『皆殺しの流儀』とか、『グッドフェローズ』とか、そのへん四本。
2018年 01月 05日
おじいちゃん仲間を集めて制裁を下す、復讐劇。
じつはこのおじいちゃんズ、
嘗て警察すら手懐けるほど街を牛耳っていたギャングな方々で。
苦々しく過去を思い出しながらも、
懐かしいわー、楽しいわーと、
老獪にヤングチンピラ共を捕まえては、ボッコボコのボコボコに私刑します。
そんな「舐めてた奴が」系と『狼よさらば』が合わさったよーなストーリー。
おじいちゃんズの私刑執行がけっこー残忍で、僅かに抵抗を感じるも、
標的となるヤングチンピラの奴らがクズ中のクズなので、
兎に角痛い目にあって死ぬがいい!
と、おじいちゃんズを応援してしまいます。
殆どヒーロー扱いになっとるな…と思ったら、
最後にMCUみたいなテロップが。。。
ギャングの抗争と暴走を描く映画かとおもっていたら、ちと違う。
組織を成り上がったり、復讐に命を懸けたり、
ギャング・ストーリーのメインを張るよーな存在が主人公ではなく、むしろその脇。
「へい」(←コイツ)
とか。
「アニキ、兵隊は集めたぜ。なあ?」
「おう」(←コイツ)
とかの、コイツが主人公。
そんな脇が面白いのかってーと、寧ろ、脇だから面白い。
多忙な脇故のリアルさがある。
歪んだ性格や複雑な家庭環境、
強固な理想や野望があるわけでもなく、善悪すら無い。
いちばん割のイイ職業として、ギャングを選択するとゆー点が最大の特色であろう。
云わば名も無きヤクザな男の半生を、スコセッシがフルスピードで描いております。
展開がめっちゃ早くて、退屈する暇もありません。
実話が基になっており、
主人公の人物は、数年前まで存命だったよーですよ。
よく生きていられたもんだ。
主人公が常時ハッパを吸ってる状態で、幻覚と素面の境目がまったく判らない。
原作はトマス・ピンチョンの「LAヴァイス」。
ロバート・アルトマンの『ロング・グッドバイ』をやってみた。
と気付いてしまうと、
もうそーとしか見えなくなってくる。
恐るべき、『ロング・グッドバイ』。
しかし本作はノワールを全力で拒む、ノワール。
ノワール・コメディと云ってもよいスタイルで、可笑しな奴らがわんさか出てくるし、
そこに哀愁が見え隠れするのは、幻覚と素面の狭間の世界だから。
ワケが判らず、内容もロクに説明できないのに傑作だと楽しめたのは、
ホアキン・フェニックスの愛すべきキャラクターによる部分が大きい。
寧ろ影響は『ロング・グッドバイ』より、『カウボーイ・ビバップ』の方だったりしてね。
(幻覚キノコで全員ラリった話とかあったなー)
39年公開の、
監督ジョン・フォード、
主演ジョン・ウェインの、傑作西部劇。
ちょっと物足りないですねー、
とか云うと怒られそーなので感想は簡潔にしますが、
後半のアパッチ襲撃シーンは、今観ても流石の迫力。
当時ならまさに衝撃的だったのだろう。
群像劇としての魅力もあり、複雑な人物描写も利いている。
しかし、
物足りないと先にも云ったけど、
とも感じるよ。
オレならこーするのに、と。