誰に向けていいのかわからない苛立ちを抑えつつ、まとめてみましたよ。
2014年に劇場で観た映画(主に新作)は、34本。
総評は後にして、まず順位を。
と云っても、
形だけのトップテンであって、ベストテンだとおもって頂きたい。
前後編にわかれていたのを、まとめて10位に。
全体的に残念な部分が少なくない作品ではあるが、
チャンバラ・アクション映画の圧倒的なクオリティで、ねじ伏せられました。
十本刀の件は、
やらなくて正解だったかな、とおもふよーにはなりました。
もっと順位が上でもかまわんし、
なんなら『ゴーン・ガール』にすらなれたテーマでもあった。
やはり宮沢りえはヌードになるべきで、
もっと醜さと滑稽さを出すべきだった、とは、作品の評価とはべつの個人的見解なのでスルーしてほしい。
その方向ではない作品なのだから。
カラーが違うのだ。
不倫へ踏み切る展開が唐突だって感想をいくつか見掛けて、
わたくしも同感ではあるが、
あれは要するに、「パートナーは誰でもよかったから」だと解釈した。
必要なのは、そこではなかったと。
公開前の盛り上がりがあり、
公開中の祭があり、
そっから少し時間が経っての鑑賞でもあって、
高く高く伸びたハードルを見上げて、やや不安が期待を上回っておりましたが、ギリギリクリア。
楽しめた、けど、
乗り切れなかったのも、事実。
サントラの情報も、知らなかったほうが盛り上がれたかなぁ…。
とゆーネガティブな印象がありつつ、それでもってわけですよ。
あのフレッシュな導入部、アガるタイトル、
ガジェットの素晴らしさ、キャラの魅力、そしてラストに流れるあの曲&あの曲ですよ!
こんなにシリーズの続きが楽しみな作品も、久しぶりです。
これはファウンド・フッテージでありながら、
群像劇にすることでドラマ性を持たせるだけじゃなく、
視点も増やして作品の幅も広げたとゆー巧みなアイデアが、高ポイントでした。
映像と音響も劇場向きだったし。
ラストの着地点も、印象に残ったな。
⑥『
GODZILLA ゴジラ』
トップ3は確実かとおもっていたが、なんやかやとこの位置に落ち着いた。
歴代のシリーズと比べても、かなり上位に入るほど評価はしておりますが、
まーやはり、ニンゲンのパートがね。
怪獣映画的にはスッゴい難しい課題で、本作も悪くはないけど、良くもないとゆー。
変更された設定や敵怪獣とかは、納得してますよ。
只、
本来なら被害者側から悲劇の事実として語られるべきものを、加害者側の武勇伝として語られる禍々しさ。
マイナスな点を挙げるとするなら、
「アベンジャーズ」とゆーシリーズの一端であり、単独作品として判断するのが難しいこと。
ぐらいでね、
ホントに良くできた、アクション・ヒーロー映画だとおもいますよ。
ヒーローとゆー理想と、社会とゆー現実。
そこに実在の「ウォーターゲート事件」とゆー政治をも絡めた上で、
人命を守るとゆー普遍の理念をテーマに、卓越したアクションとゆー豊かな娯楽作品に仕上げている。
しかも、
優れたアート・ワークのヴィジュアルでも楽しめるし、
ロバート・レッドフォードを重要な役柄にキャスティングすることで、映画史的なリンクまで含めてあるとゆー、
非の打ち所が見当たらない映画を、4位にしましたよ。
箱庭映画とゆーと、ファンタジックな理想に満ちた世界を連想するだろーが、
ウェス・アンダーソン監督はその世界を完璧に閉じてから、
物語を使い、全力でぶっ壊そーとする。
こんなモノ、板を釘で打ち付けて絵の具で塗っただけのツクリモノだと。
ニンゲンはこんな箱には収まらないぞ、と。
そのジタバタと、ギッコンバッタンする様が、作品の魅力なのだとおもふ。
幻想と狂気が、ぐるぐる反転しながら共存しているのが。
普通はその箱庭がまず作れないし、「箱庭」と呼ぶ意欲も足りないんだけどね。
じつは、ギリギリのギリまで本作が1位だったのですが。。。
②『
エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』
スタローンの男気っつーかさ、
こんな映画を作れるなんて! っつー喜びが伝わってくるよーな映画なんだもの。めっちゃヒト殺してるのに。
本作のポスターが一目瞭然、みんな楽しそーに笑ってる。敵も味方も。
だけど、未だに同じよーなモノを作ってる、わけじゃない。
コレは明らかに、今じゃないと作れないモノ、なんだよ。
アクション・スターと呼ばれた彼らが、
その若さと、全身全霊を注いで作り上げた、
あの楽しかった時間は幻でも、間違いでもなかったと証明すると共に、
その想いを観客にも伝えてくれたのが、
この『エクスペンダブルズ』とゆーシリーズ、なんだとおもいますよ。
そして2014年、新作の第1位わ、
①『
ゴーン・ガール』
昨年、劇場で最後に観た映画が1位になりました。
我がコトながら、びっくり。
単純にすんごい面白い映画だったってのと、
鑑賞後、アレは何だったのかとゆー考えが止まなかったのが、選んだ理由の一つ。
感想は何度直してもまとまらず、
アップした後も、カリカリと書き続けていたり、この映画に魅了されたかのよーな状態となった。
未だ全貌は掴めずにいるし、
もし掴んでしまったなら、自分の中の何かがべろんとひっくり返るよーな恐怖さえ感じる、
そんな映画でありました。
陳腐な言い回しなら、ミイラ取りがミイラになるよーな。
この感覚は『ファイト・クラブ』とよく似ているし、延長線上にある作品だとおもいますよ。
デヴィッド・フィンチャー恐るべし。
以上、新作トップテンでした。
14年も間違いなく、新作は豊作でしたよ。
「
仮面ライダー」の映画がちょっと残念だったぐらいで、ガッカリしたのは、殆ど無かったな。
リブートの『
ロボコップ』だって、そんなに悪くなかったですよ。
ええ。
旧作トップテンへと続きます。