細田守はきっと仲間がたくさんいるので本作への賞賛はそちらへ任せます。
仮想空間のコンセプトデザインやコミカルな人物描写、そして音楽含めて素晴らしいクオリティでした。
敢えて点数にすると、まとめて良い点は50点。気に入らない点はマイナス150点ぐらいだったので、ここからはネチネチとマイナスポイントについて話します。
まずストーリーが恐ろしく古臭い。
ポジティブな表現をするなら、キャラのビジュアル設定からも判るよーに古典をベースにしている。
にしても、ネットの描写とゆーかSNSの認識がまるでアップデートされていないので、古典の枠組みでそれを語られても新鮮味を感じられない。
そもそも『サマーウォーズ』の時から疑問だったけど、<U>とゆー世界がじつに曖昧で、何ができるの(何をやってるの)かがイマイチ把握できない。『サマーウォーズ』から十年以上経っても具体的な何かは示してくれない。
主人公の少女は幼い頃に母を事故で亡くし、そのトラウマをずっと抱えている。だけど同じ悲しみを抱えて苦しんだであろう父の心情はほぼ語られることはない。(LINEでの僅かな会話のみ)
もはや存在が記号でしかないのが、どーしても納得できなかった。これは本作最大の過ちであるDVの不自然なほど曖昧な描写とも繋がる。
ストーリー上、詳しい説明は省くが、ここで絶対に必要なのは暴力である。
(当然暴力を愉しみたいわけなどではなくて)暴力による虐待の恐怖や痛みを表現しなくてはDVそのものがぼやけて誤解もされるし、何より現実に虐待を受けている子供たちの実体すらあやふやにしてしまう。それは彼らに対してあまりに軽率で侮辱的、非人道的な行為(表現)におもえた。過剰な反応かもしれないが、暴力を描く気もないのならこんなテーマを扱うべきではない。深刻な社会問題を自己満足なオモチャにしては駄目だ。
本編に話を戻すと、そんな子供らは外へ逃げ出しているし、まわりは住宅街。
百歩譲って誰も助けてくれないにしても、あんなぷらぷらしてるもんかね、暴力を振う父親から逃げている子供が。SNSや動画をライブ配信してる子供がよ。
でまた暴力を振るってた、はず、のオヤジがあんなんでたじろぐのかね。DVしてるニンゲンがよ。
そんで主人公の娘さんが顔にけっこうな怪我をするの、血も流れるぐらいの。
だーーーれも心配しないのな。女の子が顔を怪我してるのに。
ババアどもも呑気に歌なんか歌っていやがって、サイコパスか。
だいたい何で独りで高知から東京まで行かすのよ。大人が付いていけよ、せめて。
んで間に合うからな、吃驚だよ。
あんな仮想空間もあるからきっとリニアモーターカーとか実現してんだろな、あの世界。バスも廃線になるし。
ちょっと話を遡るけど、
リアルな姿のまま歌い始めたとき最後にアバターの「Belle」の姿に戻すのは、どーゆー意図なのか。<U>の仕様が戻ったってことなら、台無しじゃないの?
その現実とネットの越えられない境界線は、何なの。
古い。古いわあ。。。
とゆーのが、わたくしがどーしても受け入れられなかった部分。
衝動的な勢いでかいてしまったのでいつも以上に乱雑な文章になってしまって申し訳ない。たぶん後で反省、するかも。
あとね、仕掛けに気付かなかっただけかもしれんけど、仮想空間をやるなら僅かでも『サマーウォーズ』とリンクさせるべきだったのではないかな。
繋がってるの? 実際。