カテゴリ:映画( 738 )

『ドッグヴィル』

ドッグヴィル コンプリートBOX
/ ジェネオン エンタテインメント
ISBN : B0002AP1WK



 なんて映画かと、唖然としてしまう。
 勿論、
 ストーリーに関してだけ、だが。


 いつにもまして偏った感想になりますので、
 興味がない方は飛ばしてください。。。



 前作『ダンサー・イン・ザ・ダーク』もそうであったが、
 とにかく悲劇を編み上げようと必死なのである。

 「物語」というものは喜劇悲劇であれ、
 所詮は作り物のストーリーが結末に向かって進むだけのものではあるが、
 この監督さんのやりくちは、
 あまりにも露骨で、破綻的で、趣味に走りすぎている。
 気がする。

 陳腐な結末とか、な。

 それが悪いかどうか、という話ではなくて、
 はたして、それを共感できるニンゲンが、どれほどいるだろうか。
 ということ。
 この世の中で、監督以上にこの映画を愛しているニンゲンが、どれほどいるのだろうか。
 ということである。

 ついでにメイキングも観たのだが、
 期待に応えてくれる壊れっぷりを曝してくれる。
 (また、メイキングとしての出来も、ひどかった。)

 『ドッグヴィル』という映画は、一つの小さな村の話である。
 それも、スタジオに子供のママゴトのように白線で区切っただけの、
 壁も窓も屋根もない、簡単なセットがあるだけ。
 だからカメラは常に村全体を、村人全員を映すことになる。
 直接な絡みも関係もないシーンなのに、
 全キャストが同時に演技をしなければならない。
 それも想像の村の、目に見えない家の中で。
 さらに、区切りが床の白線だけだから、
 自然とカメラの位置も上から見下ろすようになる。

 これは監督の、一種の責任転嫁ではないだろうか。
 悲劇を生みだしたのは自分ではなく、自分たちである。
 この村と、村人と、カメラが映す「世界」のすべてであると。

 ええ。

 素晴らしく、くだらない映画がこうして出来上がったわけでございますが、
 ラストの、
 「ヤング・アメリカン」には、手を叩いて笑ってしまいました。


 たぶん、次の映画も観るのだろうなぁ。。。。。
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by y.k-ybf | 2005-04-03 22:12 | 映画 | Comments(0)

『1980(イチキューハチマル)』


1980
/ ビデオメーカー
ISBN : B00024Z7O8




 1984年という年号は、
 自分にとってはじめて意識的に記憶された年だった。

 ロス五輪があった年で、
 世界中がコカ・コーラの赤色に染まり、
 イーグルサムが飛び回っていた。
 資本主義に丸呑みされてるわけではあるが、
 なんだか自分と世界がリンクされたような、不思議な高揚感があった。

 まあ、気のせいかもしれんがな。

 そんなわけで、
 ジャンプ世代で、ファミコン(ゲーム)世代で、ガンダム(アニメ)世代で、
 ノストラダムスを本気で信じていた自分にとって、
 80年代ってのは、
 モラトリアムでも青春でもなくて、子供時代だったわけだ。
 だから、
 『1980(イチキューハチマル)』という映画で描かれている若者どもは、
 ずっと大人で、
 軽薄で、忌み嫌う存在であった。
 つまり、この映画にノスタルジィ的なものは、
 知識以上の部分では、感じるものは少なかった。
 だから「80年代」というキーワードを抜いたほうが、分かり易い。

 「年をとったからって、大人になれるわけじゃない」
 元アイドルの女性教師(笑)が、泣きながら言った言葉。
 ラストでは、
 占いで聞いた「20年後の未来」の結果を知り、「希望ある未来」を想う。

 この映画は、
 「あれから」20年後の2003年に、作られた。
 監督はケラリーノ・サンドロヴィッチ、
 ご存じのとおり、ナゴムのケラなわけで。

 あの好き勝手やってた人間が、
 あの頃を、好き勝手に映画にした。
 元々、この映画にあるのはノスタルジィなどではなくて、
 過去の自分や、自分たちへの、
 「変わらないよ」と、短い回答なのかも知れない。

 「それでいいんだよ」、と。

 今おもうと、
 80年代は、とても無垢で無知で世間に振り回されっぱなしの時代だったような気がする。
 勢いが早すぎて、新しいものが多すぎて、
 希望と不安がまったく同じ大きさにダブって、どっちも見えなくなっていた。
 でも、今、
 何が違うのかとも、おもう。

 20年後、
 また誰かが、「この時代」を映画に撮るのだろうか。

 そんとき、自分も50になっとるわけか。

 さて。
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by y.k-ybf | 2005-03-22 23:31 | 映画 | Comments(0)

『THE JUON/呪怨』


 はじめて『呪怨』を観たのは、
 テレビでやっていたビデオシリーズ。
 観たといっても5分くらいしか観ていないので、
 どちらかといえば「見掛けた」と言ったほうが正しいのだが。

