(お腹を押さえながら)何ですかコレわ? 松田優作の映画特集です。九作です。
2017年 01月 09日
リアルタイムではあるけども、憧憬とも違う距離を感じております。
要するに、
特殊な思い入れはない、とゆー個人的な印象なので、彼が主演の作品もほぼ未観。
キャリア的には初期の主演映画。
松田優作が暴力事件を起こして謹慎してる間に撮影したそーで、
謹慎って、そーゆーものなのか。。。
松田優作は教師役で、舘ひろし(新人)が不良グループのリーダー役。
仲良く喧嘩しながら巨悪な黒幕(校長)を倒すとゆー、じつに劇画チックなストーリー。
手先となる生徒会(剣道部!)もしっかり登場します。
松田優作は(おそらく)ブルース・リーにだいぶ影響されてた頃で、
後半の演技や展開は『怒りの鉄拳』か『燃えよドラゴン』かとゆー勢い。
舘ひろし(新人)の素人演技は、
も、声が小さくて小さくて、逆に見所。
二周ぐらい回ってほのぼのにすらおもえる、学園乱闘映画でした。
松田優作の妹役が、つくづく不憫。
ワイルドでアウトローなキャラクターは、一般的な松田優作のイメージそのものかも。
ユーモアもしっかり配置されており、作りに安定感がある。
その反面、深みはなく、
平均的なアクションドラマに落ち着いている。
とはゆーものの、
やはり当時のロケ撮影の大胆さには見応えがあり、
都心の空撮や、ビルからビルへの銃撃戦などは、単純に感嘆する。
あの屋上の建物は、今、六本木ヒルズですって。
あんなトコで撮影したんだな。
(窓を乱暴に割って出ようとしたら、
今は無き渋谷のストリップ劇場も出てきます。
渋谷って、本来あんな街だもんねー。
松田優作入門編としては、最適な一本だとおもいます。
余計な思想がない。
音楽がシリーズを通して大野雄二なんだけど、完全にルパン。
完全にルパンなのです。
遊戯シリーズの第二弾。
前作と同じく78年公開で、監督も村川透。
鳴海昌平とゆー松田優作のキャラクターに変わりはないが、ストーリー上の繋がりは不明。
本作には唯一、
とゆーのも、
元々の企画は別作品の予定で、それが遊戯シリーズへ変更になったそーですよ。
「殺し屋」鳴海昌平の一面がクローズアップされたストーリーで、
阿藤海の、
「やさしいよ~」はキラーフレーズ。
主演は松田優作だけど、
ストーリーは岩城滉一(新人)、志賀勝との三人で展開する、いまでゆー犯罪コメディ、かな。
志賀勝とゆー意外なキャスティングが素敵だ。
松田優作は(おそらく)ショーケンの影響を受けていた頃で、コメディチックな振る舞いが目立つ。
ハードでワイルドな自身のイメージを、
(つか、松田本人はコッテコテのコメディをやりたかったのかな?)
飄々と犯罪を企む松田優作(と二人)の姿は、滑稽で、魅力的だ。
悲劇的な運命も含めて。
ゲリラでの撮影や、迫力あるカーチェイスなど緊迫感もあり、
ちょっと切なく、イイ感じのラストも良い。
「七千万なら利子だけで暮らせる」
との台詞に、一瞬、衝撃を受ける。
そんな時代の映画。
本人が望んでいるかはさておき。
代表作として挙げられるのも納得。
ストーリーは、
ジョージ秋山の「銭ゲバ」みたいな話だけど、
その理由と顛末がやや消化不良に感じられたのは、時代感覚のせいかもな、とか考える。
七千万で暮らせるのだからなー。
主人公の求めるものが掴みにくい。
彼には何も必要ないと、おもえてしまふよ。
その地続きとして『野獣死すべし』を観ると、面白いですね。
シリーズ三作目の、最終作。
監督は同じく、村川透。
ユーモアが排除されて、台詞も少なく、全編シリアスなムードで統一される。
それはそれでシリーズの魅力を損なってる気もするのだが、
殺し屋稼業の孤独さを浮き彫りにしている。
話の判りにくさは相変わらずで、
殺し屋同士の戦いも、もちっと盛り上がって、深みがあれば、更に良かったんだけどねー。
松田優作が減量の上、奥歯を抜いて役作りに挑んだコトでも有名な本作。
これまでのタフな役柄とは正反対な、
繊細で病的、神経質な主人公像は現代的におもえるし、実際、ある種の雛型にもなったのだろう。
(当初の予定とは違うらしいが)心理描写のシーンも多く、主人公の孤高が強調される。
とゆー意味合いにも捉えられるテーマだが、
そしたら、後半の狂乱は野暮だわなあ。
ラストはいろんな解釈が出来るけど、
わたくしは「夢オチ」説だとオモシロいので、一票。
最初のコンサートで眠ったまま夢見てた、とゆー。
共演の鹿賀丈史がまた、エネルギッシュな狂犬のよーで、ステキ。
野獣。
原案は松田優作本人で、
ハードボイルドとゆーか、
(明らかに)ロバート・アルトマン『ロング・グッドバイ』の影響を色濃く受けております。
「野獣」辺りから松田優作の役柄へのアプローチは大きく変化しており、
ニンゲンの弱さをテーマにしてるよーな印象を感じました。
本作は松田優作本人の原案とゆーこともあり、
個人の内面(少年性?)がダイレクトに描かれているのかな、ともおもいました。
ラストの葬送シーンは、
過去の自分との決別を意味しているよーにも見えます。
少し時間が飛んで、86年公開。
監督降板により、急遽松田優作が監督となった、初監督作。
主演は石橋凌(新人)との共演。
コレね、
トラブルも話題になったし、あまりいい噂も聞いていなかったので期待せず観たのですが、
(当時の)新しいタイプのヤクザ映画として、楽しめましたよ。
ポール牧の変態幹部役や、片桐竜次の松葉杖大回転など、怪演が際立つ。
逆に、
ロボットである意味は作中でも重要ではないので、薄目でスルーしても構わないかとおもいます。
(人物が勝手に心情を投影する効果(存在)はあるけども。)
この時期の松田優作は、
『家族ゲーム』(83年)に代表されるよーな無表情で得体の知れない役柄が多くなり、
(『ターミネーター』(85年)の影響については肯定も否定もしないけど、
本作で演じる役割はむしろ『ターミネーター2』(91年)に近いのが、興味深いですな。)
途中交代なので松田優作の監督の腕前までは判断できないけど、
印象的な情景シーンは、彼が撮ったんじゃないのかな?
ぐるーーーんって回るやつとか。
とゆー、『ア・ホーマンス』。
かなり誇張して表現すると、
レフンの『ドライヴ』っぽい‥‥‥(思案中)‥‥‥気もします。
つか、
『めぞん一刻(主演・石原真理子)』と同時上映だったんだな。。。
以上、
松田優作特集でした。
今回は、Wikipedia大活躍。