カテゴリ:音盤/100( 95 )

『The Rising』/ブルース・スプリングスティーン (083/100)


 2002年のアルバム。
 それだけで意味をもってしまう。

 このアルバムが作られた背景には9.11の同時多発テロがあり、それが主題にもなっている。
 その時から、と、その後を、描いているが、
 そこに悲劇性と云ったドラマチックなものはないし、怒りなどの強い感情も抑えられている。

 ブルース・スプリングスティーンが描くのは、
 残された者と「残ったもの」の、とても人間的な心情であり、希望である。
 日常の、望む者と「失われたもの」の歌なのだ。
 それを重くせず、
 むしろ軽快で、しなやかな曲調で演奏しているのは、その感情の深さを表しているようだ。

 何度となく、タイトルにもなった「rise」とゆー言葉が使われるのは、
 深淵から這い上がり、失われた日常生活を癒し、
 さらにその先へ進もうとする想いが込められている。

 憎悪でも報復でも、
 政治でも宗教でもない方法を。

 いつか、このアルバムから2002年とゆー意味合いが消え、
 聴かれるようになればと、願う。


The Rising

ブルース・スプリングスティーン / ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル


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by y.k-ybf | 2009-09-11 21:38 | 音盤/100 | Comments(0)

『Evil Heat』/Primal Scream (082/100)


 プライマル・スクリームは、『イービル』。
 迷いに迷って選びましたw

 ガレージロックからパンク、サイケデリック、アシッドハウスまで、
 あらゆる年代のあらゆる音楽が混然としながら、混然としたままに一体となり、
 尚且つ、エネルギーに満ち溢れる様は、さながらキマイラ、或いは妖怪の類を連想させる。

 多くのミュージシャンが無くしてしまった、恐さと冷たさがそこにあるのは、
 プライマルが、
 とゆーか、ボビー・ギレスピーは、普遍的な音楽への情熱を持ち得ることによって、
 常に変わり続けようとしているからだ。

 『Vanishing Point』ではベースにストーン・ローゼズのマニが、
 次の『XTRMNTR』ではマイブラのケヴィンが参加し、強力とゆーか凶暴なバンドへと変貌した。
 アシッドとノイズとディストーションで音は歪み狂い、
 ヘヴィな音の塊となりながらも、崩れることもなく、よりクリアになっている。
 脈々とした熱も失わずに。

 ボビーとゆー、不変のコアがあるからこそ、可能なことなのだろう。


イーヴル・ヒート(紙ジャケット仕様)

プライマル・スクリーム / SMJ(SME)(M)


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by y.k-ybf | 2009-09-09 10:02 | 音盤/100 | Comments(0)

『Deep River』/宇多田ヒカル (081/100)


 なんでこのアルバムかってゆーと、
 まあ、これしか持ってないからなんだけども。

 宇多田ヒカルって、曲も自分で作ってるそーですが、
 そのイメージがまったく浮かばない。
 つか、この子と楽器が結び付かないのだが、
 プログラムで作ってるのかな?
 だから何かとゆーわけでもないが。

 歌詞はそのまんまだけど、
 曲やサウンドにも、つよい孤独を感じる。
 それがおそらく宇多田ヒカルの個性であり、他と隔てる存在感の正体なのだろう。
 そして、それを表現できているのは、
 彼女がシンガーソングライターだからなのだろう、と、おもう。

 肝心のアルバムのほうは、
 「SAKURAドロップス」から始まって、「光」で終わる、完璧な出来映え。
 捨て曲もない。


Deep River

宇多田ヒカル / EMIミュージック・ジャパン


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by y.k-ybf | 2009-09-09 09:44 | 音盤/100 | Comments(0)

『EVERYTHING IS MY FAULT』/SBK (080/100)


 まさに野心作とゆーか、挑戦したアルバム。

 ヒップホップの新星としてデビューしながら、
 ここにきてブレイクやらビックやらのビート系を大胆に盛り込み、路線変更。
 しかし結果は玉砕だったようで、次のアルバムぐらいで解散してしまいます。
 去年、08年には復活するんだけども。

 玉砕とゆー言い方は少し厳しいかもしれませんが、
 このアルバムが発表されたときの、世間の微妙な反応は、印象的でした。
 やー、よく潰れずに復活したものだ。
 今はまた評価も違うのだろうな。

 まあ、そんなわけで、
 アルバムタイトルとアートワークが示すとおり、
 ポジとネガが入り混じった不可思議なクラブ・ミュージックになっております。
 未完成ながらも。
 あまりうまく説明できておりませんが、
 スケボーキングもヒップホップも苦手なわたくしが、選んでしまうようなアルバムなのですよ。


