『BREATH』/渡辺美里 (014/100)
2007年 12月 11日
渡辺美里の、サードアルバム。
三枚目。
決めるまでにはデビューアルバムの『eyes』を選ぶつもりでおりましたが、
聞き返してみましたら、おもっていたよりも聞き込んでしまいまして、
こちらを選ぶことにいたしましたで、ございます。
『BREATH』の特筆すべきトコロは、
何よりも、ソウルフルな美里のボーカルでございます。
当時、若干21歳にして、すでに完成したようなソウルシンガーぶりでございます。
またオールディーズやR&Bを下敷きにした、
シンプルなアレンジの楽曲も、良好でございます。
作曲陣には美里本人の名前もありますが、
TMの小室哲哉、木根尚登、
今、ちょっと話題の佐橋佳幸、後にspeedなどを手掛ける伊秩弘将。
編曲には西平彰、清水信之と、見事に揃ってるし、
まだまだみなさんバリバリの現役、若手で、
美里とゆー新しい才能をサポートしつつ、
互いに影響を与え合っている、熱情のようなものが感じられます。
このあと美里は『ribbon』で本格的なブレイクを迎え、
次のステップへ向かうわけでありますが、
わたくしは、
この、
激しく、少しシリアスな頃の美里が、一番思い入れがあったり、するのでございます。
若い世代、と、ゆーのもなんですが。
美里がメキメキとその才能を開花させていった頃、
ファンである方々は、
ユーミンに代わる新しいシンガーが現れたと、期待に胸を躍らせたものでございますが、
現在の美里をみていると、
ユーミンを飛び越えて、美空ひばりみたくなっておりまして、
や、
悪いわけではないんだけれども、ちょっと複雑ではあります。
今でゆーと、
そのポジションは宇多田ヒカルになるのでしょうか。
なんだか間が抜けてるような気もしますが。
ただ、実力的には申し分ないけれど、
ユーミンや美里が放っていた、大袈裟に言えば、時代の代弁者としての引力が、
今のミュージシャンには薄いような気がします。
誰とは言いませんが。
尾崎豊は、理想を強く打ちだすタイプでしたが、
美里は無力や弱さを、隠さない強さがあって、
男女関係なく、支持されたのは、
そのあたりが理由だったのではないでしょうか。
エー、コラ。
BREATH
渡辺美里 / / エピックレコードジャパン