『脳内ニューヨーク』、を、観た。
2013年 04月 22日
演劇の演出家かな?
自分のことしか考えられない男が、妻と娘に逃げられて、
そのショックから心の内面を具現化するよーな舞台を作ろーとするんだけど、
次第に構想が暴走し、一つの街そのものを再現する巨大なものとなり…。
とゆー、
リハビリ映画っぽいんだけど、じつは、と…。
劇中劇は、メタ構造化してゆき、
「自分」もキャスティングされ、現実で起きた出来事も反映されて、
さらには「監督役の自分」まで登場し、いよいよ現実と虚構の境目があやふやになってくる。
それは主人公の精神状態、心理を投影しており、
要するに、ぜんぜん回復してないんだよな、このヒト。
不幸と云えば不幸だし、自滅と云えば、そーともおもえる。
テーマ的には、
様々な人々の、それぞれの人生があって、僕もその一つなんだと気付くシークエンスがあって、
普通ならそこがピークなんだけど、そこで終わらせてくれないのが、この映画。
そっから先の、
取り返しのつかない、それでも続く物語を見せてくれる。
そして迎えるラストには、切なさと安堵が交錯する、奇妙な到達感がありました。