『リング』   (1998)1/100


 かなり時間があいてしまいましたが、
 エイガ/リスト/カット/100、の一本目。
 『リング』でございます。

 今更このエイガを取り上げるのも、どうかという心境でございますが。
 そんなに好きなのか、
 ってのも疑問でございまして。
 ただ、テレビで放送されるたびに、なんだか観てしまう、エイガなのです。


 いきなり信じがたい話でございますが、
 『羊たちの沈黙』(1990)が公開されてから始まったサイコスリラー・ブームは、
 じつに、いまだ続いておりまして、
 『リング』(1998)の登場によって、やっと沈静化するに至りました。
 代わりに今度は貞子ブームが続くようになるわけですが、
 こちらも『呪怨』(2002)によって、やっと落ち着いた模様でございます。

 また、
 ハリウッドでリメイクされた『ザ・リング』(2002)では、
 ストーリーやアイデアだけでなく、オリジナルに沿った演出やカメラ割りのタイミングなど、
 リメイクというかリテイクというか、
 オマージュに近い手法を観ることができます。

 きっと、それだけエイガとしても優れているのでしょう。
 たぶん。


 見慣れた景色、見慣れた光。
 見覚えのある風景と、見覚えのある影。
 特異な環境ではなく、
 そんな現実の枠側に、恐怖がそっと息づいている。
 そして、
 呪いの「ビデオ」、
 歪んだ「写真」という、アナログな感触と耽美な香りが、
 さらに恐怖とリアルティを醸し出しているわけですが、
 やはり特筆しなければならないのは、松嶋菜々子(以下、マツシマナナコ)。
 この、
 まー、個人的な印象で申し訳ございませんが、
 演者としての魅力を欠片も発揮しないマツシマナナコという女優さんが、
 『リング』では、じつに光り輝いているのだ。
 や、輝いていないという意味で、輝いているというべきか。
 相手役の真田広之は、
 「真田広之、ここにあり。」と、バリバリ演じておるのですが、
 その脇に突っ立ってるナナコといったら、
 恐ろしく自然体、リアルを抜けてシュールにすら思えるほど存在がぼやけており、
 なんつーか、
 ナナコという着ぐるみをかぶったナナコ。
 ナナコ・イン・ナナコ。みたいで、
 それでいて映像の世界とぴったり同化してしまっている。
 そんなナナコでなければ、
 このエイガは、これほどの完成度を保てなかったのではないか。
 と、思うのだが。
 どうか。

 リング Hi-Bit Edition
/ ポニーキャニオン
ISBN : B00008NX2X
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by y.k-ybf | 2004-11-09 22:50 | 映画/100 | Comments(0)

むしろ、レコード・プレイヤー、の、ようなもの。


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