ロジャー・コーマン、の、映画。監督編。四本。


侵入者 [DVD]

キングレコード



 かなり初期の作品で、1962年公開の、モノクロ。
 コーマンらしからぬシリアスな社会派ドラマで、人種差別問題を真っ向から描いている。

 んが、
 興行的には失敗したよーで、
 このことがきっかけに、
 客が呼べるオモシロさ重視のB級路線、真のテーマは隠し味的に忍ばせる、って方針に気付いたそーだ。

 南部の町、
 やっと黒人が白人と同じ学校へ通えるよーになった、
 そんなある日、一人の白人の男が訪れる。
 彼は町の有権者や黒人を快くおもっていない人々を扇動し、
 再び白人主導の、差別が横行した町へ戻そうとするのだが…。
 とゆー、
 かなり不穏なストーリーでございます。
 で、ここからは個人的感想になるのですが、
 この、町にやってくる白人の男。
 根っからの差別主義者ではなくて、
 人々の差別意識を利用して、
 己の支配欲を満たし、実質的な権力も手に入れよーとしたんじゃないのかな、と。
 政治家やその類のメタファーかなと、おもたのですよ。

 このもう一捻り入れてくるあたり、辛辣だなーと、コーマンの非凡さを感じたわけですが…、
 売れなかったせいもあって、以後、方針を変えるのだね。
 とゆー、
 幻の作品にするには、勿体ない映画でしたよ。


ワイルド・エンジェル [DVD]

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン



 ピーター・フォンダ主演の、
 実在したアメリカの暴走族「ヘルズ・エンジェルズ」をモデルとした、ま、青春暴走映画になるのかなー。
 これが原型となって、『イージー・ライダー』になったみたいですよ。

 若者の暴力的衝動、それを生み出す抑圧した社会。
 しかし自由を求める暴走は、すでに正気を失っており…、
 みたいな、
 みたいなのを描こうとしてるんだけど、
 それっぽいあたりで止まっちゃうのが、狙いなのかなー。限界なのかなー。

 そいや、プライマル・スクリームの「ローデッド」にサンプリングされてるセリフは、
 この映画のものなんですね。びっくり。


白昼の幻想 [DVD]

キングレコード



 原題は『ザ・トリップ』。どストレートなタイトルだ。

 LSDをやって、トリップ&バッドトリップを経験する、だけの映画。
 ホントにそれだけなので、とくに感想もないんですが、
 トリップ映像としては秀逸とゆーか、他が全部フォロワーにおもえるぐらい、究極だろう。
 コレ、今の技術でリマスタリングして3Dにしたら、凄いだろーな。観てみたい。
 音楽も素晴らしかった。

 フリッパーズ・ギターが「グルーヴ・チューブ」でサンプリングした音は、これに入っておるのだな。


○『ガス! あるいは世界を救うために世界を滅ぼすことが必要になった』

 どーも見付からないとおもったら、ソフト化されていないのだな、コレ。
 タイトルが、カッコイイ。無駄に長いところが、無駄でいい。

 えーと、
 軍の化学兵器の毒ガスが世界中に漏れて、三十歳以上の大人が皆死んでしまった世界、だっけかな。
 要するに、
 若者だけの世紀末となり、約束の地へ向けて旅をするとゆー、ロードムービー。

 インタビューでコーマンは、
 『ワイルド・エンジェル』や『白昼の幻想』では若者のカルチャーを積極的に取り入れてきたが、
 『ガス!』を作る頃には興味も薄れ、シニカルになってしまったと答えておりました。
 んが、
 実際はシニカルなんて生易しいものじゃなく、かなり厳しく、批判してるなとおもいましたよ。
 愚者の国が生まれたと。
 そんな「若い」カルチャーについて、総論的なテーマにもなっている映画だとおもうのだが、
 悪ノリ&ヤリスギで、逆に退屈になったのは否めなく、作品として機能してないのが残念。
 ネタだけのカルト映画になってしまった。
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by y.k-ybf | 2013-05-17 10:25 | 映画 | Comments(0)

むしろ、レコード・プレイヤー、の、ようなもの。


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