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『シャン・チー/テン・リングスの伝説』 ※ネタバレ


 正式な呼称は忘れてしまいましたが、「エンドゲーム」で一つの区切りとしたMCUの新たなる第一章的な本作。
 今度はカンフー映画だ!
 アジア人が主役のヒーローになった点も大きいけど、原作ではブルース・リーを想定して作られたキャラクターのイメージが一新されたのも、何気に(映画史の中で)大きなことだとおもいました。
 (「シャン・チー」と別作品のアイテム「テン・リングス」を合わせたのも良いアイデア)


 一見すると中華で量産されている義侠ファンタジーアクション映画のよーですが、巨大なスケールの世界観をまとめる説得力は、安定のMCU

 スルスルとストーリーが展開してくれます。

 父殺しをベースに、

 「家族」に執着するあまり正気を失う父と、自ら「家族」を護る(救う)ことを選んだ子らの対立は、似ているよーで異なるのが興味深い。

 愛憎の反転によるパワーコントロールの喪失を描いているよーに感じられた。

 父に愛情が無いわけではないのが、再会後の食卓でのシーンでも判るし。

 そこも踏まえて物語上、重要な役割にいるのがケイティだとゆーのも、とてもユニークな点でもある。

 (彼女が歌う「ホテル・カリフォルニア」は過ぎ去った(消えた)「アメリカ」への郷愁を唄っているとも解釈できる。MCUで「アメリカ」と云えば、「彼」であろう)


 アクションの優秀さは改めて云うこともないけど、シャン・チーのカンフースタイルが父から学んだ暗殺拳から母方の太極拳に通じるスタイルへ変わるのは、ストーリー的にも重要で見応えありました。

 (ビジュアル面でも『オールドボーイ』や『スカイフォール』の影響が窺えるのも良し)


 所謂「第一作目」然とした本作ですが、ココからアレに繋がるのか〜⁈  とゆー愉しみはまさにMCU

 遂に戻ってきたんだなと、実感が湧きました。


# by y.k-ybf | 2021-09-06 17:31 | 映画 | Comments(0)

『OLD』 ※ネタバレ


 タイトル「OLD」のシンプルながら複雑な意味を味わう、ナイト・シャマランの新作スリラー。

 まるで短編のよーにコンパクトな作品になっております。


 「家族」がテーマなのはいつも通りだけど、そこに「老化」とゆー時間の概念がブースト気味に捻り込まれており、日常に隠された不安が苛烈に突きつけられる老い(病い)ホラーでもあります。

 恐らく中年以降の人ほど、イヤな気分を体感させられるでしょう。


 全体にちょいとシンプル過ぎな印象もありますが、シャマランの新たなスタートには丁度いい気もします。


# by y.k-ybf | 2021-09-03 21:06 | 映画 | Comments(0)

『ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結』 ※ネタバレ


 16年にデヴィッド・エアー監督が実写映画化した『スーサイド・スクワッド』を、いろいろあったジェームズ・ガンが再び映画化。
 本作は続編のよーでもありリブートのよーでもあってDCユニバースでの位置付けには迷うけど、そもそも現在のDCユニバースが(若干の)混沌状態にあるので、気にせんでも問題ありません。
 本来アメコミ自体が続いているよーで続いていなかったりするものなので、らしいと云えばとてもアメコミらしい。

 「スースク」と「ガン」の組合せなんて面白くないわけもなく、不謹慎アクション悪ふざけコメディの快作になっておりますR-15+


 エアー版とはストーリーの大まかな展開は同じミッション系ではあるけど、やはりキャラクターの魅力を活かして描くのが抜群に巧い、ガン。

 ストーリーの性質で相殺することも導線で混乱することもなく、あっという間に退場するキャラでもしっかり印象に残ります。イタチとかな。

 ヴィランをヒーローにするのではなく、ヴィランがヴィランとして行動している軸のブレなさも良い。ラットキャッチャー2のアレは、「我ヴィランであること」の表明のよーで、(少しだけ)感動した。

 んでじつは本作は怪奇怪獣映画でもあって、しっかり真っ昼間のスラム街でバケモノを大暴れさせてくれるので、大満足でした。気持ち悪いし(褒め言葉)。

 あ、あとハーレイ・クインの使い方も上手いなとおもたよ。(出演作)3作目でマンネリに見えそうなところを、寧ろ変わっていないのにヒーロー然に見えてくるのがフシギ。


 予告トレーラーがちとネタバレ過ぎに感じたのと、途中の仲間割れは要らなかったかなとおもいましたが些細なことで。

 IMAX系の大スクリーンで観るのをオススメします。

 だいぶ描写はエグいけども。


# by y.k-ybf | 2021-08-28 18:40 | 映画 | Comments(0)

先生! 『セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記』 ※ネタバレ


 この夏の特撮ヒーロー映画は「仮面ライダー」生誕50周年と「スーパー戦隊」45作目を記念した変則的な一本。
 実際はコロナなどの影響もあるのだろう、「セイバー」にとっては難しい一年となった。(映画の単独作は今のところ短編1本のみだし)


