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『この世界の片隅に』


 幻想的なタッチだからこそ、リアルが鈍く、冷たく伝わってくる。
 泣き叫び頭を下げれば、耳障りの良い言葉で相手も応え、許されるのか。
 そんなものは「ドラマ」の話で、ヒトはなかなか謝れないし、許せない。
 義理の姉けいこが、すずにつらく当たるのも、憎しみをむけるのも、それが人間の姿だからだ。
 ひっそりと、独りで泣くことしかできない。
 悲しくて泣き叫ぶヒトも、戦争反対などと口にするヒトもいない。
 判っていても、そんなことをするヒトなどいなかったのだ。
 のほほんと暮らす、すずの世界は、
 劇中の言葉を借りるなら、変わらない世界。
 見知らぬ土地へ嫁に来ても、食料が足りなくても、砲弾の破片が降り注いでも揺るがない、のほほんと暮らす世界。
 それが如何に、あの時代に、大切だったのか。
 こーゆー言い回しは好ましくなく抵抗もあるけども、
 戦争だか何だかでめちゃくちゃにされながらも強かに生きてゆく人々の姿(主に、女性たち)が、胸をうつ。
 玉音放送が伝える、終戦。
 「やっと戦争が終わったぁ」と、安堵するかとおもえば、すずは怒りに震えていた。
 「まだ生きている者はいる。負けてない。負けてないのに、負けろと言うのか」
 町を壊され、生活を焼かれ、愛するものを奪われて、
 負けろと云われて流した涙は、哀しみではなく虚しさだと思った。
 抗い続けても呑み込まれてしまう、深い虚しさに触れたよーな気がした。

 最期のエピソードは、いつもなら蛇足のよーに感じたかもしれないけど、
 コレは、心が救われたよーな気がしましたよ。

 真っ暗な町に、再び電気が灯る。
 世界の片隅に。


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by y.k-ybf | 2016-11-18 11:09 | 映画 | Comments(0)

『ミュージアム』 ※ネタバレしてるし、さらっとヒドいコトを言っております。注意です。


 とりあえず、一言。
 (美術商の屋敷なのでおそらく倉庫か何かを改築したもののよーで、パンフにちゃんと見取り図が載っております)

 大友啓史監督、
 小栗旬主演の、サイコ・サスペンス。
 原作コミックは未読での鑑賞。

 小栗のコート姿から、
 勝手に「ブレードランナー」のデッカードか!
 最期は自身もサイコキラーになるのか?
 と妄想してたけどまったくそんなこともなく、むしろ予想以上に『セブン』だった。
 八割、いや八割五分ぐらいまで『セブン』だったし、超えそーな勢いもあったけど、
 やはり後半で失速、それは叶わなかった。
 何が叶わなかったのか。
 とゆー観客の期待をも監督は想定していたらしい、ハズし方ではあるが。

 敢えて、云ってしまふけど、
 何故「食べさせなかった」のか。
 あのハンバーガーと「EAT」の意味わ???
 全ては小栗を精神的に追い込む為のトラップ、とゆー理屈は判るけど、
 こんなヤツ(犯人)なのに手を抜いてるわ、
 と、おもえなくもない。
 (「心を壊す」とゆー刑罰の意味では、効果はあるが)

 刑事が標的に対して両側から銃を向けるとは何事だ、とか、
 後半モノローグが急に増えて、説明が多くなった、とか、
 犯人はずっと家で待ってる算段だったの? とか、
 「もし刑事が訪ねてきたらカルテを渡してくれ」って予め頼んでおけば、
 あの病院のシーンはもちっとスマートになったのに、とか、
 裁判でいきなり「死刑」とか言う? とか、
 あの終わり方はどーよ? とか。

 気になる部分も幾つか残りましたが、
 サイコ・サスペンスの良作であることは間違いありません。

 『セブン』のね、
 あの先、向こう側ってのは、観てみたかったけど。


 そして!
 これから原作のコミックを読みます。

新装版 ミュージアム 完本(上) (ヤングマガジンコミックス)

巴亮介/講談社

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新装版 ミュージアム 完本(下) (KCデラックス ヤングマガジン)

巴 亮介/講談社

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 読んだ!