EVERYTHING IS MY FAULT

SBK / ワーナーミュージック・ジャパン


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by y.k-ybf | 2009-08-05 20:23 | 音盤/100 | Comments(0)

『KID A』/レディオヘッド (079/100)


 「クリープ」のクリップを、ビートUKではじめて観たとき、
 曲はいいけど、またマッチョなバンドだなあと、おもった。
 トム・ヨークが裸でギターを弾いていた。
 なぜか、アメリカ人のバンドだと勘違いしていた。
 先入観か。
 おれのアメリカ人のイメージは、裸でギターを弾くヤツなのか。
 「ポップ・イズ・デッド」で、少し変わったなと、おもった。
 でもまだブレイクとゆーほどでもなく、彼らの存在も特別だとはおもえなかった。
 セカンドアルバムの制作が延びた。
 その間に来日公演があって、
 友人に誘われたけど、まだそこまで興味がなかったので断った。
 いまだに行けばよかったと後悔している。
 セカンドの『ザ・ベンズ』がでた頃には、すっかりマッチョなイメージは無くなっていた。
 とゆーか、飛び抜けたよーに変わっていた。
 ビートバンドでも、
 ただ、いい曲をやるだけのバンドでもなく、音楽表現に対して意識を傾けるようになっていた。
 ポップアートみたいな。
 「ハイ・アンド・ドライ」がいちばん好きな曲で、
 「フェイク・プラスチック・ツリー」のクリップが、また良かった。
 次のアルバム『OK コンピューター』では、
 さらなる高みへ踏み出し、そのキャリアを確立させた。
 シングルも聴いて、すげえなぁと、おもった。
 安直なメッセージに縛られるのではなく、流行を追うわけでもなく。
 でも、
 個人的にはセカンドのほうか好きだったので、案外、冷静に受け止めていた。
 この時、はじめてライブにも行った。
 ギターのヒトが、ギター以外の楽器を一生懸命いじっていた。
 そして、『キッド A』。
 前のアルバムの印象があったので、あまり期待はしなかった。
 彼らのことだから、良いものを作るのは当たり前として、さてどーやろと。
 油断していた。
 アルバム一曲目、「エヴリシング・イン・イッツ・ライト・プレイス」。
 そのイントロ3秒の電子音に、見事にやられた。
 たったそれだけの音なのに、
 それは何かを訴えていたし、何かが込められていた。
 何が。
 この、何が、こそ、『キッド A』である。
 不安、予感、因果、悪意、恐怖、シグナル、ベクトル、システム、、、。
 具体性と曖昧の同一。
 無機質な電子音がエモーショナルに響くのは、
 名をもつと失われる、「何か」を表現しているからだ。
 まるで預言書を手にしたような、恐ろしさがあった。
 このアルバムが2000年に作られた意味を、我々は容易に見つけることができるだろう。


KID A

レディオヘッド / EMIミュージック・ジャパン


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by y.k-ybf | 2009-07-19 16:27 | 音盤/100 | Comments(0)

『Golden Delicious Hour』、『十二月』/斉藤和義 (077,078/100)


 二枚ですが、一つとして選びました。
 確か、デビュー10周年だかを記念して行われたライブの、ライブ盤。

 バンド編成の『Golden Delicious Hour』と、
 アコギの弾き語りの『十二月』とで分かれておりまして、
 どっちもいいんですが、個人的には『十二月』のほうをよく聴いておりました。
 シンプルな音になることで、曲が際だち、
 また斉藤和義の独特な、優しくて強い声が心地よい。
 そして「ソファ」で唄われる、現代の無常感など、詩の世界も素晴らしい。
 選曲もベストで、
 正直、アレンジやラフな演奏はスタジオ録音より良いとおもうので、
 これから斉藤和義を聞きたいヒトにもオススメ。


Golden Delicious Hour

斉藤和義ファンハウス




十二月

斉藤和義ファンハウス


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by y.k-ybf | 2009-07-14 17:50 | 音盤/100 | Comments(0)

『J-POP』/電気グルーヴ (076/100)


 以前に取り上げたことがあるので、それをふまえつつ。

 08年に復活した、電気グルーヴ最初のアルバム。

 まず、ジャケット。
 石野卓球とピエール瀧の顔をイケメン外人にはめ込んだそれが、何回見ても笑ってしまう。
 まだまだ飽きない。
 そして意味深なアルバムタイトル、『J-POP』。
 あまり意味はないそーだけど、ついつい深読みしたくなる。
 電気グルーヴの解散は、
 彼らのキャラに合わない気もするが、すべてを出し切って迎えた解散でありました。
 ナゴム時代からしたら、ベルリンのラブパレードで大トリを務めるまで上りつめたし、
 大衆的外側へも個人的内側へも突き進んだ。
 終わるべくして、終わったと。

