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セル〈上〉 (新潮文庫)

スティーヴン キング/新潮社

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 スティーブン・キング原作の、パニック・ホラー。
 キングは脚本にも参加しており、
 監督は『パラノーマル・アクティビティ2』を手掛けたトッド・ウィリアムズ。

 突如ケータイから聴こえる怪電波でゾンビになります、
 暴れます、襲います、
 オマエも蝋人形にしてやろうか、そんなお話。

 ストーリーをド直球に受け止めるならば、
 「ケータイばっかり使いやがって」とゆーアンチテーゼや社会風刺の視線が窺える。
 原作が出版されたのは06~07年。
 スマートフォンが定着するちょっと前になるとおもふけど、ケータイの普及率はほぼ限界まで拡大している。
 老人はケータイを嫌い、
 中年はスマートフォンに戸惑い、
 若者はそんな心境が理解できない。
 繋がるはずだった意識の断絶がテーマの発端になっているのかな、と想像する。

 「携帯ゾンビ」とゆー原作の仮タイトルには、揶揄する心情が少し感じられるし。
 キングはテクノロジー嫌いで有名だしね。

 とわゆーものの、
 原作出版から十年が過ぎ、激変する状況を省みた上での映画化には、
 また別の意味が込められている、、、、、はずなんだけどー。

 「家族の話」に帰結するのは、とてもキングらしい。
 らしいのだが、
 曖昧な点があまりに多く、非常にモヤモヤする。
 家族を結ぶ「何か」、
 怪電波によって巨大な一群となる「何か」、とか。
 結局真相は解明されず、すべて推測ばかり。
 今この手の物語テーマを扱うなら、もう一歩や二歩は踏み込まないとダメなんじゃないかな。
 キューザックの結末よりも、
 途中で別れるサミュエル一行の顛末の方が気になったしな。

 「赤いフードの男」もフリが弱くて、よく判らん。
 (キューザックを呼び寄せるために、
  コミックのキャラとママのイメージを融合させて送信したら、近くにいたヒトらもそれを受信(夢)しちゃった、
  で、いいのかな?)

 それと、クライマックスで画面が暗くなっちゃうのは、残念。
 もうちょいハッキリ映してくれればインパクトあったのになー。

 と、
 文句ばかり云っておりますが、
 作品自体は楽しめたので、ネガティブな印象はありません。
 冒頭の空港でのパニックシーンは、悪くなかったです。
 サミュエルの抑え目のキャラクターも、フレッシュでした。


 つか、キングは『ミスト』を自分でやりたかったのかな…?



by y.k-ybf | 2017-02-23 21:24 | 映画 | Comments(0)

むしろ、レコード・プレイヤー、の、ようなもの。


by yuki-yo