『チャッピー』、観た。


【映画パンフレット】チャッピー

ソニーピクチャー

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 ニール・ブロムカンプ監督、長編三作目となる本作。

 まず触れなくてはならないのは、
 一部で騒然となった、
 日本では修正された編集版のみの公開となった件。

 修正前と後で比べたわけではないので断定はできないが、
 おそらくココか? とゆー編集点は、観ながらも判った。
 (他の情報から推測しても、たぶんこの一カ所だけ。他にあったとしても気付きませんでした。)
 それは所謂ゴア描写で、時間にして数秒程度のカット。
 当然ストーリーに影響はないし、シーンの流れを壊すこともない。
 強いて影響を探すならば、
 あるキャラクターの残虐性を強調する効果は削いだことになるが、
 それは別のシーンでも描写されるので、ほぼ問題ないだろう。
 要するに、
 モザイクで隠すよりカットがベター、との修正判断だとおもわれる。

 そんなコトで騒いでたのか、
 ハイハイ、シネフィルシネフィルワロスw、
 と、
 片付けていけないのは、
 そもそもの原因が、慢性的な映画配給会社への不信に因るからだ。

 日本だけ公開されない、ソフトもでない、
 字幕がボケてる、吹替がナメてる等々、配給会社には散々泣き寝入りさせられた上での、今回の事態である。
 「以前からも日本で公開される映画の場合、何らかの修正を受けるのは珍しくないよ」と、
 訳知り顔で飼い慣らされた豚みたいな能書きを垂れるアホにも一理はあるが、
 本作のよーなメジャーで、ビックバジェットな映画でやるか? ってのが一つ。
 もう一つが、
 これが一番問題だとおもふんだけど、
 修正の件をろくにアナウンスしていないコト。

 この件を初めて知ったのは一般のツイートからで、
 確認のため公式サイトを見ても情報はなく、検索しても見当たらない始末。(※公開前の当時ね。)
 遂には監督本人へツイッターで確認する者が現れ、
 「何ソレ? 知らんがな」との返答を受け、
 更に騒動はヒートアップしてしまうが、
 試写を観た方々の好意的なリアクションによって、やっと事態は沈静化へと向かう。

 んだからさ、
 せめて事前にアナウンスと、可能な程度の説明を加えてくれれば、こんな騒ぎにはならなかったんだよ。
 例えばホラー映画のよーな、
 ショッキングなシーンが大前提にあるジャンル映画ならば、致し方ない場合もあろう。
 あくまで、ケースバイケースだけどな。
 モザイク掛けられて、ま、そーだろなと。
 でも『チャッピー』は、誰がどー見ても違うでしょ?
 そんな勝手が許される規模の作品ではないだろに。
 他人の唐揚げに勝手にレモン搾って、ナニ気が利く女風な顔してんだって話ですよ。
 ビデオテープを貸し借りしてる時代じゃないですよ、今。
 ネットで容易く海外の情報が集められて、監督とも直接交流までできるのに、
 こんな詰まらないことで自ら出鼻を挫くなんて、
 ソニー・ピクチャーズエンタテインメントには、本当に猛省してほしいなと願いますよ。

 さて、と。
 やっとこさ映画本編の話になりますが、これがド直球とも云えるストーリーで。
 人工知能として生まれたロボット、「チャッピー」の物語、と云えばそれまでなんだけど…。
 勝手に生むエゴ、
 勝手に育てるエゴ、
 勝手に殺そうとするエゴと、
 そこから生き抜こうとするエゴの戦いでもあって。
 言い方を変えると、「悪い子育て ザ・100選」みたいなお話。
 ストーリー展開が、テーマの複雑&深刻化を巧く回避してるのは、
 監督の業っつーか、狙いなのかもな。
 あんだけ重要だっつってたガードキーを持ち出しても大事になってるよーには見えなかったり、
 甘い描写も所々に残されておりまして。
 『第9地区』より一歩進んだか、半歩遅れたかは、観たヒトそれぞれかもしれんけど。

 ま、兎も角、
 チャッピーの愛くるしさと、
 リアル以外の何物でもない世界、近未来ヨハネスブルグの都市は、
 何時間でも観ていられるぐらい、わたくしには魅力的な映像でした。
 象徴的に何度も映されるヴォーダフォンの円柱タワーへ向かうシーンなどは、
 入るんだ!?
 と、妙に興奮を覚えましたよ。

 ヒュー・ジャックマンの悪役も、良かったな。
 やっぱりこのヒト、巧い役者さんですね。只のミュータントじゃないわ。
 一瞬だけ十字を切るシーンがあるけど、あれだけで彼のキャラは確定されるしね。
 ニンジャ役のニンジャや、しゅっとした野沢直子似のママも、本職じゃないのにハマってましたし。

 SF寓話の新しいスタンダードとなる一作ではないか、と。

 あ、でも、
 王道とゆーかベタ過ぎて、
 後半、も、笑っちゃったけどな。
 それもやるー、
 それもやるのかー、と。


 取り敢えず、
 無性にチャッピーが欲しくなる、
 そして抱きしめたくなる、そんな映画でした。

 ソニーは、ちゃんと謝れ。


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by y.k-ybf | 2015-05-31 15:16 | 映画 | Comments(0)

むしろ、レコード・プレイヤー、の、ようなもの。


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