某宇多丸さんが、昨年のワースト1位に選んだことで、ビンビンに期待していた本作。
監督は、品川庄司の品川ヒロシ。
悪名を欲しいままにしてる芸人監督っつーことで、気合入れての鑑賞となりましたが、
うーん、
これは、よく出来てるんだねぇ。。。
正直、ここまでしっかりしてるとは思わなんだが、理由もちゃんとありまして。
開始直ぐに、
ああ、コント映画だ、
と、アタマが切り替わったから。
ボケとツッコミが律儀にワンセットとなっており、
そのツッコミを本職のブラックマヨネーズ・小杉が担当してるんだから、それ以外のナニモノでもない。
それが映画か? と云われたら、
そーゆー映画だ、としか云えないだろ、コレ。
この時点でハードルはぐんっと下がったが、それでも芸人さんだらけの映像にはイラっとさせられた。
テレビでやればいいのに。
さて、
タランティーノみたいなストーリー。
らしいですが、
あくまで「みたいな」であって、フォロワー等ではない。そんな上等なモノじゃない。
基本、ストーリーは後出しジャンケンの数珠繋ぎで進行するので、
途中から何も期待しなくなり、飽きてくる。
だって一週間前からのカウントダウンで、
あと五日、四日、三日…みたいな感じでそのたび状況が覆るから、緊張感もクソもないんだわ。コントだし。
しかしこのストーリーの反復はまだいいとしても、
もう一つの「みたいな」部分、
映画ネタをちょいちょい挟んでくるのは、本気でウザい。
これはタランティーノみたくは…ないよ?
まず映画ネタのチョイスが悪すぎるし、使い方がヘタすぎる。
まるでコンビニ本で仕入れたネタを得意気にキャバクラで喋るみたいにやりやがって。
そーゆートコロが嫌われるんだし、
そーゆー奴らが『バック・トゥー・ザ・フューチャー』をバカにするんだよ!
クリスチャン・スレーターの件もさ、
「ワタシ、クリスチャン・スレーター好きなんだよね。でも最近、地味になっちゃってさあ…」で、いいじゃん。
なのに何で、
「日本だとイマイチ人気が…」みたいなアングルを入れんの?
まるで自分だけは判ってるみたいに。
ハイ、お待ちかね。ここで例の「映画」のお話。
あるシーンで、かなり突拍子もなく、こんなセリフが熱弁される。
全文載せるのも今更野暮なので要約してしまいますが、
「映画好きってヤツらは、
自分では一分でも一秒でも映画を撮ったこともないくせに、あーだこーだと文句を言いやがる。
オレは年に一、二本ぐらいしか映画は観ないが、
『バック・トゥー・ザ・フューチャー』を好きだと云うと、「ベタじゃね?」ってバカにしやがる。
そんなヤツらが大嫌いだ!」
あまり要約できませんでしたが、
大体こんな具合。
まずね、
このセリフが一連で話されるため間違い易いが、
矛盾とゆーか、
前半と後半はまったく別の話だ。
「映画を撮ったこともないくせに、文句ばかり云うヤツら」と、
「ライトな映画好きとベタな作品をバカにするヤツら」。
ふむふむ、
映画に文句が云えるのは、一秒でも撮ったことがあるヤツだけ。
つまり映画とは、
プロがプロの為に、プロへ向けて作られるモノであると。
年に一、二本しか映画を観ないライトなファンなど、語る資格もないと。
わたくしは映画なんてのは、
誰もが鑑賞できて、好きとか嫌いとか、勝手なことを言い合って楽しめるモノだとおもっていたが、
どーやら違っていたらしい。
とゆーのも何だかイジワルな言い方なので、
批評家気取りの映画クソブロガーを指している、と言い換えてみるが、
それでもね、
そーゆー印象に思えたのは、それはそれで事実だからね。
伝わらなかったのは、
誤解されたのは、ぜんぶ受け取る側のせいになるの?
そこをより効果的に、ダイレクトに表現するため、
世界中の映画監督はカット割りや音楽にアイデアを注いでるんじゃないの?
『BTTF』がベタな作品かどーかなんて説明は、三日ぐらい掛かるから省略するが、
楽しんでくれているライトな映画(オレ品川の)ファンの邪魔すんじゃねえ!
って意見と、
繋げないでくれるかな?
ホントにね、
この別々の主張を一つにまとめて、スルッと映画の中に潜ませるヤリ口が、姑息! 狡猾!!
確かにイヤな客もいるだろーけど、
プロがすべきことは、イヤな客を懲らしめることじゃないだろ?
話を映画本編へ戻します。まだまだつづきますよ。
わたくしはオールタイムベスト3に、
必ず『BTTF』シリーズを入れるぐらいのライトな映画ファンなので、云いたいこともたくさんあるんですよ。
タランティーノ「みたい」な演出ばかりヤリ玉にあがるけど、
J・J・エイブラムスのフレア、例のキラキラ演出の方が、しつこくてウザい。
だって宇宙船のエンタープライズ号の中ならともかく、
ほぼ全編舞台となる川崎のキャバクラ店内をキラキラさせて、どーすんの?
しかもストーリーや会話の内容関係なく、キラッキラさせるからな。
も、邪魔。映像の邪魔。
アクション面はまだマシ、とゆー評価もありますが、
それは田中聖の身体能力と魅力であって、シーン的に優れているわけじゃない。
ここも最新の流行には敏感な品川さんらしく、チャカチャカスローの大サービス。
飲み屋で暴れる客とバーテンの喧嘩のわりに、
殺陣が丸出し、
フィニッシュが決まってないのにスローとか、も、げんなり。
後半の窪塚洋介がメインとなるアクションの方が、手数が少ないのは気になるが、まだマシだけども。
中島美嘉の、元陸上部感ゼロも、またスゴかったな。
つか痩せすぎで健康感もゼロで、むしろやつれてみえるからな。
こんな頬が痩けたコが、売れるとおもってんのかね?
あとスナイパーの件とか、
楽チンな銀行強盗の件とか、
偽のパトカー、偽の救急車が用意できちゃう件とか、
追われてるはずなのに警察が動いてるよーにまったくおもえない件とか、
あんな密集地のビルが燃えてるのにすぐ消防車が来ない件とか、な。
いろいろあるけど、
ここは防犯も治安も何もない無法地帯なのか!
ってゆーコント映画なんだから、
アタマを空っぽにしてボンヤリ観るには、丁度よく出来ている。
DAKARA、
サブリミナルみたいに小賢しい、余計な主張なんか入れんじゃねーよ。
テレビのドラマスペシャルとかで放送すれば、評価されるレベルではあるんだから。
とゆー、映画ブロガーのお粗末な感想でした。
も、
こーなったら品川ヒロシ監督の新作『Zアイランド』、観に行くしかあるまいな。。。