ヘヴィー・メタルの映画、を、観た。四本。


 我が人生のなかで、
 完全にスルーしてきたものと云えば、ヘヴィー・メタル、ヘビメタである。
 ガンズぐらいは聴くけども、アレもちょっと違うしな。
 そんな興味も微塵もないジャンル音楽について、
 逆に知りたくなったっつーわけで、ヘビメタのドキュメンタリー映画を、四本観たよ。


極悪レミー OVERKILL EDITION(初回限定生産) [DVD]

キングレコード



 モーターヘッドの中心人物、レミー・キルミスターを追ったドキュメンタリー。
 『極悪レミー』なんてタイトルDAKARA、
 さぞかし暴力が溢れたデストロイで悪魔的なヘビメタライフ(※イメージです)なんだろなと、
 身構えておりましたら、
 いきなりXboxのコントローラーを握るレミーから始まり、
 ショップでビートルズのCDを探すレミー、
 酒場で一日中スロットをやるレミーと、なんか思ってたのとチガウ。
 ホテルの窓からテレビを投げ捨てたり(レッド・ツェッペリン)、
 コウモリの頭を喰いちぎったり(オジー・オズボーン)、
 炊きたての電子ジャーに脱糞したり(ばちかぶり)しないのか。

 つかね。
 レミーの慕われっぷり、愛されっぷりが、
 兎に角、満載の内容で、
 メタリカなどの有名メタル勢は当然としても、
 賛辞を送るコメントのなかに、スラッシュ、デイヴ・グロールから、
 ジャービス・コッカー、ピーター・フックまで出てきたときには、何事かとおもいましたよ。
 もー生ける伝説みたいな方なのですね、レミー。
 リトル・リチャードの使いっ走りしてたとか、ジミヘンのローディーやってたとか、
 息子の母親がジョン・レノンと付き合ってたとか、
 語られるエピソードが一々おもしろいし、
 あのコレクションに埋め尽くされた家といい、ヘビメタ関係なしに、楽しめるドキュメンタリーでした。


メタル ヘッドバンガーズ・ジャーニー [DVD]

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 二本目は、『メタル・ヘッドバンカーズ・ジャーニー』。
 ヘビメタの熱狂的なファンである監督が、
 ヘビメタって、どーして世間じゃこんなに嫌われているのか?
 そして、愛されているのか?
 そのルーツから辿り始めるドキュメンタリー。

 これもメタルへの認識が変わるぐらい、興味深い内容でした。
 攻撃的なルックスからは分かり難いが、
 根本には内省的な孤独が起因となっており、その表現の一つとしてのメタル・スタイルである、と。
 だから多くのヒトがそのスタイルに共感し、ライブでは一体となれるのだと。
 例として、
 「ザ・スミスが孤独である自分を肯定し…」と、意外な名前が出てきて驚いたよ。
 強者がその強さを誇示し、愛でる音楽ではないのだな、ヘビメタ。

 と、ゆー、とても勉強になった映画でありました。
 本気で悪魔崇拝とか、教会に火をつけちゃう奴らも出てくるけどな。
 あ、
 それと、1984年に起きた、PMRCによる歌詞の検閲騒動についても、
 当時の映像と共に触れているので、興味のある方は、どーぞ。


グローバル・メタル [DVD]

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 そんで、
 『メタル・ヘッドバンカーズ・ジャーニー』の第二弾が、『グローバル・メタル』。
 前作はメタルの歴史を辿ったものだが、
 今作は世界各地に広がったメタルの現在を追っております。

 ブラジルから始まり、日本、インド、中国、インドネシア、イスラエルと、
 それぞれの文化、歴史、政治、宗教などを踏まえた上で、
 メタルがどのよーに受け入れられ、形を変えていったのか。
 ここでもまた、メタルのイメージが覆される、若者たちの真摯な姿を見ることができます。
 自由への象徴として、ヘビメタは愛されているんですな。

 さて、やはりここで気になるのは日本。
 日本のメタルシーンってなんJARO? どこを指すの?
 映画で紹介されたのはヴィジュアル・ロック、ヴィジュアル系である。
 メタルの亜流的な括りで、
 YOSHIKIやセックス・マシンガンズ(ヴィジュアル系?)がクローズアップされ、
 本流のメタルとは相容れないシーンとして結論付けもされていた。
 や、そんな本家のシーンがあるなら、そっちを紹介すれば?
 その上でヴィジュアル系を取り上げるべきじゃないのかな。
 ちょっと古いけどBOWWOW、LOUDNESS、聖飢魔IIやら、メジャーなバンドもいたんだから。
 むしろそっちの話も聞きたいけども、
 そこでヴィジュアル系がセレクトされてしまうのが、今の日本の音楽事情を表してるよーでね。
 ルーツ無きシーンとして。

 もう一つの別の流れとして、
 「ディープ・パープルのハイウェイ・スターをエアギターするおっさん共」ってのも紹介されているが、
 この画がまた強烈に「日本」なんだよなあ。
 チガウ! って否定もしたいけど、そこまで違くもないのが、切ないところだな。。。


アンヴィル!~夢を諦めきれない男たち~(初回生産限定盤) [DVD]

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 そして最期は、『アンヴィル!~夢を諦めきれない男たち~』でございます。
 もーここまで観てくると、
 メタルもブルースマンやシューゲイザーも同じ、音楽に人生を同化させてしまった人々におもえてくる。
 あの不潔なロン毛パーマも愛おしく見える。や、愛おしくはないか。

 嘗ては人気もあり、評価もされてきたヘビメタバンド、アンヴィル。
 今では音楽だけでは食べてゆけず、
 他に働きながら生活費を稼ぎ、時折、小さなライブハウスやバーでバンド演奏を続けている。
 そんな彼らの復活劇を追ったドキュメンタリー。

 公開当時かなり話題になったので、ほぼ内容を確認するよーな感覚で観たのだが…。
 落ちぶれたと云っても、
 意外にしっかりバンド活動は続けており、
 地元では人気もあるし、世界ツアーなんかもやっておりまして、
 もっとヒドい状況を想像してたので、そこは肩透かし。
 しかし、ツアー先の会場ってゆーか、ツアーそのものが結構なぐだぐだで、
 小さなハコは当たり前、
 客が集まらないとかギャラが出ないとか、電車に乗り遅れるとかホテルがないとか、
 トラブル続きなんだけど、それはバンドの問題じゃないよーな…。
 (ガチリアルで胸ぐら掴んで喧嘩するヒトって、久しぶりに見たな。プロレスの記者会見みたい)

 でも、このしょんぼりツアーが、
 おそらく、あの感動的な結末へと繋がるんだろーなー。
 無駄ではなかったんだ。
 そしてその舞台が日本だってのが、
 『グローバル・メタル』のテーマとリンクするよーで、
 続けてドキュメンタリーを観てきたわたくしには、また特別な感動を味わうことができましたよ。



 とゆー、
 ヘヴィー・メタルの今と昔、西から東、明と暗と、
 この四本のドキュメンタリーでいろいろと学びました。
 わたくしの偏見も、少しは消えたとおもいます。

 ちなみに、レミーは四本全部に顔を出しておりまして、
 改めてスゲーなとおもいましたよ。
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by y.k-ybf | 2013-07-05 09:19 | 映画 | Comments(0)

むしろ、レコード・プレイヤー、の、ようなもの。


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