 まずね、
 どーして子供をミンチにして小栗に食わせなかったのかの件ですが、
 それだと確かに小栗は追い込めるけど、殺したのはカエル男になってしまうから、だろうな。
 重要なのは小栗に「選択」させることで、
 例の「3つのエンディング」が原作ではより深い意味をもっている。

 わたくしがこの映画版に感じる消化不良は、
 何も残酷さが足りないとゆーコトなどではなく、カエル男の最終的な目的が不明な点だ。
 この一連の事件が全て完了した時に、何が残るのか。

 息子を助ける為に妻を撃つ。
 家族を助ける為にカエル男を撃つ。
 或いは…。

 どのよーな結末にしろ、
 目に見える「形」に拘ってきたカエル男が、「事件」などとゆー「情報」に満足するだろーか。
 原作のラストは、
 (主人公が)カエル男が口にしなかった「3つ目のエンディング」を想い、心が蝕まれて幕を下ろす。

 家族全員がカエル男に殺されて、天国で幸せに暮らすエンディング。

 「死」に憑かれた主人公の心には、カエル男が宿る。
 (映画版ではその兆候は、息子に表れる)

 これこそが、カエル男が最期に生み出した「作品」なのではないだろーか。

 とゆー物騒な感想を吐き出して、一段落。
 原作も面白かったけど、
 ブラッシュアップしたかのよーな映画版のアレンジも、かなり巧い。
 前述の医者のシーンは原作の方が明確だけど、映画版の改変はここから大きく変化するからな。
 小栗のモノローグは正直無しでもよかった気がするし、
 父親の話も、思い切ってカットするべきだったのでわ?

 などと、おもいました。


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by y.k-ybf | 2016-11-17 23:14 | 映画 | Comments(0)

『スター・トレック BEYOND』


 監督がメガネから「ワイルド・スピード」のジャスティン・リンに変わり、
 気持ちアクション多めのシンプルなストーリーとなりました。

 まーそのー(角栄のマネ)、
 アクションやヴィジュアルに関しては、サスガ「ワイルド・スピード」の監督さんなので、
 スピードと迫力のある素晴らしいモノで、堪能できました。
 (前半、カメラが揺れるのは少しキツかったけど。)
 その反面とゆーか、
 シンプルさに見合った薄味なのも否定できず。
 キャラの会話や関係性は楽しめたけど、それ以上の濃ゆいシリーズの特性とかは物足りなかったかな。

 今回の敵は、「ウルトラマン」のジャミラか!
 と期待したけど、違いました。
 所謂軍隊のPTSD系とも異なり、
 むしろ時代遅れな固定概念の襲来と云った具合で、時期的についついトランプ氏を連想してしまふ。
 それに対するカーク船長の応えと、
 ストーリーのテーマが若干揃ってない点も、物足りない要因の一つかも。

 しかし、
 ある場面での、ビースティの「Sabotage」が流れる瞬間は、ガン上ガリでした!
 思わず腰が浮いて、立ち上がりそーでヤバかったよ!
 スゴいよ、
 MCA、あんたの音楽は遂に銀河を救ったよ!!
 (敵の完璧な隊列を崩す曲が、「サボタージュ」っても気が利いてるしな。)

 んで、
 老スポックが持っていた、あの写真。
 これはぐっときた。
 継承してきたシリーズの重みもあるし、亡くなったアントン・イェルチンのこともあるし。
 「未来」と「絆」は新しい世代にも伝わった。
 でもアントンは、
 もうその写真のよーに歳をとることも、演じることもできないのだな…。
 とおもふと、ぐっとくるよ。。。


 と、良いトコも悪いトコもありつつ、楽しめました。
 だけど、
 シリーズ的には三部作として、一旦休んでくれていいかもな…。
 もう少し。
 もう少し、時間が必要だ。


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by y.k-ybf | 2016-10-28 23:11 | 映画 | Comments(0)

『ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK-The Touring Years』


【映画パンフレット・フライヤー付き】 ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK ‐ The Touring Years

東宝

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 ザ・ビートルズの、主に世界ツアーへ焦点を合わせたドキュメンタリー。

 記録されたライブツアーの模様と当時の状況が整理され、まとめられている。
 ファンの方なら、
 「ライブツアー」とゆーだけで初期~中期の活動に絞られると察しがつくであろーが、
 確かに本作はマニアックなモノとゆーより、入門編と云った内容に感じられた。
 だからと観る価値云々は早計で、
 やはりスクリーンで観るビートルズ、劇場で聴くビートルズは格別でございます。
 リマスタリングされ、ノイズがない映像も素晴らしく。
 正直、特典として流された「4K」のシェアスタジアムでのライブ映像は、
 キレイ過ぎて不気味におもえるほどでした。
 (「I'm down」では、ジョンはキーボード弾くんですな。カッコイイ!)

