『らき☆すた』
2007年 10月 10日
『らき☆すた』とゆー、ちょっと盛り上がってるコミックとアニメがありまして。
先日、そのアニメが最終回を向かえましたので、一つ、記念に書いておきます。
わたくしはアニメのほうしか観ていないので偏った知識になりますが、
かなり大雑把に内容を説明いたしますと、
アニヲタの女子高生を主人公とした、ほんわか学園物でございます。
重要なのは、この「ヲタ」の部分で、
その奇怪な生活と習性を中心に描かれておるわけでして、
アニメではさらにそのへんをネタてんこ盛りでボリュームアップしております。
ここから常識ある一般の貴兄には、わけの分からない話なるわけなんですが。
『涼宮ハルヒの憂鬱』とゆー、ちょっと前にブレイクしたアニメがございまして。
それが『らき☆すた』作中にも、アニメの「人気作品」として登場します。
アニメのキャラクターが、
別のアニメのファンとゆーわけで。
アニメ好きの主人公を描く作品としては、特にめずらしい設定ではないのですが、
ここまで直接的で、具体的なのは類がないのではなかろうか。
とにかく徹底して、作品とファンの関係性を作り上げておるわけでございます。
(ちなみにフツーは、架空の作品などをでっち上げるものです。)
ネットにカキコミしたり、限定品を買い求めたり、
イベント行ったり、コミケ行ったり、コスプレしたり。
さらに『らき☆すた』ではもう一歩踏み込んで、
タブーとも言える「中のヒト」、つまり声優さんイジリもやっております。
リアルなw世界において、声優さんのイベント関係などは定番でありますが、
それがそのままアニメの中で行われるのです。
声優さんが実名で。
リアルなww世界ではあたりの前のことでも、
作品の中でやられてしまうと、どこかトリップみたいな、妙な感じがします。
アニメとゆー世界観が破綻するからね。
さらにややこしいのが、
『らき☆すた』の主人公である「泉こなた」の声をあてている平野綾とゆー声優さんは、
『涼宮ハルヒの憂鬱』のヒロインである「ハルヒ」の声もあてておりまして、
作中ではハルヒ関係のイベントへこなたが観客として参加して、
平野綾のステージを鑑賞したり、
ハルヒのコスプレをして、そのまんまの声マネをしたり(本人なので当たり前)、
ゆるやかに、構造がメタ化してゆきます。
(しかもそのイベントは、実際に行われたものです。)
さらにさらに、声優さん本人のままのキャラクターが出てきたりと、
やりたい放題で、
アニメとリアルwwwの関係性は複雑となり、構造は多重的な面も形成するわけです。
かつて裏方以上では有り得なかった声優さんは、
いまや、タレント、アイドル級な存在であるので、キャラ化は自然な成り行きでしょうが、
これこそが、幻想と現実が交錯する、
まさに現代的な、一つの形ではないでしょうか。
最終回。
文化祭が始まるまでのエピソードで、エンディングは「愛はブーメラン」が流れました。
ご存知の方は察していただけるとおもいますが、
『ビューティフル・ドリーマー』そのものです。
そーか、と。
『らき☆すた』とゆーアニメは、これがやりたかったのかと。
ある意味では新しい解釈としての、
『ビューティフル・ドリーマー』なのかと、想う次第でございますが。
おそらくこのスタッフさんたちは、押井守の影響をモロに受けちゃった世代で、
そーいったチルドレン的な方々が、
こーいった構造の作品を作るのが、とても現代的だと、おもいます。よ。
おしまい。
らき☆すた 1 限定版
/ 角川エンタテインメント