『天元突破グレンラガン』


 撮り溜めておいた『天元突破グレンラガン』を、やっと最後まで観ましたよ。
 クオリティも高く、おもしろいロボットアニメでした。
 んが、
 同時に、今現在、アニメを作ることの難しさも、思い知らされた気分でございます。

 分かり易く、ロボットアニメとして話を進めますが。
 ロボットアニメは、初め、ファンタジーでした。
 『鉄腕アトム』や『鉄人28号』辺りがそーなんですが、
 アニメにおいてサイエンスは、まだファンタジーと同意で、それで充分でした。
 それから『マジンガーZ』、『コンバトラーV』、『ダイアポロン』(笑うトコロです)と、
 今でゆートコロの「スーパーロボット系」の時代を経て、
 『ガンダム』の登場と共に「リアル系」ロボットが生まれました。
 もちっと正確にゆーと、
 『ガンダム』、『ダグラム』、『ボトムズ』といった、
 作品の方向性(表現的な意味)がリアルなロボットアニメの台頭と、
 後に作られるテレビゲーム『スーパーロボット大戦』シリーズにおける選定によって、
 アニメにおけるロボットは、大きく「リアル系」と「スーパー系」に区分されることになります。

 リアル系とスーパー系を簡単に説明いたしますと、
 大砲の弾が切れて、機体が傷付くのがリアル系で、
 弾切れがなくて、機体が傷付いても平気で、すぐに直るのがスーパー系です。
 つまり、
 同一であったサイエンスとファンタジーが分かれてしまったわけなのです。

 リアルとスーパー、
 二つの軸を与えられたロボットアニメは、
 それぞれ明確な核(軸)を頼りにしながらも、曖昧な境界のまま、
 作品を作り続けるわけなんですが、
 次第にかつてのような勢いは失われていきます。
 そして『エヴァンゲリオン』が発表されると、
 心理描写を多用し、
 リアルタイムで等身大のニンゲンを描くドラマ重視型の作品が求められるようになり、
 皮肉にも、
 ロボットアニメの根幹が疑問視され、受け容れにくいものになってしまいました。
 ま、理由は他にもいろいろあるんだけども。

 しかし、さらに深刻な問題がアニメ全体に起こります。
 それは世代交代による、過渡期からの創作の停滞であります。
 ぶっちゃてゆーと、ネタ切れです。
 (分かり易くするために、かなり大雑把にこの結論を提示しましたが、
  実際はもう少し複雑で、
  日本のアニメは世界最新鋭のものですが、
  それ故に先が見えず、懐の広さと浅さを混同してしまった嫌いがあるのです。)
 そんで近年、
 アニメは急速なパロディ化と、画一的な萌えへと変化してゆきます。

 アニメの技術も評価も上がり、ヒット作も生まれて認知も広がり、
 作られる作品の数も増えてるわけですが、
 ネタ切れの実情は、
 過去の遺産を引きずり出しての焼き直し、食い潰し、
 ランクを下げて笑い飛ばし、誤魔化しているわけです。
 (さらに、そこへ「萌え」が注がれるわけで。)
 そーいったものは吸引力が強く、興味を多く呼び寄せるものではありますが、
 元々がコピー・コラージュみたいなものなので、
 作品の空洞化が進行してしまい、あっとゆー間に消費されてしまうのです。

 残骸を、街に撒き散らしたままに。

 で、
 『グレンラガン』の話に戻るわけでございますが。
 二、三話観ればわかることですが、
 『キャプテン・ハーロック』と『ゲッターロボ』であります。これわ。
 強い、影響下にあります。
 しかし、
 それはパロディでもサンプリング的引用でもなく、
 不可避な流れとして生み出されたものだと、好意的に受けとめるべきだとおもいます。

 例えば。
 例えば、ライバルである敵が左ストレートで殴ってきたら、
 右のストレートでクロスカウンターを狙うのです。
 これはパロディなどではなく、もはやDNAにまで及ぶ遺伝子の意志なのです。
 我々の。
 例えばな。

 『グレンラガン』とは、原点回帰のロボットアニメであります。
 これまで作ってきたものを、
 これから作らなければならないものを、二つの螺旋としたドリルが掘り進むが如く、
 すべてを払い除けて、すべてを抱え込みながら。
 今、モノをつくるには、それぐらいの意識を持っていなくては、通用しないのだろう。
 そーでなければ、すぐに飽きられて、捨てられてしまう。

 『グレンラガン』が成功したのか、失敗したのかは、ともかくとして、
 よく作り上げたものだと、感心いたしますよ。

 「信じろ」とゆー言葉が作品の中で、何度も重要なキーワードとして出てきますが、
 それが、
 「信仰」ではなく、「信頼」として描こうとしているのが伝わってくるあたり、
 制作者の強い意思が表れています。
 『グレンラガン』は、何の因果か、
 時代に一つの楔を打った『エヴァンゲリオン』を作ったガイナックスの作品でありますが、
 それが、
 あの時の、ほったらかしにされた「結末」の一つであったらええなと、
 おもう次第でございます。

 (エヴァも、今、再生してるわけだし。)



天元突破グレンラガン1 (完全生産限定版)
/ アニプレックス
ISBN : B000PUB0QI
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by y.k-ybf | 2008-02-07 21:28 | テレビ | Comments(0)

むしろ、レコード・プレイヤー、の、ようなもの。


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