカメラを持っていくのよ。わざわざ。
 逃げるときも、
 あー、ライト代わりに使ってるのかなって、それぐらいの理由はほしかったなあ。

 んでんで、あのラスト。
 無いわぁ…。やっちまったなあ…。

 わたくしが日本人のせいか、日本人が作ったからなのか、
 多少、厳しく観てしまいましたが、
 うーん、これはさすがに、誉められる出来ではない、なぁ。
 じつに勿体ない。
 んだから、これと比べればわかるとおもうけど、
 本家の『パラノーマル・アクティビティ』はよく出来てるし、
 ちゃんと「映画」になってるよ。

 まだ『ノロイ』とかのが、日本の特徴がでてるし、踏み込んでるから、よかった気がするな。

 ホントにね、
 日常の会話や描写、前フリとかを、おざなりにしてはダメですよ。
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by y.k-ybf | 2012-02-08 11:49 | 映画 | Comments(0)

むしろ、レコード・プレイヤー、の、ようなもの。


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