八十年代の暗闇から手をのばせってゆー
2010年 10月 12日
八十年代は、暗黒の時代。
ロッキンオンを読み漁っていた自分には、
音楽の八十年代とは、そんなイメージが強く残っていた。
薄っぺらいシンセ、耳障りに主張するギター、
そして元凶、エレキドラム。
甘ったるい楽曲に、原色のファッションは、時代に浮かれているよーにしかおもえなかった。
それはロッキンオンを読む前から感じていたし、
九十年代に入って、洋楽を聴くようになってからは余計に意識するよーになった。
イメージだけではなく、音がダメで、録音されたものがダメ。
八十年代に作られたレコードは、ニューオーダーですら抵抗があったものだ。
なんでこんな音にするんやと。
それがココ三~五年で、やっとアリになってきた。
洋楽を遡って聴いているうちに、八十年代でもいいものはあるんだと気付いてはいたが、
拒否反応を起こさずに、
楽しめるよーになったのは、コノ一年ぐらいだけども。
なんでこんな事態になったのかと、自分なりに考えてみると、
やっぱり、テクノロジーの過渡期だったからではないかと。
ビデオが生まれ、PCが普及し、
デジタルとゆー発想が、思想の一角に加わった。
進歩しなくてはならない。
新しいものが絶対的に正しいとゆー風潮は、確かこの時期だった気がする。
そーやって無理矢理発生したメタモルフォーゼの歪さこそが、八十年代だったのかな、と。
さておき、
ラジオで宇多丸が紹介していたミュージックマガジン増刊の「クロスレビュー」を買ってきた。
えらい分厚いのでまだ読み終えてはいないのだけど、
ミュージックマガジンで連載されたクロスレビューの八十年代分を一冊にまとめた本であります。
これが思いの外おもしろい。
今では名盤のレコードが新譜としてレビューされているし、
なかには酷評されているのもある。
時代も変われば、人間だって変わるのだ。
ロッキンオンを読んでいた奴が、ミュージックマガジンを愉しんだりもするのだ。
カタログとは違う、おもしろさ。
そんで、
1981年とは、ジョン・レノンが『ダブル・ファンタジー』を、
1989年は、レッド・ホット・チリペッパーズが『母乳』を発表した年であります。