「富江」とは、
伊藤潤二のホラーコミックを原作としたホラー映画で、
Jホラーの流行とゆー後押しもあり、シリーズ化された印象がありますが、
当然、それは一側面でしかなく、
他にはない独特の魅力が「富江」にはあるのでございます。
基本、「富江」とゆー物語は、愛欲の物語である。
富江を愛し、富江に愛されたく想ふ者タチが、満たされぬ愛情故に正気を失ってゆく、悲劇の物語。
愛情とゆー普遍のテーマが、
時代を越えて、作られる理由の一つであろう。
(簡単に言い換えると、すっごく作りやすいんだよな。
若い女優さんをメインで使えるし、設定からして状況が生まれやすいし。)
監督、及川中。
富江は、菅野美穂。
インディーズの感触ムキ出しの、安くてザラついた映像だが、コレがじつに良い。
独特の味わいの怖さがある。
お金を掛ければ怖くなるわけではないのが、ホラーの難しいトコロであり、オモシロいトコロだと、おもふよ。
そしてこの『富江』第一作目は、
やはりJホラーの傑作とも云える一本であろう。
粗い部分は多々あるが、菅野美穂の富江っぷりのハマり具合は、見事。
女性がもつ、
可憐さと、残酷な冷たさの両端を体現している。
そしてあの、
鮮烈なラストショット。
ストーリー(シナリオ)と、富江とゆーキャラクター、そして菅野美穂。
この三点の掛け合いが相乗効果と成っているのは、誰の目にも明らかであろう。
第一作目の評判から、
ストーリー上の繋がりは無い(と思われる)シリーズが作られた。
第二作目、『富江 replay』。
00年公開。
監督、光石冨士朗。
富江を、宝生舞。
(共演は、窪塚洋介。
遠藤憲一もチョイ役で出ている。
舞台が病院で、丸ごと影響を受けてゆく前半は薄気味悪かったが、
後半はタダの化け物退治になってしまった。)
01年公開。
監督、清水崇。
富江を、酒井美紀。
(共演が、妻夫木聡。
顔が違うので、なかなか気付かなかった。
遠藤久美子も出ております。ハスキー。
清水崇が監督なので期待したが、そこまで怖くなし。)
第四作目、『富江 最終章-禁断の果実-』。
02年公開。
監督、中原俊。
富江を、安東希。
(共演、宮崎あおい。
デビュー間もないであろう、宮崎あおいの原石然たるや。
青春百合系のストーリーであるが、消化不良。
安東希の富江は、悪くない。
父親役は、まだハゲてない國村隼。)
と、
だいぶシリーズは続いたが、『富江』越えは、ならず。
作り易くとも、どれもキャラと設定に苦心して、持て余してるよーだ。
しかし。
じつはシリーズはまだ続いており、この先、まだまだ作られるのだ。
最終章って、なんだろね?
以下、
続く、かな?