 「キリスト発言」や「ブッチャー・カバー騒動」が思いの外、大きく取り上げられているのは、
 監督のロン・ハワードがアメリカでリアルタイムに体感したから、だけではなく、
 余計な誤解は解いておきたいとゆー、ビートルズ側の意向だったのかも。

 只、「誤解」とゆー点では、
 リンゴ・スターがまるで凄腕ドラマーみたいな紹介されてたけど、
 それはちょっと、どーなんだろ?
 あとマネージャーのブライアン・エプスタインの死は、もちっと取り上げても良かったのでわ?
 彼の不在こそが、終わりの始まりなのだから。

 本作は「ライブ」を追った映画らしく、ラストは「ルーフトップ(屋上)」での即席ライブの映像で幕を閉じる。
 これがビートルズ最後のライブ演奏となる。
 当時は四人のバラバラな服装からも判るよーに、仲違いの真っ最中で、個性も意見もバラバラ。
 それが演奏を始めるとニコニコ笑ってるのだから、フシギなものでございます。

 とゆー、
 ビートルズが好きな方にはオススメ、
 知らない方にも門戸として最適な一作だと、おもいます。


 次は、
 次こそは、『レット・イット・ビー』の復活を!!


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by y.k-ybf | 2016-10-18 22:41 | 映画 | Comments(0)

女が戦車に乗って戦うアニメ、『ガールズ&パンツァー 劇場版』


【Amazon.co.jp限定】 ガールズ&パンツァー 劇場版 (特装限定版) (戦車トークCD付) [Blu-ray]

渕上舞,茅野愛衣,尾崎真実,中上育美,井口裕香/バンダイビジュアル

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 TVシリーズは何度か見掛けたよーな気もするが、
 「戦車の動作がスゲーな」以上の感慨も印象もなく、自分とは関わりのない作品であろうと判断した。
 劇場版が公開されると事態は急変し、
 (元からヒットはしていたのだろーが)作品はブレイクし、映画はロングランとなり、話題となった。

 ならば、と。
 ならば観なくてはなるまいよ、と、
 わたくしのゴースト(野次馬)が囁くので、何の予備知識もないままに、観た。
 (女が戦車に乗って戦うコトだけは、知っている。)

 以下、
 あまりにも無知なコトばかりなので、箇条書きにするパターンに変更す。


○(戦車が入り乱れて)敵と味方の区別がつかない。

○勝敗の基準が判らない。(ダメージ制なのか。)

○砲弾が命中しても被害はないのか。

○車外へ思い切り顔を出しているが、危険ではないのか。

○試合の全体がまるで把握できない。何処からともなく戦車が湧いてくる印象。

○町も戦場になるが、住民の姿はない。

○顔を出すのは、やはり危険ではないのか。

○町は壊しても構わないのか。

○人々は、何処で生活しているのか。

○砲撃の爆音や衝撃で、PTSDは発症しないのか。

○実在の戦車が配備された国のイメージのまま登場するので、
 「政府」・「兵器」とゆー先入観からの切り替えに苦労する。

○メガネが割れたり、服が汚れたりするので、やはり被害や影響は無くはないのだな。

○フツーに戦車は爆発しているが、ヒトは死なないのか。

○ペンギンがいる。

○でっかい空母の上に町がある。

○「マクロス」とゆーより「メガゾーン」みたいなものか。

○男子の姿を見掛けない。亡んだのか。

○組織も身内で回してるよーな印象が見え、閉鎖性を感じる。

○人類は既に絶滅して、
 高度な人工知能或いは宇宙人が偏った知識で地球人を再生させた世界なのか。

○だから時折、命の価値が低いよーにおもえるのか。

○いつも紅茶を飲んでる女は片時も手放さないが、腕がティーカップと一体化しているのか。
 (ティーパックマンの一種か。)

○オールスター映画だった。

○終わり方はスッキリ。


 完全に、初心者厳禁な映画であった。
 細部よりも基礎設定が判らぬストレスが半端ない。
 ま、
 そんな状態で観るこちらが明らかに悪いのだが、
 評判通り、
 戦車戦は見事な迫力、演出でありました。
 コレは映画館で観たならば、さぞ愉しめたことだろう。
 リアルとフィクションのバランスも巧妙で、大胆に嘘をつく開き直りっぷりがスゴい。

 総じて、好印象。
 機会があれば、シリーズも観てみたいよーな気もする。


○「マッドマックス」、ではない。
 むしろ世界観は『A.I.』のラストのアレに近いのではないか。


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by y.k-ybf | 2016-10-11 21:47 | 映画 | Comments(0)

『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』アルティメット版、を、観た。ジャスティス!


バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生 アルティメット・エディション ブルーレイセット(初回仕様/2枚組) [Blu-ray]

ベン・アフレック,ヘンリー・カビル,エイミー・アダムス,ジェシー・アイゼンバーグ,ダイアン・レイン/ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント

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 公開時の感想は、コチラ


 『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』のアルティメット版ブルーレイが半額ジャスティスになっていたので、思わずジャスティスした。
 約30分に及ぶシーンがジャスティスされたアルティメット版の評判は耳にしていたので、早速ジャスティスる。

 この三時間もある、アルティメット版。
 敢えて大袈裟紛らわしく誇張するなら、まったくの別物。
 間違いなくコチラが真の『ジャスティスの誕生』である。
 ジャスティス!

 それでは劇場公開版との違いを、順を追って説明…するのは大変面倒なので、
 ざっくりとポイントだけを挙げてみます。
 まず大きいのは、
 冒頭での、ロイスが砂漠の町を訪れるシーン。
 後からスーパーマンが救出に現れて、その際の被害が問題視され、公聴会が開かれることになるのだが。
 公開版では、
 この「被害」が抑え気味に描写されているため、スーパーマンの「罪」が観客に伝わり難い。
 また最初からロイスがカメラマン(じつはCIA)共々目隠しで連行されているので、二人の関係が曖昧。
 いくらセリフで説明しても、
 ロイスがCIAに協力してるよーに、見えなくもない。

 これがアルティメット版になると、
 カメラマンが急遽別の人物に変わり、ロイスと初対面だと判る。
 更にCIAはドローンを使い、ロイス諸共町を爆撃しよーとするも、スーパーマンに阻止される。
 町のゲリラ(?)は、傭兵(レックスの一味)の裏切りによって一方的に壊滅されるが、
 その死体は傭兵らの手により、山積みにされ焼かれてしまふ。
 町の住人はショックでパニックとなり、
 その内一人の黒人女性が訴えるわけだ、スーパーマンを。
 これで「被害」が克明に伝わり、同時に「誤解」であることも観客は知る。
 事の真相は何か?
 ロイスは残された銃弾の線から探り、
 クラークは黒人女性と面会するためゴッサムを訪れる。
 (そこで犯罪者すら恐れる「バットマン」の存在を実感する。)
 ミステリアスな展開はテンポ良くストーリーを牽引ので、
 驚くべきことに、飽きがこない。
 ジャスティス
 黒人女性は、証言は虚偽だったと訴えを撤回する場面もあり、その後の無惨な末路まで描かれる。
 ロイスは例の「車椅子の男」の部屋を訪ね、犯行は男の意志ではなかったと突き止める。
 この辺を公開版はごっそりカットして、「結果」だけを繋いでいるから事件の全体像がぼやけて、
 そりゃ唐突に展開してるよーに見えるわけだ。

 クラークとブルース、
 スーパーマンとバットマンの邂逅に、ちゃんとカタルシスも生まれている。
 この二人の父母への想いは、
 アルティメット版では対比がより強調される編集で、
 後半での和解の大切な伏線になっていると共に、スーパーマンの「神格化の否定」も兼ねている。
 要するに。
 前作のストーリーを引き継ぎ、
 「ヒトになろーとしている神」が、スーパーマンで。
 「存在しない神を殺すことを望む者」が、バットマンとレックス。
 この両者の対決が本作の主軸なのだ、たぶん。ジャスティス
 神を否定するには、神が必要で、
 神を倒すには、悪魔の力が必要だ、
 とゆー皮肉が、魅力となるはずだったんじゃないかなー。
 しかしそれをやるには、二時間半ではやはり物足りない。
 アルティメット版を観た後だと、
 公開版は、
 も、ダイジェスト版にしかおもえない。
 只、
 当時の状況や観客の期待を考えると、
 あの形にして、
 早く、二大ヒーローをぶつけないと! とゆー焦りもあったのだろーな。
 いろいろと、いろんな意味で。

