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映画のまとめ 『ファイティング・ダディ』、とか。四本。


ファイティング・ダディ [DVD]

ステラン・スカルスガルド/オンリー・ハーツ

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 またこの、タイトル。
 中身と異なっているわけではないが、
 ソフトを供給する側として、コレで売れるとおもっているのだろうか?
 と、疑いたくなるほど、センスの欠片もない邦題だ。

 原題はノルウェーの言葉で、『kraftidioten』。
 恐らく、
 「失踪のために」、とゆー意味。(英題も同様の意味になるので。)

 すべてが雪に覆われる、ノルウェーの小さな街。
 除雪作業の仕事で暮らす夫婦の一人息子が、マフィアの麻薬取引のトラブルに巻き込まれ、殺害されてしまふ。
 真相を知った父親は、
 一人、また一人と、復讐を重ねてゆき…。

 とゆー、
 かなり陰惨なストーリーなのに、
 淡々と進行する復讐劇と、静かに降り積もった雪景色が、
 独特な緊張と緩和を生みだす。

 この映画全体に漂う、シリアスとユーモアの中間ぐらいの曖昧な感覚は、
 初期の北野武作品と通じるモノがあるし、コーエン兄弟のよーな「抜け」もある。

 誰かが亡くなる度、
 追悼みたいに名前がパッと出るんだけど、後半になるとコレがギャグみたいにおもえるから、、、不思議。

 ストーリーは、思い違いから組織同士の抗争にまで展開するんだけど、
 片や、ブルジョワな如何にも都会派の、バカ息子が頭のマフィアで。
 片や、古臭い仕来りを守る、ファミリー感の強いマフィア。
 この対比も、
 じわじわオモシロくなってくる。

 「息子」を中心に、
 三者三様、動き始めるが、
 どれも奪い、失うだけなんだな。


 主演は、「アベンジャーズ」シリーズの、
 蟻の如く働いているのに活躍は映されない男こと、教授役でお馴染みのステラン・スカルスガルド。

 隠れた良作です。


ギャロウ・ウォーカー 煉獄の処刑人[DVD]

ウェズリー・スナイプス,ケヴィン・ハワース,ライリー・スミス/エイベックス・ピクチャーズ

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 ウェズリー・スナイプス主演の、ホラー‥‥西部劇。

 復讐を果たして息絶えた息子を、母親が秘術で甦らせたら、
 殺した復讐相手もゾンビになって甦っちゃって、もう一回やり直し&命も狙われます。
 とゆー、
 二度手間オカルト復讐ウエスタン。
 (ジャンルが変わったのは、気にしないで。)

 まるで少年マンガで連載されるよーな、俺ジナル西部劇なストーリーですが、
 ヴィジュアルは悪くなく、スナイプスの腕利きガンマン姿も上手くハマっております。
 敵側も、
 皮なし筋肉男や、
 トカゲの尻尾でツインテール男、
 トゲトゲ寸胴男など、愉快な連中が揃っておりまして、
 こりゃイケるかな? と思いきや、
 ストーリーが展開するや否や、ぐだぐだに。
 何も考えてない、なまくらアクションの連続に、衝撃ですよ。

 そしたら、元々この映画は06年には作られていて、
 スナイプスの収監と共にお蔵入りになって、
 この度、復帰のタイミングでやっと公開されたと。13年に。

 ま、そんなわけなので、
 そのわりには楽しめたかな、と。


 そんなジャンルがあるか知らんけど。

 何かの映画の時にも感じましたが、
 CGは使い方を誤ると、作品をアニメにしてしまふ。
 マジックとCGの組合せも、
 正直、邪道中の邪道だとおもいますが、今回はハマったんじゃないかな?

 オマエラ、ちっとは仲違いせーよ?
 とは、おもいましたが。


 結局、「アイ」って何なのよ?
 って疑問は放置されましたが、続編が作られるみたいですね。



 アマゾーンでは輸入盤しか見付かりませんでしたが、
 邦題は、『ウイルスハザード』。
 二秒ぐらいで閃いたよーな邦題ですね。

 またそんな映画を観てっ!
 と、誰かに怒られそーな、タイトルだけで判るクソ映画。

 だって観たら面白いかもしれないじゃん(東京弁)!
 と、僅かな期待を頼りに観るわけだが、
 まあ、
 八割、一生観なくても困らない映画だわな。

 とゆー!
 『ウイルスハザード』。
 やっぱりクソ映画だったよ!!