 なぜ5分かといいますと、
 反射的にこれはやばいと、スイッチを切ってしまったわけでございまして、
 何がやばいというと、眠れなくなりそうだったので。
 ええ。

 わたくしのチキンぶりはさておき、
 『呪怨』のビデオシリーズは確かに怖いし、ある種異様な匂いがある作品でした。
 観てないけどな。
 一見、
 安上がりで荒削りだけども、それが独特のリアリティを醸し出しておりました。
 そしてそのリアルこそ、
 清水崇という監督がもっておる、生活に根付いた「感性」なのでしょう。

 さて、
 ハリウッド版の『THE JUON/呪怨』でございますが、
 基本的にはこれまでのシリーズの総集編的な再編集、
 まさにリメイクといった作品で、
 映画版の『呪怨』、1と2を観ておると免疫があるので強烈な怖さは感じられませんでした。
 怖くないという意味ではないのですが。
 しかし、
 この作品がもつ「おもしろさ」は失われておらず、ちゃんと愉しめるものになっている。
 それはこの映画が単細胞的なホラーでも、
 自己完結的なカルトでもなく、
 エンターテイメントな映画として成り立っているからだとおもいます。
 鑑賞後、
 脱力する感じがアクション映画などを観たときと似ておりました。
 興行的にもアメリカやらヨーロッパやらで受けたって実績もありますし。

 で。
 何がこの監督さんの作品と、他のホラーとを隔てるのかというと、
 先にも書きましたが、
 日々の生活にあるリアリティな恐怖、この認識が差を生んでいるのではないか、と。

 インタビューでも応えておりましたが、
 監督さんはとても怖がりな子供さんだったようでございます。
 わたくしも、
 こんな映画を好き好んで金払ってまで観といて何ですが、
 どえらい怖がりなところがありまして、
 そのあたり作中にも、共感するところがございました。

 あれは、それは、これは怖いなと。

 元々日本の家って、
 古いものは影が多くできる仕組みになってるし、
 新しいものもやけにこぢんまりとしているから、怖いんですよ。
 ええ。
 ほんとに。

 また、
 舞台が日本のまま、登場人物はアメリカ人という設定が、けっこう新鮮でございました。
 蛇足になりますが、
 これほど現在の日本を描いた外国映画は、希有ではないでしょうか。
 『ロスト・イン・トランスレーション』って映画もありましたが、
 あれはあくまで外国人の視線と、風景であって、「生活」ではありませんでした。
 観てないけどな。

 まあ、
 こーいったところにも、監督さんの感性が出ていると、おもいます。

 おわり。
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by y.k-ybf | 2005-02-25 11:38 | 映画 | Comments(0)

『半落ち』


 途中から観たらとてもおもしろかったので、
 改めて最初から観直してみたら、それほどでもなかった。

 といった経験は、
 誰もが、二度、三度あるとおもわれます。

 理由として、
 単純に、ストーリー的に加速して盛り上がるのは中盤あたりから、
 と、ゆーのもありますが、
 と、なると、たるい序盤はいらねえのか、って話になるので、
 どうも釈然としない。
 理由としてもう一つ、
 観てない部分のストーリーは、都合良く脳内補完されるから、
 と、ゆーのもありますが、
 それだって似たようなもので。
 観ていないから、と、ゆーわけでもないであろう。

 で、そのへんのところは、
 島本和彦が『ワンダー・ビット』というコミックでかなり具体的とゆーかそのまんまに取りあげておりますので、
 興味がある方はそちらを読んでいただくとしまして。

 やっと本題。
 観ないほうが、おもしろかった。
 哀しい話だが、そんな映画もあるのだと、書きたかったわけでして。

 予告編だとおもしろそうだったのに、本編はしょぼい。
 観なきゃよかった。
 噂だとすごいおもしろそうだったのに、
 コマーシャルだと、ビデオのパッケージだと、おもしろそうだったのに。
 本編が、しょっぱい。
 昔の角川映画か。

 みたいなことがある。
 『半落ち』は、まさにそんな映画だった。

 実際、つまらないわけでも、出来の悪い映画でもないし、
 どちらかといえば、おもしろい部類に入るのだけども、
 期待というか、空想というか、「おもしろそう」を越える作品ではなかった。
 なんかすごい、歯応えのない映画で。
 それならいっそ一生観ないままで、
 「おもしろそうな映画」として自分の中に残しておいた方が、良かったんじゃないかと。

 おもえる映画も、あるものでございます。


半落ち
/ 東映
ISBN : B0001AE1WW




ワンダービット 1 (1)
島本 和彦 / アスキー
ISBN : 4756106439
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by y.k-ybf | 2005-01-17 11:08 | 映画 | Comments(0)

『バトル・ロワイアル』


 今更ですが、『バトル・ロワイアル』を観てしまいました。

 良いのか悪いのかよくわからない噂をたくさんに耳にしてきましたので、
 かなり抵抗があっていままでスルーしていたのですが、
 なかなか、おもしろい映画なのではないでしょうか。