 そんな、アルティメット版。
 他にも、
 クラークの普段の働きっぷりや、
 ドゥームズ・デイの正体(原型?)や、ケネディの死と重ねられるスーパーマンの葬儀など、
 細かいシーンもいくつかあるけど、
 個人的に気になったのは、
 ラストの、牢屋でのバットマンとレックスの会話。
 「僕は異常者だから裁判は受けられない」とゆーレックスに対して、
 「オマエが行くのはゴッサムのアーカム・アサイラムだ。オレの友人たちが待ってるぞ」と、
 応えて焼き印を壁に打ち込むバットマン。

 ええやん!
 こっちのがええやん!
 ジャスティスやん!!

 おそらく次作の『スーサイド・スクワッド』との関係も含めて変更になったのでしょーが、
 アイツらとレックスが絡むのかーと考えると、わくわくします。


 買っちゃったから、とゆー心理はさておき。
 このアルティメット版にはたいへん満足しました。
 わたくしの評価も逆転しております。

 公開版だけを観て酷評されている方にこそ、観てほしい。

 ジャスティス


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by y.k-ybf | 2016-10-08 21:26 | 映画 | Comments(0)

『SCOOP!』


【映画パンフレット】 SCOOP! スクープ

東宝

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 まず、『ナイトクローラー』ではなかった。
 ではない。

 冒頭からカーセックスのシーンで始まるよーな、
 通俗的で血肉を感じる、「パパラッチ」とゆーより「週刊誌のスクープカメラマン」の物語。
 この違いは、けっこう大事。

 本作はリメイク作で、
 元はテレビ映画の「盗写1/250秒」だとゆー。(監督は、原田眞人。)
 ソフト化もしてないよーなテレビ映画なので、さすがにチェックは無理でした。

 新人記者の二階堂ふみが、良い。
 仕事の意味も魅力も判らないド新人が、
 経験を重ねてスキルを研くことで理解を深め、没頭してゆくとゆー、
 まーお約束的なキャラを、
 真っ正面から演じることでその役割を完璧にこなしているし、そこにちゃんと個性も乗せている。
 彼女の視線が段々と落ち着いて、迷わなくなる。
 「最期」のカメラを構える姿が、また良し。

 副編集長を演じた吉田羊も、
 美人過ぎない具合が、なんか良かった。
 (ベランダから二階堂ふみを見送るシーンは、アラーキーのオマージュだろーな?
  この時の福山とのキスシーンはエロくて素晴らしい。)

 そして。
 何より凄まじいのは、リリー・フランキーの怪演!
 も、「そーゆーヒト」にしか見えない憑依っぷりで。
 こーゆー知り合いをいっぱい見てきたんだろなーおもたら、
 パンフに、
 「こーゆー知り合いがいっぱいいる」と応えておりました。
 中盤での乱闘シーンも痛快で、最高。
 あの腕っぷしの強さが不自然におもえないのが、また凄い。

 さて。
 主演の福山雅治は、
 前半こそタレントイメージとのギャップが邪魔に感じられましたが、
 後半、キャラが動き始めるとそれもなくなり、
 ラストのリリーさんとの一連のシーンは名場面と呼びたくなるほどスリリングで、かつ切ないシーンでした。

 編集部の作り込みとか、
 ターゲットとなる芸能人のソレっぷりとか話し始めるとキリがないので省略しますが、
 兎に角、キャストが脇に至るまで良し。

 気に入らなかったは、福山と二階堂ふみとのラブシーン。
 パンツすら脱がないラブシーンなどハナから入れるな、と云いたいトコロだが、
 せめて、もちっとエロく撮ってくださいよ。
 そーゆー映画で、ここまできっちりやってきたのに、何で急に健全爽快ラブシーンを入れるかな。
 脱げないんなら、脱がないやり方もあろーに。
 個人的な感覚だけど、ここはがっくりさせられた。

 あとは最後の、
 写真を掲載するかどーかで、遠藤賢一が命の尊厳云々と反対する場面。
 それを今、このタイミングで言うか? オマエが?
 と、疑問におもふ。
 流れ的に、渋々賛成するのが遠藤で、
 反対するのはむしろ吉田羊か二階堂ふみじゃないの?
 理屈もなんか中途半端でし。

