イッツ・シリアス 『コーマ』、とか。サスペンスな四本。
2018年 01月 05日
監督はマイケル・クライトン。
大病院の闇が恐い。
七十年代らしい、距離を取らない撮影も良い。
大病院で起こる不審な死を巡り、若い女性医師がたった一人で巨悪に挑む。
恋人にすら信じてもらえず、殺し屋にまで命を狙われる恐怖は、
社会での孤立、孤独を表現しており、
それが今でも古びない恐怖になっているのだろう。
荒唐無稽なストーリーのよーだけど、
医療描写はさすがにリアルで、都市伝説なネタに信憑性を与えております。
マイケル・ダグラスも出てますよ。
99年公開、森田芳光監督作。
テーマはタイトルにあるので、省略。
公開精神鑑定とゆー異常事態を描く、法廷サスペンス、、、でいいと思います。
わたくしも誤解しておりましたが、
所謂サイコ・スリラー系な事件を追うとゆーより、真相に隠された心理を解明するとゆードラマでした。
サイコ要素はだいぶ少ない。
只、
このドラマとテーマと、独特な演出が噛み合っているかとゆーと疑問で。
正直その接点は理解出来なかった。
しかし疑問のわりには散漫にならず、逸脱もせず、
森田芳光作品の中では、手堅くまとまっている気がします。
鈴木京香を「一般人」に封じ込める手腕も見事ですが、人物をクセだけで描写しているのも凄い。
アップが異常に多く、人物を重ねて映すのは、
精神(心)の境界線を際立たせる意図なのか。
近付けば近付くほど線が交わり、融合してるよーに見えますね。
この後、
監督の作品は『黒い家』、『模倣犯』とダーク系が続くことになります。
わたくしは『模倣犯』も好きなんだけどね。
とゆー、実験作。
そしてその実験は見事に失敗している。只々分かり難い。
失敗の原因は明白で、
更に主人公の目的もよく判らぬまま進行するので、
じつに、どーでもよくなる。
ストーリー自体はシンプルなんだけど、
更に更に問題なのが、理屈の弱さ。
こーゆー不規則に展開する物語で頼りになるのは、道理的な予測。
そーゆー理由だから、こーゆー行動を取ったのね。
具体的なシーンが無くても予測で理解できるものだけど、
その理由、理屈が頼りないと、
なんで? とゆー疑問の方が強く残ってしまう。
本作では事の発端となる部分が、あまりに浅い。
そこで逃げる?
そこで撃つ?
それは覚えているの? ってなるわけだ。
結局、完全な誤解と逆恨みだったしね。
せめて、
記憶が継続するシーンの一つ一つがもう少し長ければ、印象は違ったのかも。
ノワールには成れていないけど、
フツーに編集した方がまだマシだったのでわ?
と思うよ。
ミラ・ジョ(略)主演の、テロ・サスペンス。
凄腕外交官が、
凄腕テロリストに狙われるけど、
強力な主人公補正を発揮して逃げ回り、飛行機にまで乗ってNYへ向かい、
テロを防げるのか、防げないのか。
とゆーお話。
何ら新鮮味を感じないストーリーに思えますが、
コレがなかなか悪くなく、少し懐かしい安定感すら感じました。
九十年代前半ぐらいの。
ピアーズ・ブロスナンの殺し屋がまたハマっておりまして。
そこがまた良い、エンタメ。
ストーリーの核心となる部分があっさり切り捨てられて、
要約すると、
「NYを標的にしたテロリストは沢山いたけど、沢山捕まえましたよ」とゆーもので、
文面通りの意味だとは思いますが、
こーゆー映画の最期に提示されると、その意図は何? と勘ぐりたくなる。
頑張ってます、ってコト?