 中学生が殺し合う、つー部分がクローズアップされすぎて、
 へんな先入観が先走りでもしたのでしょうか。

 この映画にある不快感は、
 「死」や、
 「恐怖」のリアルな感触だとおもう。
 映画がリアル、という意味ではなくて。
 汚くて、
 臭くて、理不尽な、感触。

 いくら暴れてもめくれない不思議スカートは、リアルではなかったが。

 他の作品、特に日本の映画、ドラマではスポイルされがちな感触を、
 おそらく深作監督は必死になって守ろうとし、残そうとしたのであろう。
 それがあの公開当時に起きた、
 教育委員会とのくだらない論争の根本だとしたら、皮肉もいいところなのだが。

 少々、誉め過ぎのようでございますが、
 実は原作のほうを、先に読んでおりまして。
 個人的には、厚みのわりに読みやすい原作は、イマイチでございまして、
 「作り直した」映画のほうが、おもしろく感じたという次第でございます。


バトル・ロワイアル
/ 東映
ISBN : B00005LPFK
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by y.k-ybf | 2005-01-07 22:33 | 映画 | Comments(0)

『Mr.インクレディブル』


 を、
 観てきました。

 これ、家族向けとゆーことで単純明快、ってほどシンプルでもないのだが、
 かといって複雑なわけでもない。

 なぜこんな面倒な言い回しをしなければならないのかとゆーとですね、
 これ、
 簡単に済ませてしまうと、1、2行ぐらいなもんなんです。
 これ。

 スーパーヒーローの家族もの。

 ストーリーは定石を押さえて良くできてるし、コンピーターな画は綺麗だし、
 おもしろいし、
 ゆーことなどないぐらいなのですが、
 そこまで、なんですね。
 深みというか、澱みというか、
 この先いくらでも作れそうなんだけど、逆に先が見えないといいますか。
 ヒーローで真っ先に、
 悪の組織にさらわれてって連想してしまう、おっきいお友達のわたくしには、
 少々、物足りなくもありました。

 あ、
 でも、スーパーヒーローが片っ端から殺されるってのは意外でしたが、
 たいへん良質で愉しい映画なので、
 どうぞお子さまにもお勧めください。
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by y.k-ybf | 2004-12-13 09:56 | 映画 | Comments(0)

『リリイ・シュシュのすべて』   (2001)


 取りあげといてなんですが、
 このエイガ、あまり好きではない。
 嫌いといってもいいぐらいなんですが、
 それは無駄に情緒過ぎるとか、
 技法に頼りすぎてるとか、
 流行の少女漫画みたいだとか、ではなく、
 初めて観たときに、
 あんまり痛くなったんで、チャンネルを代えたくなったから。

 痛いってのは、ぐっさりくる痛さ。
 肌を突き刺した針が、
 欠陥をたどって心臓をつかむような、失神できない痛み。

 嘘なんだけど、嘘は現実の中でしか、存在できない。
 空洞。

 援交する、ボク。援交される、ボク。
 車に轢かれる、ボク。
 高架線で首を吊る、ボク。
 おんなの子を犯す、ボク。おとこの子に犯される、ボク。
 背を向ける、ボク。
 殺す、ボク。殺された、ボク。

 でも、
 「ボク」はそこにいないし、
 ここに、いるわけでもない。

 幼い日常が、
 悲鳴にふるえて、伝えてくる痛みこそ、唯一の、ボク、なのだ。

リリイ・シュシュのすべて 特別版
/ ビクターエンタテインメント
ISBN : B000066FWU









 あ、2回目はするっとまるっと観れました。
 リリイ・シュシュの本名が、フツーなのがおもしろい。
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by Y.K-YBF | 2004-12-03 21:21 | 映画 | Comments(0)

『ゴジラ対ヘドラ』


 つい先ほどなのですが、
 衛星放送で『ゴジラ対ヘドラ』を観てしまいました。

 長すぎる手足、長すぎる首、
 そしてどことなく表情が、織田裕二に似ているゴジラ。

 噂では耳にタコができるほど聞いていたこのエイガ、
 やっと観ることができました。

 ステキソング、「かえせ!太陽を」は聴けましたが、
 残念ながら、
 「ヘドラをやっつけろ!」は流れませんでした。
 (『おバ歌謡』で我慢します。)

 で、
 肝心の内容なのですが、
 主人公級の、かなり重要な役割の子役が、すっごいダイコンだったぐらいしか頭に残ってません。
 二分おきぐらいにツッコミどころがやってくるミラクルなエイガで、
 たいへん楽しめましたが、
 ひっっどいエイガなのは否めません。
 確かゴジラ飛んでましたね。
 ごぉーーーって。

 こーゆーエイガを撮るヒトは、
 こーゆーエイガを作ってはいけないという、
 わかりやすい一例だと思います。

 でもおもしろいので、一度ぐらいは観てもいいと思います。

ゴジラ対ヘドラ
/ 東宝
ISBN : B0001J0C6W


伊集院光選曲 おバ歌謡
オムニバス 神谷勝也 ドン神谷 白木みのる ローレン中野 和田弘 マヒナスターズ 尾藤イサオ 由美かおる GAL / 東芝EMI
ISBN : B000228X0A
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by y.k-ybf | 2004-11-17 23:35 | 映画 | Comments(0)

むしろ、レコード・プレイヤー、の、ようなもの。


by y.k-ybf
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