 と、まーそんな具合で、
 スクープとわ?
 スキャンダルとわ? みたいな難解なテーマを扱ってるわけでもなく、
 気楽に面白い、そんな映画でした。

 最初と最後のショットで判るとーり、「都会」が主役の映画でしたね。
 (そーゆー意味では、福山とリリーさんの存在こそが、テーマなのだろーな。)


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by y.k-ybf | 2016-10-08 21:02 | 映画 | Comments(0)

『スーサイド・スクワッド』 余裕のネタバレ。


【チラシ3種付き、映画パンフレット】  スーサイド・スクワッド 監督 デヴィット・エアー

ワーナー

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 DCのヴィラン(悪役)が(強引に)集結、チームとなって大暴れ。
 『スーサイド・スクワッド』。
 監督はデヴィッド・エアー。

 製作発表時から盛大に期待が高まっておりましたが、
 試写の辺りから不穏な評判が流れるよーになり、
 ユーモアが足りないとか、急遽追加撮影が入ったりとか、二つのバージョンが存在するとか、
 「違うよ。ぜんぜん違うよ」と否定のコメントを監督が発表したりとか。
 公開直前には期待と異なるものが盛り上がる始末。

 さて如何に。

 いきなりアニマルズの「朝日のあたる家」が流れるOP。
 矢継ぎ早に個性豊かなキャラクターたちが紹介されて、ガンッとテンションが上がる。
 ストーンズやCCRまで流れて、楽曲がストーリーを橋渡ししてゆく。
 これわもしや!
 と、高揚しつつスクリーンを見守ること、約一時間。。。
 クライマックスへ向かう展開と反比例するかのよーに、テンションが確実に萎んでゆく。

 ああー…、
 こーゆーコトか。。。

 賛否わかれる騒動の理由を実感しました。
 喩えるなら、
 美味しい駄菓子みたいな、そんな映画。お腹は満腹にならない。

 まず、シナリオとゆーか語り口が巧くない。
 情報が重複したりシーンが繰り返されたり、
 先が見える展開を丁寧に描写したりと、
 ストーリーが進むにつれて、前半のテンポの良さがウソみたいにもたつき始める。

 救出するVIPが「あのヒト」だったとゆーサプライズが、まったく演出できてない。
 隠した理由も明確にされないし。

 ビルの屋上でヘリが来るまで座って待ってるって、どんだけ緊張感が無いのか。
 キャラを止めちゃダメ。

 途中、バーに寄って会話するシーンも唐突で。
 作戦進行中なのに、急にスナック「ハーレイ・クイン」を開店させるな。
 古傷を見せ合うのはまだいいとして、
 こっから急激にキャラがブレ出すのは、キツい。
 世界を救うとか、いいコトしよーと考えさせたら、ダメだろコイツらに。

 「世界が終わるの!? ロマンチックね!」、ぐらいハーレイに言わせないと。

 ブーメランも帰ってくんじゃねーよ!

 ココは、正しさとか同情ではなく、悪党としての理屈で動かさないと。
 世界が滅びるのは構わないけど自分以外の誰かにやられるのは許せない、とかとか。

 アイデンティティの話ですよ。
 その上での、
 彼らなりの歪んだ愛情ではないの?

 ディアブロの家族とのエピソードも、
 しっかり過去シーン入れてるわりに描写が中途半端で。
 そりゃハーレイにツッコまれるわ。
 残虐シーンを入れろとゆーわけではなくて。
 「自分が犯した犯罪の復讐に家族が巻き込まれた」、で、ええのに?
 どーして気の毒キャラにして、感情を安く描いてしまふのか。

 敵の襲撃を回避しながら、やっと一息つけた場所がホテルかどっかのバーで。
 これからどーする? 逃げるか?
 みたいな会話の流れのなかで、
 過去の話や状況の説明やらすれば、緊迫感も説得力も損なわなかったんじゃないのかな。
 目的のブレが、全体の根幹まで振動させている。

 魔女が裏切る展開は、まあいいとして。
 コイツにも爆弾打っとけば済んだ話だったな、とか、
 弟は呼べば来るのか便利だな、とか、まあいいとして。
 裏切るシークエンスは、もう少し時間を割いてもよかったんじゃないかな。ラスボスなんだし。

 地下なの? 外なの?
 水を潜る以外にそこへは行けないの?
 とゆー状況の基本的な部分もごっそり省くし。
 テンポが鈍る後半は、そんなアンバランスな面ばかり際立つ。

