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『皆殺しの流儀』とか、『グッドフェローズ』とか、そのへん四本。


皆殺しの流儀 [DVD]

イアン・オギルビー,アリソン・ドゥーディ,スティーヴン・バーコフ,ジェームズ・コスモ,リセット・アンソニー/アメイジングD.C.

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 低脳を隠すためフードを被ったヤングチンピラ集団に兄を殺されたおじいちゃんが、
 おじいちゃん仲間を集めて制裁を下す、復讐劇。

 じつはこのおじいちゃんズ、
 嘗て警察すら手懐けるほど街を牛耳っていたギャングな方々で。
 苦々しく過去を思い出しながらも、
 懐かしいわー、楽しいわーと、
 老獪にヤングチンピラ共を捕まえては、ボッコボコのボコボコに私刑します。
 そんな「舐めてた奴が」系と『狼よさらば』が合わさったよーなストーリー。

 おじいちゃんズの私刑執行がけっこー残忍で、僅かに抵抗を感じるも、
 標的となるヤングチンピラの奴らがクズ中のクズなので、
 兎に角痛い目にあって死ぬがいい!
 と、おじいちゃんズを応援してしまいます。

 またこのおじいちゃんズが、英国紳士なギャングってのもポイント高い。
 殆どヒーロー扱いになっとるな…と思ったら、
 最後にMCUみたいなテロップが。。。


 『スカーフェイス』や『カリートへの道』みたいな、
 ギャングの抗争と暴走を描く映画かとおもっていたら、ちと違う。
 組織を成り上がったり、復讐に命を懸けたり、
 ギャング・ストーリーのメインを張るよーな存在が主人公ではなく、むしろその脇。

 「おい、チャカ貸せ」
 「へい」(←コイツ)
 とか。
 「アニキ、兵隊は集めたぜ。なあ?」
 「おう」(←コイツ)
 とかの、コイツが主人公。

 そんな脇が面白いのかってーと、寧ろ、脇だから面白い。
 多忙な脇故のリアルさがある。
 歪んだ性格や複雑な家庭環境、
 強固な理想や野望があるわけでもなく、善悪すら無い。
 いちばん割のイイ職業として、ギャングを選択するとゆー点が最大の特色であろう。

 云わば名も無きヤクザな男の半生を、スコセッシがフルスピードで描いております。
 展開がめっちゃ早くて、退屈する暇もありません。

 実話が基になっており、
 主人公の人物は、数年前まで存命だったよーですよ。
 よく生きていられたもんだ。


インヒアレント・ヴァイス ブルーレイ&DVDセット(初回限定生産/2枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]

ホアキン・フェニックス,ジョシュ・ブローリン,オーウェン・ウィルソン,キャサリン・ウォーターストン,リース・ウィザースプーン/ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント

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 ポール、トーマス、アンダーソン監督の、ヒッピー探偵物語。
 主人公が常時ハッパを吸ってる状態で、幻覚と素面の境目がまったく判らない。
 原作はトマス・ピンチョンの「LAヴァイス」。

 ロバート・アルトマンの『ロング・グッドバイ』をやってみた。
 と気付いてしまうと、
 もうそーとしか見えなくなってくる。
 恐るべき、『ロング・グッドバイ』。
 しかし本作はノワールを全力で拒む、ノワール。
 ノワール・コメディと云ってもよいスタイルで、可笑しな奴らがわんさか出てくるし、
 そこに哀愁が見え隠れするのは、幻覚と素面の狭間の世界だから。

 ワケが判らず、内容もロクに説明できないのに傑作だと楽しめたのは、
 ホアキン・フェニックスの愛すべきキャラクターによる部分が大きい。


 寧ろ影響は『ロング・グッドバイ』より、『カウボーイ・ビバップ』の方だったりしてね。
 (幻覚キノコで全員ラリった話とかあったなー)


 最早、説明するのも気恥ずかしい。

 ちょっと物足りないですねー、
 とか云うと怒られそーなので感想は簡潔にしますが、
 後半のアパッチ襲撃シーンは、今観ても流石の迫力。
 当時ならまさに衝撃的だったのだろう。
 群像劇としての魅力もあり、複雑な人物描写も利いている。

 しかし、
 物足りないと先にも云ったけど、
 じつはこの物足りなさ感こそ、後年への強烈な影響になったのでわ?
 とも感じるよ。

 オレならこーするのに、と。


by y.k-ybf | 2018-01-05 10:35 | 映画 | Comments(0)

むしろ、レコード・プレイヤー、の、ようなもの。


by yuki-yo