「あ~、台風来ないかなあ」
この短い台詞に、どれほど心を掴まれたことか。
肝心なトコロはいつも曖昧なのだが、
わたくしが(おそらく)中学生の頃、深夜のテレビで放送された『台風クラブ』は衝撃であった。
近付く台風の、
大風に揺さぶる森林に囲まれて、台風の到来を待ちわびる少女。
自分と同じよーなことを考えてるヒトがいるんだなと、初めて気付いた気分だった。勿論、比喩として。
少女同士のレズシーンや、
背中のアレとか、台風の中のパーリィーも衝撃だったけど、こっちは性的な意味だからな。
で、二十何年かぶりに、『台風クラブ』を観たわけだ。
さすがにインパクトは薄く、
あー、ココはこんなあっさりしてるんだと感じる部分も多かったが、
子供の殻が窮屈になった少年少女の鬱屈した心理描写の鋭さは、未だ健在。ギラギラと尖っている。
しかし、
ラストが予想外のモノだった。
も、三回以上も観ているはずなのに予想外もないんだけど、
ラストって、あんな切なくて厳しい終わり方だったんだな。。。
台風が過ぎ、また平凡な生活へ戻ってゆく…。
ってなラストを記憶してたんだが、全然違うの。
むしろ真逆の、二度と戻れない、幼年期の終わりを描いた映画なんだなー、これわ。
だから、ドロっドロの沼みたいなグランドへ足を踏み入れて、終わるんだな。
肝心なトコロは、いつも曖昧だ。