 意地悪な言い方になるけど、
 (製作の)ザック・スナイダーの悪いトコと、
 デヴィッド・エアーの苦手なトコばかりが集まった映画になってるよーな気がするのですよ。事情はさておき。


 ウィル・スミスは、悪くないとおもいます。
 デッドショットってキャラが引っ張らないと、どーにもまとまらないチームだし、ストーリーが進まん。
 つか、明らかに要らないヒトが何名かいる方が問題で。
 それを言い出すと、
 デッドショットとディアブロだけで九割片が付く任務なんだけどー、
 とは、作品の全否定になるので云いません。

 そのディアブロは予想外な活躍で、あんなにハードな能力持ちだとはおもわなんだ。
 只、
 消し炭になって爆発したって死に様は、ちょっと呆気なかった。
 重要な役回りだったのに。

 ハーレイ・クインのマーゴット・ロビーは評判通りの好演で。
 廃液タンクでのシーンは、名シーンだとおもいますよ。
 ハーレイが飛び込むと赤と青の色が溶けて浮かび上がり、
 ジョーカーが助けに入ると、二色は混じり合い、紫となる。

 廃液がカフェオレみたいに見えるのは、
 おそらく、ハーレイの※脳内イメージだろう。たぶん。

 んで、
 個人的に最高だったのは、ジョーカー。
 ストーリー的にはハーレイを連れ出すのに失敗するだけなので、何も活躍しないんだけど。
 話が通じないヤバいヤツ感が、恐ろしくてステキ。
 (エピローグのシーンで、
  胸にちゃんと「joker」ってペイントしてあるのが、カワイイ。)

 とゆー具合に、
 なんやかんや不満はありながらも、楽しめたことは否定しません。
 キャラ造形はみんな良い。
 アマンダ・ウォラーの悪玉な感じとかも。
 (爆弾は心拍とも連動してて。
  「私が死んでも爆発するわよ」ぐらいのお約束はほしかったが。)


 新作が発表される度に妙な不安ばかり残すDCユニバースですが、
 徐々に、
 徐々に、
 徐々に、独自のチャームポイントが見えてきてる気もするので、、、頑張ってくださいw



 最後に、
 コレこそエドガー・ライトに監督してほしかった!
 と、
 ココロの叫びを。


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by y.k-ybf | 2016-09-16 22:15 | 映画 | Comments(0)

映画のまとめ 『オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分』 とか、六本。


オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分 [DVD]

トム・ハーディ,ルース・ウィルソン,オリヴィア・コールマン,アンドリュー・スコット,ベン・ダニエルズ/アルバトロス

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 トム・ハーディの、(ほぼ)一人による会話劇。

 ハイウェイをそれなりの高級車でブーンと飛ばしながら、
 電話で仕事や家庭やプライベートの会話を続けて、ある目的地へ向かいます。

 トム・ハーディの演技力頼り…とゆーか、
 彼個人の魅力で成立させた作品のよーな気がします。
 そもそも比べよーもないし。
 何処にでもいるタイプではないのに、何処にでもすっぽり収まるのが、彼の特異な点だとおもふが、
 そーゆー意味でも、彼の魅力が堪能できる一作と云えるでしょう。

 コレね、
 「帰り道」バージョンも観てみたい。
 破滅を前提で語られるコトが多いけど、
 もう一丁、山場があるんじゃね? と、わたくしはおもふのだが。


要塞警察 スペシャル・エディション [DVD]

オースティン・ストーカー,ダーウィン・ジョストン,ローリー・ジマー,マーティン・ウェスト/TCエンタテインメント

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 ジョン・カーペンター監督、76年公開。

 近未来、
 強大な権力で街を支配する警察組織へ、遂にレジスタンスが立ち上がる。
 要塞と化した警察署をぶっ潰せ!