 ある製薬会社が地下の研究所で、
 ワクチンもろくに開発できてない猛毒なウイルスを発見したら、
 たまたま近くに住むババアがその抗体をもっておりまして、
 さあ、どーしてくれよう、と考えていたら、
 孫が友達連れてやってきたので、
 う~ん、皆殺しちゃえ☆!
 と、ババアの家にウイルスをバラ撒き始める、そんなお話。

 酷い。
 酷いけど、
 ストーリーの穴へツッコむ以前に、作りが酷くてね。
 CGで表現されるウイルスが、あまりに幼稚&雑で、
 しかも画像処理に失敗したのか、急にコマ送りみたいになるの。
 他にも突然、画面が暗くなったりして、
 生意気にレーティング対策?
 オレが観ているのは、メイキングか何かか?
 と、散々な気持ちにさせてくれる。

 お腹を撃たれた友人に、
 「俺にかまわず先へ行け」的なことを云われた主人公(孫)が、
 その友人の生死もろくに確認しないで、
 家諸共に火をつけて、ホントに先に行っちゃう、とか。

 そんなお腹を撃たれて重体な友人が、
 正露丸飲んだら治った級にピンピンしてる、とか。

 ババアが死んで、
 「なんかスッキリしたわー」と、非人道なことを口走る主人公(孫)に、
 「それはきっとSA・TO・RI、悟りだわ」と、適当なコトをぬかす彼女、とか。

 (噴飯モノの)見所もたくさんあるので、
 機会があればごらんください。



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by y.k-ybf | 2015-09-30 11:25 | 映画 | Comments(0)

映画のまとめ 『ランダム 存在の確率』、とか。四本。


 突然の停電の原因を確かめようと、唯一明かりが残る家へ向かうのだが、
 その家にいたのは、自分たちと瓜二つのニンゲンであった…。

 とゆー、
 不条理スリラー…で、いいんかな?
 このよく判らん感じが、たまらんですな。

 次第に解明してゆく謎の無駄なスケール感と、絶望とカオスっぷりに反して、
 痴話喧嘩で修羅場と化す、スリル。

 設定の類似から『アナザープラネット』を連想するかもしれんが、
 本作の方がベタなドラマの分、意地が悪い。


悪霊のはらわた [DVD]

パトリック・アルンクヴィスト,リサ・ヘニ,アマンダ・レンバーグ,パトリック・サクセ,ジェシカ・ブロンクヴィスト/アルバトロス

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 どっかで見たよーなタイトルの、
 どっかで観たよーな話の、この映画。
 ハイ、
 『死霊のはらわた』と、よく似ております。

 『死霊のはらわた』からオカルトとエロスをぶっこ抜いて、過剰なスプラッター描写の勢いでやりきったよーな、
 そんなある意味、王道なホラー。
 こーやって説明するとB級な作品のよーだが、実際はホラー映画として悪くはない。
 むしろ、よく出来ている。
 かなりえげつない血ミドロ切株映画なので、
 それが苦手なヒト以外なら、楽しめる、はず。

 やはりこの邦題が…と云いたいトコロだが、
 このストーリーなら「はらわた」と名付けられても、文句は言えんわな。


トラップ [DVD]

パスカル・エルベ/アルバトロス

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 戦場で仲間を失い、自身も地雷を踏んで動けなくなってしまった兵士の、お話。

 なんでそんなトコロに地雷が?
 ってのは、さておき。
 ホントに何もかもが動かなくなってしまふのは、如何なものか。

 スリリングなストーリーではあるが、
 コレ、
 地雷を踏むのは逆だった方が、ドラマチックな気がするな。
 憎む相手を助けるか、どーか、と。


 見覚えのない家と、
 見覚えのない、妻と名乗る女性。
 断片的に戻る記憶の、「我が子」の姿は?

