SF「マトリックス」百叩き。三本。
2016年 12月 06日
アメリカでの公開が99年の5月。
『マトリックス』の公開が同じく99年の3月。
何故急に『マトリックス』の話を始めるかとゆーと、ストーリー設定部分に似た箇所があるからで。
コンセプトはかなり異なるので偶然だとはおもいますが、こーした作品が同時期に発表されるのは興味深い。
ある資産家が、何者かに殺害された。
彼は密かに電脳世界で作り上げた「虚像の街」へダイブする装置を開発していた。
親密なパートナーとして彼の傍らで働いていた主人公の男は、
殺害の真相を追い、「虚像の街」へダイブする…。
とゆー、
グリーンの光線が特徴的な装置が、やはり少し「マトリックス」っぽい粗筋。
しかし中盤からの二転三転する捻り具合は、
製作は、なんとローランド・エメリッヒ。
確かにスタイリッシュとゆー概念で世界中に影響を与えた「マトリックス」と比べて、
個人的にはこの結末、辛辣な意味が隠された幕引きの方が、好みであります。
ノーランの『インセプション』も、この作品の影響を受けてるそーで。
SFサスペンス、とゆージャンルになるだろーが、
ファンタジックな要素もつよく、ゴシックな世界観も素晴らしい。
真夜中の零時、
失われた記憶わ?
隠された街の秘密とわ?
理屈の部分はさておき、立体絵本みたいに変貌する街の見事な造形は、一見の価値アリ。
あの結末も、個人的に好き。
混乱しそーなストーリーと謎ですが、
語り口が本当に巧みで、スルスルと気持ちよく展開してくれます。
「マトリックス」もこれぐらい巧ければなぁ…。
インストーラー スペシャル・エディション [DVD]
アルベール・デュポンテル,マリー・ギラール,マルト・ケラー,メラニー・ティエリー,エステル・ルフェビュール/角川エンタテインメント
undefined
フランス産の、SFサスペンス。
網膜から記憶を呼び出したり、消したりする技術が実現化した未来の話。
SFとゆージャンルになるが、
ストーリー自体はハードな捜査モノで、『マイノリティ・リポート』に近いかも。
しかしそれでもSFらしい派手さはなく、刑事ドラマのよーな地味な展開が続く。
よーなっつーか、刑事ドラマなんだけどね。
しかも主人公の眉毛が太い刑事は、おそらく詠春拳の遣い手で。
狭い室内での格闘を、効果的に楽しませてくれます。
フランス人の偏った好みがよく判る。
SF要素って必要なのか?
と、身も蓋もないコトは、そっと胸に締まっておこう。