『セル』 着信履歴を確認してください。
2017年 02月 23日
スティーブン・キング原作の、パニック・ホラー。
キングは脚本にも参加しており、
監督は『パラノーマル・アクティビティ2』を手掛けたトッド・ウィリアムズ。
ストーリーをド直球に受け止めるならば、
「ケータイばっかり使いやがって」とゆーアンチテーゼや社会風刺の視線が窺える。
原作が出版されたのは06~07年。
スマートフォンが定着するちょっと前になるとおもふけど、ケータイの普及率はほぼ限界まで拡大している。
老人はケータイを嫌い、
繋がるはずだった意識の断絶がテーマの発端になっているのかな、と想像する。
「携帯ゾンビ」とゆー原作の仮タイトルには、揶揄する心情が少し感じられるし。
キングはテクノロジー嫌いで有名だしね。
とわゆーものの、
原作出版から十年が過ぎ、激変する状況を省みた上での映画化には、
「家族の話」に帰結するのは、とてもキングらしい。
らしいのだが、
曖昧な点があまりに多く、非常にモヤモヤする。
家族を結ぶ「何か」、
怪電波によって巨大な一群となる「何か」、とか。
結局真相は解明されず、すべて推測ばかり。
今この手の物語テーマを扱うなら、もう一歩や二歩は踏み込まないとダメなんじゃないかな。
キューザックの結末よりも、
「赤いフードの男」もフリが弱くて、よく判らん。
(キューザックを呼び寄せるために、
それと、クライマックスで画面が暗くなっちゃうのは、残念。
もうちょいハッキリ映してくれればインパクトあったのになー。
と、
文句ばかり云っておりますが、
作品自体は楽しめたので、ネガティブな印象はありません。
冒頭の空港でのパニックシーンは、悪くなかったです。
サミュエルの抑え目のキャラクターも、フレッシュでした。
つか、キングは『ミスト』を自分でやりたかったのかな…?