 失われた記憶の真相に迫る、サスペンス。

 登場人物も少なく、かなりコンパクトな作品ですが、
 惜しい!
 もうちょいキレ味よくアレンジしてくれたら、もっと面白くなったのに。

 ネタバレしないよーに書きますが、
 追う側と、
 閉じ込められた感が弱いから、サスペンスが単調になってしまふのだな。
 謎の二重構造や、
 蘊蓄だけ話す女の希薄な感情とか、
 いいトコロがあっただけに、残念だ。


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by y.k-ybf | 2015-09-30 10:52 | 映画 | Comments(0)

『キングスマン』、観た。


 それは何かと尋ねたら、
 マシュー・ヴォーン監督の、『キングスマン』。

 ま、スパイ・アクション映画なんですが。

 エレガントなスーツ(防弾仕様)に身を包み、
 ハイテク・ガジェットを駆使して世の巨悪と闘う様は、まさに紳士の美学が具現化したよーで、優雅にして大胆。
 男女問わず、ウットリさせる魅力がぐつぐつと溢れております。
 コレは嘗てのスパイ作品へのオマージュであり、
 ある意味、古典的なヒーローモノとも云えます。
 スーパーではない、ヒーローの。
 それを『キック・アス』のマシュー・ヴォーンが調理するわけだから、
 まー破天荒で不謹慎なヤンチャぶりで楽しませてくれるのです。

 しかし。
 映画の出来映えに不満はまったくないのだが、
 トムさんの「スパイ大作戦5」より先に観ていたなら、またインパクトは違ってたろーなぁ、と。
 この二作は、ジャンルは同じでも全然毛色が異なっているので比べることもないのだが、
 日本だと公開時期も近いし、
 (スパイ映画の)原点へ戻るとゆーコンセプトが、若干重なるんだな。

 ストーリー展開でも、
 主人公の若者が、最初からアタマもココロも強そうな、仲間想いのイイヤツなので、
 厳しい境遇でも、
 最悪だともクソ野郎だともおもえないから、「キングスマン」で救われた感が少し薄い。
 例えば『ニキータ』や『プリティ・ウーマン』よりも。
 訓練所のシーンでは、チームワークが必要だと云ってるわりに、
 他の訓練生が記号的でドラマもなく、カタルシスが弱かった。
 どーせなら師弟の関係が深まるよーなエピソードが、もうちょい欲しかったな。

 それに対して、
 敵側キャラの立ち具合が素晴らしく、
 ビジュアルからして、コレは胡散臭くて厄介な、イヤな悪党だなおもわせる。
 (ディナーに「マクドナルド」が出るシーンは、最高でした。)
 常にキャップを被り、
 ヤングなコーディネートをしつつ、異常な清潔感を感じさせる姿には、
 「キングスマン」とは異なる美学が見て取れる。

 そして何っつっても、義足の殺し屋、ガゼル。
 どーやったら人体が真っ二つに斬れるのか、
 歩く度に床が傷付かないか、とか、
 何だかよく判らんが、
 華麗さとインパクトに魅了されてしまふ。
 それを具体的な表現にするとアウトな背徳感も、また良し。

 教会での大乱闘から敵アジトでのクライマックスまで、
 やりたい放題なアクションに呆然となりながら、大笑いできました。

 結局、
 世界が滅びかけてる気もするが、
 決定したとゆー続編は、どーなることだろー…。


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by y.k-ybf | 2015-09-30 10:32 | 映画 | Comments(0)

映画のまとめ 『ルパン三世 バビロンの黄金伝説』、とか。三本。


ルパン三世 バビロンの黄金伝説 [DVD]

山田康雄,増山江威子,納谷悟朗/東宝

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 ピンクのルパンこと、「ルパン三世 PARTⅢ」の劇場版。
 以前、金曜ロードショーで放送したのから、久しぶりに観た。
 そもそもこの「PARTⅢ」とゆーTVシリーズ自体が、
 関東では殆ど再放送されなかったので、ピンクのルパンそのものが、久しぶりである。
 (何年か前に、MXテレビでやっと再放送されたとおもふが。)

 で。
 改めて観た、この映画。
 85年の作品で、共同監督に鈴木清順が参加しております。
 ゲスト声優が河合奈保子とおぼん・こぼんってのも時代をよく表しておりますが。
 スゴいのは、ヒロインが塩沢ときで、
 敵役がカルーセル麻紀なんだよな。
 ま、
 ヒロインがおばあちゃんで、
 途中、若返る設定なのでアリ…だと判断したのだろーが、九割おばあちゃんのままだからなぁ…。
 カルーセル麻紀は、
 ヒステリックなマフィアの二代目みたいな役で、これが意外とハマってて巧かった。
 つか、魅力的な悪役でしたよ。