 所謂オールスター系お祭り映画だろうとそこそこの期待で観たのだけれど、ある人物がフューチャーされる展開になっており、不覚にも感心してしまいました。

 その人物とは「仮面ライダー」「スーパー戦隊」の原作者である、石ノ森章太郎。

 作家で仮面ライダーとゆー「セイバー」と石ノ森を並べることで、

 「ヒーローとは何か?」

 「創作とは何か?」を改めて問うには(タイミング的にも)絶好の機会であり、9分間の長回しで語られる返答は特別なメッセージに感じられた。

 特撮ヒーローってのは時折こーゆー原点を思い起こさせるメッセージを放り込んでくるから油断ならないのだ。

 観てよかった。


 意外と長い「リバイス」のオマケもあるよ。


# by y.k-ybf | 2021-07-26 19:00 | 映画 | Comments(0)

『竜とそばかすの姫』 ※ネタバレで観てないと判らない箇所もあるので観てからご覧ください。


 細田守はきっと仲間がたくさんいるので本作への賞賛はそちらへ任せます。

 仮想空間のコンセプトデザインやコミカルな人物描写、そして音楽含めて素晴らしいクオリティでした。

 敢えて点数にすると、まとめて良い点は50点。気に入らない点はマイナス150点ぐらいだったので、ここからはネチネチとマイナスポイントについて話します。


 まずストーリーが恐ろしく古臭い。

 ポジティブな表現をするなら、キャラのビジュアル設定からも判るよーに古典をベースにしている。

 にしても、ネットの描写とゆーかSNSの認識がまるでアップデートされていないので、古典の枠組みでそれを語られても新鮮味を感じられない。

 そもそも『サマーウォーズ』の時から疑問だったけど、<U>とゆー世界がじつに曖昧で、何ができるの(何をやってるの)かがイマイチ把握できない。『サマーウォーズ』から十年以上経っても具体的な何かは示してくれない。

 主人公の少女は幼い頃に母を事故で亡くし、そのトラウマをずっと抱えている。だけど同じ悲しみを抱えて苦しんだであろう父の心情はほぼ語られることはない。(LINEでの僅かな会話のみ)

 もはや存在が記号でしかないのが、どーしても納得できなかった。これは本作最大の過ちであるDVの不自然なほど曖昧な描写とも繋がる。

 ストーリー上、詳しい説明は省くが、ここで絶対に必要なのは暴力である。

 (当然暴力を愉しみたいわけなどではなくて)暴力による虐待の恐怖や痛みを表現しなくてはDVそのものがぼやけて誤解もされるし、何より現実に虐待を受けている子供たちの実体すらあやふやにしてしまう。それは彼らに対してあまりに軽率で侮辱的、非人道的な行為(表現)におもえた。過剰な反応かもしれないが、暴力を描く気もないのならこんなテーマを扱うべきではない。深刻な社会問題を自己満足なオモチャにしては駄目だ。

 本編に話を戻すと、そんな子供らは外へ逃げ出しているし、まわりは住宅街。

 百歩譲って誰も助けてくれないにしても、あんなぷらぷらしてるもんかね、暴力を振う父親から逃げている子供が。SNSや動画をライブ配信してる子供がよ。

 でまた暴力を振るってた、はず、のオヤジがあんなんでたじろぐのかね。DVしてるニンゲンがよ。

 そんで主人公の娘さんが顔にけっこうな怪我をするの、血も流れるぐらいの。

 だーーーれも心配しないのな。女の子が顔を怪我してるのに。

 ババアどもも呑気に歌なんか歌っていやがって、サイコパスか。

 だいたい何で独りで高知から東京まで行かすのよ。大人が付いていけよ、せめて。

 んで間に合うからな、吃驚だよ。

 あんな仮想空間もあるからきっとリニアモーターカーとか実現してんだろな、あの世界。バスも廃線になるし。

 ちょっと話を遡るけど、

 リアルな姿のまま歌い始めたとき最後にアバターの「Belle」の姿に戻すのは、どーゆー意図なのか。<U>の仕様が戻ったってことなら、台無しじゃないの?

 その現実とネットの越えられない境界線は、何なの。

 古い。古いわあ。。。


 とゆーのが、わたくしがどーしても受け入れられなかった部分。

 衝動的な勢いでかいてしまったのでいつも以上に乱雑な文章になってしまって申し訳ない。たぶん後で反省、するかも。


 あとね、仕掛けに気付かなかっただけかもしれんけど、仮想空間をやるなら僅かでも『サマーウォーズ』とリンクさせるべきだったのではないかな。

 繋がってるの? 実際。


# by y.k-ybf | 2021-07-21 11:35 | 映画 | Comments(0)

むしろ、レコード・プレイヤー、の、ようなもの。


by yuki-yo