『DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る』、を、観た。


DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る スペシャル・エディション(2枚組) [DVD]

東宝



 噂には聞いていた、
 『DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る』を、
 やっと観ることができた。
 一度、途中までトライして止めてしまったことがある。
 これは油断するとモッていかれるなと、危険を察知したからだ。
 なので、
 日を空けて、身構えて、再び挑んだ。

 噂以上の、壮絶なドキュメント映画であった。

 最前線の戦場で、
 短いスカートをはいた女の子たちが、
 ろくな武装も揃わぬままに、突撃を繰り返し、傷を負い、撃ちぬかれ、累々と死屍を重ねてゆく。
 そんな光景が、ここにはあった。あるいは、わたくしの頭の中にわ。

 他のアイドル映画、もしくは舞台裏を追ったよーなドキュメントモノ、
 それらはあくまで表側、「光」のための作品である。
 あんな苦労があった、理由があったと、
 「影」となる裏側が映されたとしても、
 それはすべて「光」を肯定的に支えるためであって、
 必ずフォローが入り、補足され、ポジティブな結実へと結ばれてゆく。
 この映画でも基本となる構図は同じであるが、
 意図的な演出として「光」は抑えられ、「影」にクローズアップしている。

 何故、
 AKB48はそのよーな映画を作ったのか?
 その問いはAKB48の本質だけではなく、
 現代に求められているアイドル象、そのものにも通じる問いだ。

 「モーニング娘。」失墜以降、
 地下アイドル、地方アイドルが生まれ、そこから「パフューム」、「AKB48」などが出現した。
 いわば、アイドル冬の時代の終末。
 その状況は活性化しているよーにも、閉塞化しているよーにも捉えられるし、
 ムーブメントは着実に拡大しながらも、もはやプロとアマの境すら曖昧になりつつあった。
 そこで、ある疑問が湧く。
 どーして、皆、アイドルに成りたがり、またアイドルを応援したがるのかと。
 これは以前にもブログかツイッターに書いたよーな気もしないでもないのだが、
 結局、明確な答えは見つからないままだった。
 しかし、
 『DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る』には、
 AKB48を通しての、
 その回答の一つが示されている、よーな、そんな気がした。

 ここは敢えて、キツイ言い回しをさせてもらうが、
 この映画には、真実などない。
 すべて、虚構であり、狂騒の世界だ。や、ま、八割ぐらいかな。
 描かれていない、もっと厳しい現実も、事実もあるだろう。
 そして、彼女らには、才能もない。
 歌が抜群に上手いわけでも、
 ダンスが格段に優れているわけでも、トークが面白いわけでもないし、
 ま、これは意見もわかれるだろーが、特別な美形が揃っているわけでもない。
 舞台も衣装も、楽曲も用意されている。あとは、着替えてそこに立つだけだ。
 云ってしまえば、
 誰にでも出来ることを、やっているだけなのだ。ただ、それだけのこと。
 しかし、
 その誰にでも出来ることは、誰もがやるわけではないし、
 矛盾するよーだが、誰もがやれるわけではない。
 それを平凡と呼ぶのならば、まさに彼女たちのスタートは平凡である。
 特殊だからと始まったことではない。
 その平凡から突き抜けて、特別な存在、アイドルと成り得たのは、
 彼女たちの強い意志、自我意識によるものだ。
 それが平凡から、普通から、群から抜けだして、唯一の存在となった理由では、なかろーか。
 人間力、とゆー言葉の意味はイマイチよくわからんのだが、
 熱心なファンの方々は、
 そんなつよく瞬く意志あるいは人間のパワーに、引き寄せられるのでは、ないか。
 この映画が映したモノ、伝えようとしたモノも、それと近いのではないだろーか。
 誰にでもあるもの、持っているもので、ここまでできるのだよと。

 そして、ここまでオープンに、さらに踏み込んだアイドル映画も、いままでになかった。
 かつて「おニャン子クラブ」がコンセプトとして挙げながらも実現できず、
 「モーニング娘。」が『ASAYAN』をツールとしながらも完成できなかった、
 そこに、今、AKB48は到達しようとしている。
 だがそれは同時に、
 アイドルの形が崩壊するかしないかのギリギリの線でもある。
 これから訪れるものが、
 新しいアイドル象の確立なのか、真のアイドル氷河期の到来なのか、
 その答えは、まだ少し、先であろうが。
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by y.k-ybf | 2012-12-12 09:55 | 映画 | Comments(0)

むしろ、レコード・プレイヤー、の、ようなもの。


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