『仁義なき戦い』、そのシリーズ。三本。その弐。


 続いて、『新 仁義なき戦い』三部作。


新 仁義なき戦い BOX [DVD]

東映



○『新 仁義なき戦い』

 74年12月公開。
 深作・菅原コンビによる、新シリーズ。
 とゆーか、第一作目のリメイクであり、今でゆーところのリブート(語り直し)に近い感覚かも。
 主演は菅原文太で、ストーリーの大筋も同じ。
 只、登場人物の名前が変更されており、
 実録・ドキュメント的な感覚も薄まり、シリアスとゆーか劇画的とゆーか、ドラマ映画な形へ傾いている。
 キャストも前シリーズの顔ぶれを揃えてはいるが、
 シリーズの魅力やおもしろ味は、ぜんぶ抜けちゃってるなぁ。
 緊迫感が欠けているし、胸に迫るものがない。
 回想や説明に頼る語り口も、良くないな。
 呑み屋のシーンがやたら多いのは、ロケがやりにくくなったせいかもなー。

 川谷拓三ら、若い衆のシーンは迫力もあるんだけど、全体に躍動するものがない。
 確かに、こっちのほうがリアルで、真実に近いのかもしれんが、
 このシリーズに観客が求めているモノは、そんなヤクザの政治話なんだろーか?
 つか、それをも巧く、オモシロく撮ったから、人気が出たのでわ?

 脚本家の交代が全てに影響してるとはおもえんが、
 実録でも劇でもない、なんとも中途半端な印象だけが残った。

 それと、
 ラストの、若山富三郎への襲撃と、殺害シーンは、良かったな。
 松方弘樹が、かつて自分が演じた役にトドメを刺し、生き残るってのも、意味深だしね。
 音楽も、ここでやっと活きた。甦った。
 が、
 終わり方がまた、イマイチで、
 まさか、野球拳で終わるとはのぅ…。


○『新 仁義なき戦い 組長の首』

 75年11月公開。
 深作・菅原コンビによる新シリーズ第二弾。

 主演の菅原文太は不動だが、
 今回はまったくの別人を演じており、舞台も北九州。
 おそらくシリーズの繋がりもなく、フィクション色もつよい。
 これまでの実録路線から、劇映画へ完全にシフトしたよーだ。
 となると、
 「仁義なき戦い」シリーズの看板を掲げる意味もないよーにおもふのだが、
 ヤクザ映画としては、普通におもしろかった。

 菅原文太もこれまでと違い、悪ヨリな役柄で、
 「野良犬」として執拗にターゲットのクビを狙ってくるし、山崎努のヤク中ヤクザも迫真のキャラだった。
 後半のスリリングな追跡から襲撃は、
 派手なカーアクションもあり、スゲー迫力で、なんか吹っ切れた楽しさがありましたよ。
 襲撃シーンは、他もぜんぶ良かったな。
 これは単品として、おもしろい映画でした。

 小林旭の名をかたる小僧を出したのは、タチの悪い冗談なんかな? オゥ?


○『新 仁義なき戦い 組長最後の日』

 76年4月公開。
 深作・菅原コンビのシリーズ第三弾にして、最後の作品。

 今作も主演は菅原文太で、ストーリーも続きではなく、独立したモノ。
 組長を殺された菅原が、復讐のため関西へ乗り込み、一大組織の頭を狙う。
 …ちょっと、前作と似てるかな?

 こちらも実録ではなく、劇映画。
 女性が多くでるよーになったし、
 ヒロポン(極道のゆるキャラ)の扱いも大きくなり、ドラマ性がかなり盛られています。
 それと反比例して人物の描写が甘くなり、
 中心となるキャラも浮き立たず、群像劇としても巧く機能していない。
 ダンプカーでの襲撃も、そのインパクトだけのような…。

 深作・菅原が一番撮りたかった作品のよーだけど、
 要するに、菅原文太の役を殺したかったんじゃないのかな?
 シリーズを〆めて自由になりたかった、とw

 ま、その辺は勝手な想像なんだけど。


 その参へ続く。
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by y.k-ybf | 2014-02-06 11:00 | 映画 | Comments(0)

むしろ、レコード・プレイヤー、の、ようなもの。


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