こんばんわ、ダリオ・アルジェントです。五作です。
2016年 06月 09日
『サスペリア』を含む「魔女三部作」でも取り上げた、イタリアン・ホラーの帝王ダリオ・アルジェント。
今回は初期から最新のものまで、五作まとめて観てみました。
出鼻を挫くよーなコトをまず云ってしまふが。
アート志向な独特の色彩感覚。
処女性に拘る神秘主義と、相反するよーな扇情的描写。
汚物や流血と云った、次第にスプラッターへ傾倒してゆく過激な露悪的表現など。
ダリオ・アルジェント監督の個性とも魅力とも云える点が、
エロスの部分はたいへん愉しめましたが、
判った判った判りましたから先へ進めてくださいよ、と、願うばかりでした。
とゆー、
かなりネガティブなスタンスでの感想になることを、予め。ご了承してください。。。
70年公開の、監督デビュー作。
ブロンドの女性ばかりを狙う猟奇的連続殺人事件に巻き込まれる、サスペンス。
個性的な登場人物と、
緻密さではなく、劇画のよーな如何わしい楽しさを作品にもたらす。
今の感覚だと、
正統派ホラーともおもえるスタイルですね。
71年公開の、サスペンス・スリラー。
『歓びの毒牙』、『四匹のハエ』と合わせて動物3部作と呼ばれている、とか、いないとか。
次々と容疑者が現れては殺される、
先が読めない、複雑に展開するストーリー。
・・・分かり難い。
電車で轢かれるシーンは、なかなかのゴア描写。
オカルト色はまだまだ薄い。
82年公開。
『サスペリア』が77年公開で、ロメロの『ゾンビ』を製作したのが78年。
80年には『13日の金曜日』が公開されてスラッシャー系ホラーがブームとなり、
ホラーへのアルジェントの影響については専門家に任せるとして。
本作は、
えー…、ブロンドの美女が襲われる連続殺人‥‥‥って、どれも一緒や!
カメラが犯人視点で、
観たわ。
だいぶグロさが増してくる、ホラータッチのサイコ・スリラー…だと、わたくしはおもいますよ。
虫が大好き、ハエを使役できる少女が主人公。
「蠅の女王」とゆー設定は独創的だが、特にストーリーで重要なわけでもなく、
しかし特撮、合成の点は、
トラウマ級の嫌悪感を植えつける見事な迫力。
後半の、
アレに少女を叩き落とす場面は、監督の狂気とも云える拘りを感じた名場面でした。
その後の首チョンとチンパンジーで、いろいろどーでもよくなるが。
そーか、「ドラキュラ」を題材にした映画かー。
ぜんぜんそのまんまの「ドラキュラ」でした。
12年の新作で、
「ドラキュラ」をほぼそのまんまやるチャレンジ精神!
コメディでもなく、ダーク・ヒーローでもなく、
「ノスフェラトゥ」ですらない、「ドラキュラ伯爵」。
十字架! ニンニク! 銀の弾!
ヴァン・ヘルシングまで登場する、あの「ドラキュラ」ですよ!
2012年に!!
CGがチープなだけならまだしも、特撮も明らかにレベルが落ちている、よーに見えるのは、デジタルの罪。
…うん。
ホント、あの生々しい巨大カマキリの映像は、是非ともスクリーンの3Dで体感したいものです。
エログロも健在で堪能できますが、
正直、古典ホラーの再現とかゆーレベルにも達しておらず…。
後半、
登場人物が次々と殺されてゆく展開には、尋常じゃない後始末感が漂っておりましたが。
ドラキュラに咬まれた男が逃がされた直後、オオカミ男に咬まれる死に様には、
このチープさ、グロさを気楽に楽しむべきだったかな? と、今更気が付いた想いで、
熱心なファンの方々には申し訳ない。
まさか、
ぜんぶ同じ味わいの料理が出てくるとわ…。
とゆー、