『機動戦士Zガンダム -星を継ぐ者-』(2005)


 『機動戦士ガンダム』の「正統」な続編、、『機動戦士Zガンダム』が映画になった。

 正統な、と、付けなくてはならないところが、
 今の『ガンダム』の現状であって、微妙なのだが・・・。


 感想から先に言うと、どエラくおもしろかった。
 あの、
 「Zガンダム」がこれほど変わるのかと、そして変わっていないことが、驚いた。

 基本は、
 20年前に制作されたテレビシリーズを、映画三部作として再編集したものである。
 当然、いろいろと、画は古いし、劣化もしているので、
 新作カットを加えたり、エフェクトを追加したり、
 また新旧カットを違和感無く繋げるためにデジタルな技術を使ったりで、
 すっごい手の込んだことをしている。
 だったらぜんぶ描き直して新作にすればいいのにと、
 普通なら(自分も含めて)おもうところである。
 だが映画を観てみると、オリジナルの画を残すことで、
 あくまでオリジナルを尊重する「再編集」であること、
 そしてタイトルにもある「新訳」の意味が、明確になっていた。
 (監督もインタビューかなんかで、
  「ぜんぶ直すと、新作というか別の作品になってしまう。」みたいなことを応えていた。)

 ストーリーにも、展開にもおおきな変化はない。
 そのかわり、かなり豪快にカットされたところがあるし、説明の省き方も半端ではない。
 何しろこの一作目では、
 テレビシリーズでいうと1話から15話ぐらいまで、
 単純に計算すると約450分にもなるものを、
 2時間にも充たない映画にしなければならないのだから。
 そこに不満を感じるのもわかるが、
 大胆な編集によってテンポが抜群に良くなり、
 全体的に緊張感も増し、作品としての説得力も生まれていたので、
 正解だったようにおもう。

 オリジナルの『Zガンダム』を知っているものなら、
 あのZガンダムが、と、感じるほどに。

 おかげで一見さんは、完全に置いて行かれるが・・・。

 個人的に一番変わったとおもえたのが、主人公のカミーユ。
 オリジナルを観たとき、
 いつもイライラしてキレやすい印象で、感情移入ができないキャラクターであった。
 それがこの映画では、自然と受け入れることができた。
 本来、カミーユは一般市民であり、
 軍の兵隊でも、
 イデオロギーを主張していたわけでもない。
 女みたいな名前をからかわれて、
 兵隊さんを殴って補導された、年齢相当に情緒不安定な学生さんなのだ。
 それが事故、事件によって、
 戦争まで発展する(個人では抗うこともできないような)巨大なうねりに呑み込まれてゆく。
 映画ではそれが顕著に表現されていたし、
 逆に言えば、オリジナルが放映されたときには気付かないものだった。

 20年後の、
 新生でも再生でもない、新訳。
 結末が変わると噂に聞き、
 不安もあるが、それ以上に興味がわく映画であった。



 以上。



 でもやっぱり、新作カットの出来が完璧だったので、
 ぜんぶやっちゃえばなあと、つい考えてしまう。

 ギャプランとアッシマーが出てくるとこなんて、
 すごいですよ。
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by y.k-ybf | 2005-06-12 10:49 | 映画 | Comments(0)

むしろ、レコード・プレイヤー、の、ようなもの。


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