 とゆーストーリーではなく、
 ならず者集団に包囲されて襲撃を受ける、移転間際の旧警察署での壮絶な一夜を描いております。
 なので正確には、「籠城警察」ですな。

 西部劇の影響を色濃く残しており、その意図もよく判る。
 アクション、或いは犯罪映画とも明らかにニュアンスが違う。
 全体を覆うダウナーな空気感と、
 追い詰められる緊張感が共存する作品バランスは、「七十年代」とゆー言葉以外に例えるのが難しい。
 襲撃する側の空虚な造形は、むしろホラーに近い気もする。


 脅迫電話で事件に巻き込まれてゆく、サスペンス。
 ハル・ベリー主演の『ザ・コール』を連想させますが、
 当然ストーリーはまったく違うので、安心してください。B級です。

 真犯人の狙いと要求はなんとなく理解できたけど、
 犯行の一つ一つがキレイに巧く行き過ぎで、だんだんと興味が薄れてゆく。
 製作費って、
 こーゆー説得力の裏付けに使うべきなのだなー。

 オペレーターも意外とやれることが多いし、勘も鋭いので、
 さっさと解決しろや、とゆー気分になります。


奇跡の2000マイル [DVD]

ミア・ワシコウスカ,アダム・ドライバー/ポニーキャニオン

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 ロビン・デヴィットソンとゆー女性冒険家の著作が原作。
 オーストラリアを徒歩で横断する、お話。

 困り笑顔が特徴的なミア・ワシコウスカが主演で、
 砂漠の厳しい環境にたった独りで挑む女性を、全裸で熱演しております。
 が、
 この主人公の女性とゆーのがなかなかの偏屈な変わり者で、他者を異常なほど拒絶する。
 困った顔で。

 その心理が「砂漠」を表現してるとしたら、フツーに都会で暮らしてても同じじゃね?
 とさえおもえてくる反面、
 判るわー! と、ドハマリするヒトもいるのでしょーな。
 とゆーのも、
 そもそもこの冒険が、
 現代社会を拒絶した「自死」の側面を含んでいるからだとおもふ。


リアリティー [DVD]

アニエッロ・アレーナ,ロシダーナ・シミオーリ,ナンド・パオーネ,ラファエレ・フェランテ,クラウディア・ジェリーニ/東宝

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 タイトルの「リアリティー」とは、
 テレビの「リアリティー・ショー」番組のコトを指しておりますが。
 同時に、そんな番組に人生を振り回される「リアル」な姿のコトでもある。
 そんな映画。

 番組のオーディションに受かればいいな。。。
 受かったかもな。。。
 受かっただろ。。。
 受かったよ?
 受かってるのに。。。
 受かっていた、はず…。。。
 と、
 アットホームだった家族が、次第に狂気へ引き摺り込まれる。
 メディアの無責任な影響力だけではなく、
 ニンゲンの飽くなき名声への欲望が描かれております。

 のダガー、
 結末がちょっと不満とゆーか、
 そこまでやるなら、更にその先まで描かないと締まらないんじゃないかな、このストーリーわ。


 タイトルがアレっぽいので、
 スーパーカーの公道レース系かなと期待して観たら、少し違った。
 原題は『Channeling』。
 コンタクト型のカメラを目に装着して、独自の実況プログラムをリアルタイムで配信。
 高額のスポンサー料を稼ぐため、あの手この手とプログラムが作られて…。
 とゆー、
 若干SFなストーリーで吃驚。
 やってることはニコ生主と同じですが。

 一応、
 主人公の弟が「高級車を盗んで逃げ切る」プログラムを実行してるヒトで、
 その場面はアレっぽいのですが、ストーリーの主軸は別にあって。
 配信チャンネルの裏側に隠された企みとわ?
 みたいなサスペンスになります。

 つか、勿体無い。
 このコンタクト型カメラの主観映像ってのがなかなか面白く、
 ちゃんと「大人用オムツ」とか変な広告が入ったり、突然アップデートが始まったりして。
 如何にもそれっぽい。

 自分を切り売りして拍手を貰って、
 アイデンティティを支えよーと苦悩する姿などは、モロに現代の問題であろう。
 と、何気に風刺も含んだ映画でした。

 アレではない。


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by y.k-ybf | 2016-09-07 11:31 | 映画 | Comments(0)

実写じゃなくてアニメの方だよ。「進撃の巨人」、劇場版、前後編。







 原作も読んでるし、アニメも一応、観ているので、
 「ああ、総集編かぁ…」とゆー感想以外は、
 よく動いてるなー、とか、
 ミカサおもろいなー、とか、そんぐらい。

 新作カットもあるよーですが、
 元々クオリティが高いアニメなので、よく判りませんでした。

 おしまい。


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by y.k-ybf | 2016-09-07 11:00 | 映画 | Comments(0)

むしろ、レコード・プレイヤー、の、ようなもの。


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