『紙の月』、を、観た。


【チラシ付き、映画パンフレット】 紙の月 監督 吉田大八 キャスト 宮沢りえ、池松壮亮、大島優子、田辺誠一、近藤芳正、石橋蓮司、小林聡美

松竹

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 あまり好みのタイプの映画ではなかったが、吉田大八の新作とあっては観なくてはなるまい、と、劇場へ向かったのだが、
 うん、観てよかった。
 劇場で、集中して観るべき映画でした。
 あのカタルシスを体感できてよかった。 (なので、ちょっと蛇足を感じる部分もあるのだが。)

 只、
 ヒトに勧めるには、なかなか苦労する代物ではあるな。
 衝撃の、
 とかがないから。
 ストーリーではなく、主人公の梅澤梨花を見送るよーな、そんな映画でした。

 主演の宮沢りえは、
 そのキャスティングの時点で勝ったも同然なんだけど、
 彼女がもつ、
 リアルな感覚と、フィクションな存在感が、
 まさに梅澤梨花とゆー役柄そのものだった。

 世の中の約束事に居場所を見失いながら大人となった梅澤梨花は、
 ある時、
 そこに綻びを見付け、実感してしまう。
 ニセモノの世界と、壊し方を。
 心の葛藤、善と悪の交錯が描かれないのは、既に彼女の中では一つになっているから、ではないかな?
 スイッチが入ったなら、もう止まらない。
 あのセリフがゾワッとくるのは、そんな力があるからだ。
 おもわず身を委ね、引きずり込まれそーになる。
 これは演技だけじゃなくて、ニンゲンの資質のよーな気がするよ。

 原作の小説からはだいぶ改変されており、
 重要な役割の(それこそ天使と悪魔的な)、二人の女性が映画オリジナルのキャラクターなのは、驚きました。
 脚本の早船歌江子さんが削って削って煮詰めたそーで、
 銀行を物語の中心にしたのも正解だとおもいます。
 流石です。

 あと、衣装もよかったな。
 宮沢りえの、ガスッと締めつけるコート姿とか。

 大島優子の愉快な文字も、必見です。

 エンディングには、
 ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコの「FemmeFatale」が流れるのだが、これは梅澤梨花への歌。
 映画の帰り、
 少し茫然としながらiPodを聴いていたら、大沢誉志幸の「そして僕は途方に暮れる」が流れて、ハッとした。

 これか。
 これは、彼女を見送った者の歌だ。


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by y.k-ybf | 2014-11-20 21:37 | 映画 | Comments(0)

むしろ、レコード・プレイヤー、の、ようなもの。


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