『アクト・オブ・キリング』、極彩色の闇に住まう人々。


 誤解をはらむ危険もあるので、詳しい説明は極力省く。

 60年代のインドネシアで起きた軍部クーデターを発端とする、
 約100万から200万人の共産党関係者への大虐殺。
 カメラはその虐殺を行った者達へと向けられ、
 当人達による、「虐殺の再演」が始まった…。

 決して万人に受ける作品ではないし、ドキュメンタリーとしてもハードな作りになっている。
 観た後っつーか、
 観てる途中に、何度もちょっと止めてーって、気分になった。
 アタマの使ってない部分を、強制的に動かされた感覚とゆーのかな。受け止め切れなかった。
 も、どっと疲れた。

 虐殺を実行した者たちの現在と、再現ドラマによる過去が、交互に混ざり合う。
 現在とゆーリアルが虚構のよーに、
 過去が悪夢じみた幻想のよーに感じるのは、
 そこで語られる事実と認識が、常に反転して映り、不安定な揺れのなかに放り込まれるから。
 観客が味わう気持ち悪さが、
 次第に、映画の中へフィードバックしてゆくのが、このドキュメンタリーの妙ではあるが…。

 ここで戦争や、政治や経済の話をしなくとも、
 社会などと広げなくても、
 街、
 や、町で十分。
 そこにも知らない、隠れたものがある。
 例えば、お祭りだとか。
 意外なトコロの、意外なモノが、
 そんな成り立ちをしていて、町の生活を支えていたりする。

 『アクト・オブ・キリング』に出てくる人々や、その社会の有り様に衝撃を受けたが、
 それは、
 遠く遠く、まったく関わりのない国の話では、ないのだ。
 近い未来の、身近な話かも知れないし、な。


 他にも、
 「匿名」が並ぶエンドロールの異様さとか、テレビ番組の不思議とか、
 あの金魚の建物とか、
 言いたいこともあるのだか、まとめられる気がしないので、省略。

 一つだけ、
 パンフレットは、ぜひ買ってくださいな。
 監督のコメント、インタビューに、とても重要なことが書かれています。
 撮影の真意や、
 映画完成後の、興味深い話とか。


[PR]
by y.k-ybf | 2014-04-20 22:22 | 映画 | Comments(0)

むしろ、レコード・プレイヤー、の、ようなもの。


by y.k-ybf
プロフィールを見る
画像一覧