『亀は意外と速く泳ぐ』 (6/100)


亀は意外と速く泳ぐ デラックス版
/ ジェネオン エンタテインメント
ISBN : B000A16D3C



 シティボーイズが好きだった。
 好きであったと過去形で話さなければならないほど嫌いでもないが、
 正確にゆーならば、三木聡とやっていた頃のシティボーイズが好きだった。

 あの、
 日常と非日常を同スケールで描く笑いが、好きだった。
 宇宙人や未来人やエスパー何かがいても、壊れることのない世界が。

 三木聡の特異な才能は、そのバランス感覚だろう。
 空想や妄想や幻想が入り交じった人生を、
 道の端や、公園のベンチに置くことができる。

 『亀は意外と速く泳ぐ』はタイトルだけから想像すると、
 平凡な日常やら自分探しやらみたいな映画におもえるが、
 じつは「スパイ映画」である。

 スパイは平凡ではないが、非凡であるとスパイはスパイの仕事ができない。
 亀は意外に早く泳げるが、亀は亀なのだ。

 主演の上野樹里の迷いのない演技も、 蒼井優の行動力のあるバカさも良かった。

 爽やかで、辛辣さもあって、
 笑えて、泣ける映画であった。

 腕はいいのに、目立たぬようにそこそこの味のラーメンを作り続けるラーメン店主が、
 街を去るとき、旨いほうではなく、
 そこそこラーメンのレシピだけを残してゆくシーンは、ちょっと感動してしまいました。

 さらにオープニングのパラパラマンガは、小田扉。
 エンディングはレミオロメンの「南風」。

 わたくしの好きなものがゆるっと詰まった映画でした。
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by y.k-ybf | 2006-09-13 09:09 | 映画/100 | Comments(0)

むしろ、レコード・プレイヤー、の、ようなもの。


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