 ストーリーは、
 バビロンの黄金が云々とゆー、ルパンらしい荒唐無稽な話なのでスルーしますが。
 八十年代のポップでアメコミみたいな絵柄のわりに、
 テイストは原作に近く、アダルトでハードな面も兼ね備えている。
 勿論、全編ギャグアニメなんだけど、
 近年のTVスペシャルとはひと味違うルパンで、そこは新たな発見でした。

 兎に角「PARTⅢ」は、いい印象がまったくなかったので…。


 こんなの、
 セックスシーンのないポルノビデオや。

 この種の映画は嫌いではないのだが、
 いいものに仕上げる、そんなやる気がないモノは、どーにも認めることができない。
 アサイラム系とかな。

 とおもたら、本作はアルバトロス系らしく、
 同じ穴のムジナかっ!


 それが社会にとって、伝染病の如く、秩序や道徳を破壊してゆく。
 とゆー理念はとても興味深く、
 子供自らが、自らの肉体を痛めつける、
 その印象的なビジュアルは、嫌悪感を刺激する恐怖の本質のよーでもあった。

 過去と現在を細かく切り繋ぐ語り口もスマートで、
 次第に接点が明るみとなり、
 収束されてゆく過程はサスペンスでもあり、見応えもあった、んだけどねぇ…。

 そこで終わるかあ? と。
 えっ、
 あんな前フリを積み上げて、この結末!?
 とゆー、
 逆の意味でショッキングなラストでした。


 さておき。
 「マッドマックス」のウォーボーイの元ネタが、こんなトコロにありました。
 身体の傷跡は、これを参考にしたかも。な。


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by y.k-ybf | 2015-09-10 10:15 | 映画 | Comments(0)

『ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション』、観たよ。


【チラシ2種付、映画パンフレット】 ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション  キャスト トム・クルーズ、ジェレミー・レナー、サイモン・ペッグ、レベッカ・ファーガソン、ヴィング・レイムス、ショーン・ハリス、アレック・ボールドウィン

東宝

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 トムさんの、
 「スパイ大作戦」シリーズ、五作目。

 ストーリーの動機所謂マクガフィンが捉え難く、展開のブレーキになった感は、否めない。
 アクションのスケールも意図的だとおもふが、だんだんとスケールダウンしてしまふ。
 ラストが、もひとつ物足りない。

 ってな不満は、難癖のレベルだな。
 スミマセン、
 判って云ってみました。
 も、
 スゲー面白かったです、「スパイ大作戦5」。
 例の、
 飛行機にしがみつくシーンがオープニング扱いだったのは、流石。
 つか、
 予告などで使われたシーンの殆どが、クライマックス前のシーンばかりってのが、スゴい話です。
 徹底してますよ、エンタメに。
 観客を楽しませることに。
 (実際に飛行機にしがみついて撮影したシーンは、8テイク撮ったそーで。
  「3分しかもたない」と劇中で説明された水中のシーンは、
  5、6分も潜って撮影されたそーで。
  現実の方が、スゴいことになっている。)

 狭い街道を車とバイクでチェイスするシーンは、まるでジャッキー・チェンの映画よーでしたよ。

 アクションでゆーと、
 今作のヒロイン役、レベッカ・ファーガソンが素晴らしかった。
 フツーに、格闘出身の女優さんなんだろなーと感心しながら観てたけど、
 本格的なアクションはコレが初めてだと後で知り、吃驚しました。
 動きに不自然さがない。

 只、
 本当のヒロインは、サイモン・ペッグなんだけどね。

 敵役のショーン・ハリスも、強敵感があって良かったな。
 ちと強引かもだが、
 本作のストーリーは、「007」シリーズの『スカイフォール』と似ている。
 もう一つの組織(自身の影)との闘いを描いているトコロ、とか。
 それをエンタメ作品として、
 更に「スパイ大作戦」らしい決着のつけ方にしてるのが、ホントに巧い。
 んでまた、
 ショーン・ハリスの声をあてた中尾隆聖さんがハマっておりまして。
 聞き覚えあるなとおもたら「ドラゴンボール」のフリーザのヒトなんだけど、
 独特の嗄れた声がピッタリで、吹替で観て、正解でした。

 スパイ映画お約束の、仕込み銃も堪能できたし。
 セクスィーな水着シーンもあるしな。

 んで、
 なんつっても「スパイ大作戦」の、あのテーマ曲が、
 バッチリのタイミングで流れる快感が味わえるのだから、最高ですよ。


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by y.k-ybf | 2015-09-08 20:44 | 映画 | Comments(0)

