まだビデオはなかったが、テレビで何度も放送してくれたので飽きるほど観た記憶がある。
んで実際に飽きたし、次第に距離も置くようになった。
要するに、「寅さん」みたいなもんだ。
それは郷愁のよーに、我々の内に染み込むものなのだ。
なので。
こーしておっさんとなり、再び「ゴジラ」を観るとゆーのは、
懐かしさと共に、見落としていた新鮮さを感じる。
何しろ子供は怪獣しか観てないからな。
こーゆーストーリーだったんだな、と、いろいろ気付きましたよ。
ニンゲンドラマは、怪獣の前説であることには変わりないけど。
さて。『モスラ対ゴジラ』。
「ゴジラ」映画としては四作目だが、
その前に「モスラ」は単独で映画になっており、『モスラ』は61年7月に公開されている。
モスラの幼虫が東京タワーに繭を作るのは、そっちの映画なんだな。
これはついごっちゃになって、間違えがち。
「モスゴジ」は、
モスラのでっかい卵がまず登場し、成虫が現れて、幼虫が孵化する。(二匹ね。)
おそらくパラレル&クロスオーバー的に「ゴジラ」と「モスラ」の世界観を合わせたのだろう。
改めて考えると、大胆なことをやっていたんだな、東宝。
で。
久しぶりに観た昭和の対戦モノは、ゴジラって意外と早く動くんだなあ、と。
早いってゆーか、機敏ってゆーか。
ノッシノッシと、踏みしめて動く感じではない、な。
インファント島の原住民が、
言葉わからない設定で「ドリンキン、ドリンキン」言ってるのも、時代やなあ、と。
あと、小美人があまりカワイくなかったです。
「じゃあ、帰るわ」っつって、あっさり帰っちゃうのはおもろかった。
そーそー、
流れ着いたモスラの卵を見せ物にして、一儲けを企もうとするストーリーは、テーマパーク批判かな。環境問題の。
ニンゲンがわちゃわちゃやってるのを、ゴジラが尻尾の一振りで壊すんだな。最高だ。
それと宝田明、の眼。
何か言ってんな、コイツら。とも言いたげな、興味無さげな冷めた視線がたまらない。
とゆーね、
ゴジラがモスラの幼虫に倒される、シリーズでも珍しい敗戦の映画でございます。
64年12月公開のシリーズ五作目となる本作は、ゴジラ、ラドン、モスラの三大怪獣揃い踏みとなります。
まず、ラドンなんだけど、
これも単独作品がありまして、『空の大怪獣 ラドン』。
公開が56年12月と少し遡り、『モスラ』より五年も前に作られているんだな。
つまり「モスゴジ」同様、
「ゴジラ」と「モスラ」と「ラドン」のシリーズが合わさった、完全に「アベンジャーズ」状態。
そして、偉大なる敵怪獣、キングギドラが初登場。
竜の首を三つもち、全身を金の鱗が覆い、巨大な翼で宙を舞う。この、神々しい姿よ!
三つ首から降り注ぐ怪光線と、
エルロロロロロローッ! っつー効果音!!
今更ゆーことでもないが、
キングギドラとゆー存在の素晴らしさが、際立っておりますよ。
んで、そんなキングギドラの卵?が、隕石となって落下してくるのです。
それをどっかの王女とか金星人とかが、危険です危険です云うの。
このへん『幻魔大戦』みたいだなとおもったけど、
たぶんぜんぜん関係なくて、
『007』とか『ローマの休日』をやりたかったのかな?
この設定が本当に必要なのか、わたくしにはわかりませんけどね。
それよりも、
二匹いたはずのモスラの幼虫が、「一匹死にました」(小美人・談)ってことになってるのが衝撃。
きっと前作の「モスゴジ」で、ゴジラに尻尾でバシバシ叩かれてたほうだな。南無~。
ゴジラとラドンのガチバトルが始まり、それをモスラ(赤目)が仲裁&説得。怪獣会議の名場面でございます。
地球の平和や人類のためとか、まったく考えていないゴジラが、ステキ!
キングギドラも、意外とスピーディーに動くし、飛ぶのな。
それに対して放射能火炎…ではなく、岩をボコスカ投げるゴジラ!
鉄砲玉みたいな、ラドン!
糸を吐く係、モスラ!
三大怪獣対キングギドラが堪能できる、贅沢な一本でした。
木星の陰に隠れていた新星、X星!
有人ロケットを飛ばして、レッツ・調査!
と、
そのトンデモぶりに開始五分でお腹いっぱいです。
X星のX星人さんも、さすがに今観るとキツいだろなー、設定的にも。
と、予想していたのですが、
これがなかなか徹底したミステリアスぶりで、
所謂ベロベロバーもないばかりか、地球人とのロマンスもいい具合で、秀逸なキャラだなと感心しましたよ。
只、
ゴジラとラドンは、その場で洗脳は出来なかったんかいのぅ?
もしくは、勝手に木星まで連れて来ちゃえばいいのに。
とゆー疑問は、どーでもいい。
怪獣バトルが意外と少ない気もしたが、このX星人のドラマ部分が楽しめたので、良し。
ゴジラとラドンのタッグ対キングギドラも、悪くない。
相変わらず、岩を投げるゴジラ。
岩を落とす、ラドン。
キングギドラの弱点は、岩だったのだな。
結果は、またもや痛み分け。
ゴジラの「シェー!」わね、今となってはシュール以外の何物でもない。
大人が想定する子供が喜びそーなモノ、と、
子供が欲する観たいモノ、が、如何に剥離しているか。
こんな時代から変わらないんだな。。。