 この、復活して作られたアルバムは、
 コンセプトにブレもなく、また隙もなく、余裕すらあって、
 じつに、電気らしくない。
 『vitamin』や『A』を発表した時とも違う種類の、変化がある。
 ま、考えてみたら、
 キャリアも実績もあるし、中堅クラスなんだから、電気も。

 これが、第二期の電気なのだろう。
 が、
 すぐに出た次のアルバム『YELLOW』が、
 アウトテイク集かとおもえるほど、ざっくりした作りで、
 曲も電気らしいバカバカしさが戻ってきている。

 余裕だな。


J-POP(初回生産限定盤)

電気グルーヴ / KRE(SME)(M)


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by y.k-ybf | 2009-07-02 23:40 | 音盤/100 | Comments(0)

『VOXXX』/電気グルーヴ (075/100)


 『VOXXX』は、第一期のラストとなったオリジナルアルバム。

 このアルバム前にまりんが脱退して、
 この後に何枚か編集物を出してから、一度バンドは解散します。
 つまりとゆーか、
 じつは初めて石野卓球とピエール瀧の二人で作ったアルバムなのだな、これわ。
 まあ、tasaka、kagamiやらのサポートが当然、何人か参加しておりますが。

 プライベート・テープのような粗さとフリーキーな混沌が、
 まあ、見事に織り込まれている。
 まるでMAD系な一面もあれば、
 プロフェッショナルなテクノポップでもあり、オリジンに溢れている。
 おそらく、
 もっとも「電気グルーヴ」とゆー存在を表現、具現化できたアルバムであろう。
 彼らにしか作れないものだ。

 これがラストに、
 それも二人で作ったとゆーのが、またよくできた話である。
 そしてこれこそが、電気にとっての「世界塔」なのだと、おもうのだがなー。


VOXXX

電気グルーヴ / キューンレコード


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by y.k-ybf | 2009-07-02 23:28 | 音盤/100 | Comments(0)

『Stupid&honest』/ウルフルズ (074/100)


 ベスト、ではなく、ラブソングばかりを集めた編集盤。
 ウルフルズで、ラブソングとは、
 このブログとは似つかわしくないとおもうでしょうが、ウルフルズは好きなんですよ、昔から。

 ボーカルも演奏も、ストレートで嘘がないし、
 日常を描いた歌詞や、関西らしいサバサバした佇まいも好きなのです。
 そんな、ラブソングなアルバムでございますが、
 個人的に一番キタのがザ・ピーズのカバー「実験4号」。
 この一曲だけで選んだと云ってもいいぐらいなのですが、
 歌詞の素晴らしさはさておき。
 じつはこれ、ほとんどアレンジしていないだけではなく、
 ザ・ピーズのオリジナルトラックをそのまま使い、その上にウルフルズの演奏を被している。

 当時、ザ・ピーズは活動休止だったのかな?
 再評価もなく、ほぼ黙殺状態で、
 このカバーはトータス松本からのリスペクトでありエールでもあったのです。

 カバーは他にもサム・クックと清志郎の曲があって、
 恋愛だけに留まらない意味での、ラブソング集になっておるのでございます。


Stupid&honest

ウルフルズ / EMIミュージック・ジャパン


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by y.k-ybf | 2009-06-29 15:18 | 音盤/100 | Comments(0)

『ROPELAND MUSIC』/COIL (073/100)


 恒例の、
 このアルバムしか持ってないので選んでみました。
 COILの『ROPELAND MUSIC』。

 意味深におもえるタイトルは、綱島とゆー地名であり、
 全編に漂う宅録感にはアマチュアイズムと同時に、職人的な曲作りの姿勢も感じる。
 歌詞世界はまた独特で、
 一曲一曲がショートショートのようで、ブックレットを眺めながら聴いていると、
 つい星新一を連想してしまう。

 東京の下町の一室で生まれた、
 ホフディランやキリンジともまた違った、ちゃんと働いてるヒトの音楽、かな。

 ひねくれてるのでアダルトではないけども。


ROPELAND MUSIC(紙ジャケット仕様)

COIL / インペリアルレコード


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by y.k-ybf | 2009-06-28 22:09 | 音盤/100 | Comments(0)

むしろ、レコード・プレイヤー、の、ようなもの。


by y.k-ybf
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