ある時代の音楽映画。『インサイド・ルーウィン・デイヴィス』、『ノー・ディレクション・ホーム』、『ジャージー・ボーイズ』。三本。


インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌 [DVD]

オスカー・アイザック,キャリー・マリガン,ジョン・グッドマン,ギャレット・ヘドランド,ジャスティン・ティンバーレイク/東宝

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 61年のニューヨーク、グリニッジ・ヴィレッジ。
 一人のフォーク・シンガーの、
 不本意な日々に翻弄される、一週間が描かれている。

 おしまい。



 とはいかないのが、コーエン兄弟の映画。
 どーせ今回も古典教典やらが題材として忍ばせてあるんだろーなとおもっていたら、ネコの名前が「ユリシーズ」。
 その辺の解説は町山智浩さんが「ムダ話」で詳しく話してるので全スルーするとして。

 この、
 ルーウィン・デイヴィスには、モデルとなった人物がおりまして。
 それがデイヴ・ヴァン・ロンクとゆー、フォーク・シンガー。
 50年代後半の(二度目の)フォーク・リバイバルで活躍された、
 知る人ぞ知る、とゆーにはあまりにも有名な方。だそーで。
 この映画だと陰鬱な印象や、
 寒々としたシーンばかりが強調されるけど、実際はだいぶ異なるみたいですよ。

 フォーク・ソングの話でゆーと、
 61年ってのは前述のムーブメントがあり、フォーク・シーンも活気があった頃。
 そこに現れたのが、映画でも描かれている、ボブ・ディラン。
 彼の登場により、
 民謡やトラディショナルが中心だったフォーク・シーンは、
 自身で作詞作曲するシンガーソングライターの時代へ移ることとなる。
 そんな事情を知っていると、
 この映画の結末が如何に皮肉めいたものか、理解できるだろう。

 パートナーを失い、長くツラい時期を迷い、
 やっと満足な演奏ができたとステージを降りると、もうそこには次の時代を築く男がいるのだ。

 暗いトンネルを抜けると、
 その先には、
 次のトンネルが見えるだけだった。

 じつにコーエン兄弟らしい映画だなと、おもいましたよ。

 主演のオスカー・アイザック本人による演奏も、見事でした。


ANOTHER DAY ANOTHER TIME

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 この映画に合わせた、
 「Another Day,Another Time」、
 とゆーフォークのライブイベントも開催されまして、
 オスカー・アイザックも映画のナンバーを生演奏したり、
 ゲストにジェーン・バエズなども出演したりと、
 劇中のフォーク・シーンを再現したよーな、充実の内容でした。


ボブ・ディラン ノー・ディレクション・ホーム [DVD]

ボブ・ディラン,ジョーン・バエズ,リアム・クランシー,ジョン・コーエン,アレン・ギンズバーグ/パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン

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 そして、
 更にこの流れでマーティン・スコセッシが監督した、ボブ・ディランのドキュメント映画、
 『ノー・ディレクション・ホーム』も観た。

 この映画はボブ・ディランのデビューと、
 「フォークの新星」と絶大な支持を集めながら、
 バンド編成の曲作りへ移行したことで、強烈なバッシングを受けるに至るまでを、克明に描いている。

 デビューの時期は、丁度『インサイド・ルーウィン・デイヴィス』の時期と重なるし、
 何より、
 デイヴ・ヴァン・ロンク本人が、当時とボブ・ディランについて語っております。呑気に。
 この二作を比べると、
 実際のグリニッジ・ヴィレッジと、当時のシーンの雰囲気が、何となく判りますよ。

 冒頭に、ボブ・ディランが「これはオデッセイだ」と云ってるのも、「ユリシーズ」と繋がって興味深い。

 例の有名な、
 「ユダ事件」の映像も含まれているので、ロック好きとゆー方は必ず観てくださいな。


 しかし。
 新たな時代の寵児となったボブ・ディランも叩かれて、
 その後、バイク事故で一時的に表舞台から退くこととなるのだから、
 時代の流れとゆーのは、判らんもんだな、と。

 因みに、ビートルズがデビューしたのは63年だから、ちょっと後になるわけだ。


ジャージー・ボーイズ ブルーレイ&DVDセット (初回限定生産/2枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]

ジョン・ロイド・ヤング,エリック・バーゲン,マイケル・ロメンダ,ビンセント・ピアッツァ,クリストファー・ウォーケン マイク・ドイル/ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント

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 そして。
 また同時期に、別のシーンで活躍していたのが、
 4・シーズンズ。

 ミュージカルを基にして、その活動の記録を映画化したのが、
 イーストウッド監督の、『ジャージー・ボーイズ』。
 ま、
 同時期として並べるのは些か乱暴ではあるが、当時のチャートによると名前が並んでんだよね。

 そんな『ジャージー・ボーイズ』。
 ミュージカルのテンポの良さを活かした語り口は、
 そのまんまやないか、とゆー批判もあるが、
 ベストと云えるほど効果的に使われているので、致し方ないかと。
 この映画に関しては、
 ドラマに変換するより、ミュージカルの再現に徹した方が正解だっとおもいます。
 ストーリー的にも。

 だってね、
 曲のパワー頼りのストーリー展開だし、
 クライマックスの「あの曲」も、殆どソロのわけだし…。

 只、
 ラストからの演出は、
 映画らしい演出で、とても良かったとおもいます。

 イーストウッド作品のイメージとは、また一味違った映画で、
 爺さんやるな、
 と、おもわせる一作でした。


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by y.k-ybf | 2015-09-06 10:43 | 映画 | Comments(0)

初期のウェス・アンダーソン。三本。


 ウェス・アンダーソンの初期三作を、まとめて観たよ。
 気の利いた前フリは何も浮かばなかったよ。


 「天才」な少年マックスの、異常な行動力が騒動を巻き起こす、青春学園コメディ。
 つか、
 これは邦題で、原題は『Rushmore』なんだよな。

 長編としては二作目だとおもふが、
 もうウェス・アンダーソンのウェスっぷり、
 ウェス色全開の画面作りで、
 ストーリーが完全に負けてるけれど、
 愛すべきキャラクターばかりで、楽しい映画でした。

 音楽の使い方も洒落てる上に、大胆で。
 ラスト、
 あんな曲流されたら、そりゃアガるっての。

 なんつーか、「ピノキオ」みたいな話にもおもえましたよ。
 背伸びをして覗いても、そこの住人になれるわけではない、と。


 ウェス色全開の画面作りで、
 ストーリーが完全に負けてるけれど、
 愛すべきキャラクターばかりで…、
 と、
 思わず繰り返したくなりますが、間違ってもいない気がする。

 基本的に、
 ヘンなヒトたちが、一生懸命フツーのふりをしながら、
 己の正しさや過ちを見直してゆく、のが、
 ウェス・アンダーソンの作品に共通するコンセプトではないかと、乱暴に考えてみた。
 一種の天才論、なのかな?

 しかし。
 本作は、語り口とストーリー展開のバランスが少し噛み合ってなく、時間的には半分でも済む話な気がする。
 最期のあの事故も、突発的で必然性もないし。
 しかししかし。
 ストーンズのレコードから、「ルビー・チューズデイ」が流れるシーンには、
 切なくてぐっときましたな。

 洒落過ぎて、憎たらしいわ。


 今回は海洋冒険モノで、
 ストーリー的にもメリハリがあり、だいぶ楽しくなっております。
 ミニチュア・セットが印象的だが、ロケ撮影が中心と云ってもいいくらいで、
 これまでの絵画的閉塞感は薄く、開放的なのが良いな。
 ラストシーンの長回しも爽快で素晴らしかった。

 この三作のなかでは、いちばん好きかも。

 つかね、
 いままで黙っていたが、
 わたくしはビル・マーレイが大好きなので、じつは彼を見ていだけで、大概オッケーなのだ。

 今回はデビッド・ボウイの曲が多く使われており、
 孤独、を表したかったのかな?
 その意味合いはよく判りませんでしたが、
 当然のよーに作品とマッチしており、安定の憎らしさだ。

 どーすりゃこんな、センスの塊みたいなニンゲンに育つのだろーか。



 この流れで、
 あと、
 『ムーンライズ・キングダム』の感想は、コチラです。



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by y.k-ybf | 2015-09-04 20:55 | 映画 | Comments(0)

むしろ、レコード・プレイヤー、の、ようなもの。


by y.k-ybf
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