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イッツ・シリアス 『コーマ』、とか。サスペンスな四本。


コーマ [DVD]

マイケル・ダグラス,ジェヌビエーブ・ビュジョルド,リチャード・ウィドマーク,エリザベス・アシュレイ,リップ・トーン/ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント

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 78年公開の、医療系サスペンス。
 監督はマイケル・クライトン。

 大病院の闇が恐い。

 わたくしは人気のない巨大な建物が恐ろしく、
 同時にゾクゾクするほどの魅力を感じてしまうので、
 この映画に出てくる謎の施設など、まあ最高でした。
 七十年代らしい、距離を取らない撮影も良い。

 大病院で起こる不審な死を巡り、若い女性医師がたった一人で巨悪に挑む。
 恋人にすら信じてもらえず、殺し屋にまで命を狙われる恐怖は、
 社会での孤立、孤独を表現しており、
 それが今でも古びない恐怖になっているのだろう。

 荒唐無稽なストーリーのよーだけど、
 医療描写はさすがにリアルで、都市伝説なネタに信憑性を与えております。

 マイケル・ダグラスも出てますよ。


39-刑法第三十九条- [DVD]

鈴木京香,堤真一,杉浦直樹,樹木希林,江守徹/バンダイビジュアル

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 99年公開、森田芳光監督作。

 テーマはタイトルにあるので、省略。
 公開精神鑑定とゆー異常事態を描く、法廷サスペンス、、、でいいと思います。
 わたくしも誤解しておりましたが、
 所謂サイコ・スリラー系な事件を追うとゆーより、真相に隠された心理を解明するとゆードラマでした。
 サイコ要素はだいぶ少ない。

 只、
 このドラマとテーマと、独特な演出が噛み合っているかとゆーと疑問で。
 正直その接点は理解出来なかった。
 しかし疑問のわりには散漫にならず、逸脱もせず、
 森田芳光作品の中では、手堅くまとまっている気がします。

 鈴木京香を「一般人」に封じ込める手腕も見事ですが、人物をクセだけで描写しているのも凄い。
 アップが異常に多く、人物を重ねて映すのは、
 精神(心)の境界線を際立たせる意図なのか。
 近付けば近付くほど線が交わり、融合してるよーに見えますね。


 この後、
 監督の作品は『黒い家』、『模倣犯』とダーク系が続くことになります。

 わたくしは『模倣犯』も好きなんだけどね。


アウト・オブ・コントロール [DVD]

キャサリン・イザベル,クリストファー・ロイド,マイケル・アイアンサイド,ジェシー・マッカートニー,ティム・ドワロン/アルバトロス

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 要するに、
 『メメント』を反時系列ではなく、シャッフルで繋いだらどーなるか?
 とゆー、実験作。
 そしてその実験は見事に失敗している。只々分かり難い。

 失敗の原因は明白で、
 記憶が途切れるだけではなく、人格もチェンジするみたいで、記憶の繋がりがまるで掴めない。
 更に主人公の目的もよく判らぬまま進行するので、
 じつに、どーでもよくなる。
 ストーリー自体はシンプルなんだけど、
 記憶も人格もメチャクチャなニンゲンの言動を、誰が鵜呑みにするとゆーのか。
 更に更に問題なのが、理屈の弱さ。
 こーゆー不規則に展開する物語で頼りになるのは、道理的な予測。
 そーゆー理由だから、こーゆー行動を取ったのね。
 と、
 具体的なシーンが無くても予測で理解できるものだけど、
 その理由、理屈が頼りないと、
 なんで? とゆー疑問の方が強く残ってしまう。
 本作では事の発端となる部分が、あまりに浅い。
 そこで逃げる?
 そこで撃つ?
 それは覚えているの? ってなるわけだ。
 結局、完全な誤解と逆恨みだったしね。
 せめて、
 記憶が継続するシーンの一つ一つがもう少し長ければ、印象は違ったのかも。

 ノワールには成れていないけど、
 バイオレンス映画としては結構よく出来ており、見応えだけはありました。
 フツーに編集した方がまだマシだったのでわ?
 と思うよ。


サバイバー [DVD]

ミラ・ジョヴォヴィッチ,ピアース・ブロスナン,ディラン・マクダーモット,アンジェラ・バセット,ロバート・フォスター/Happinet(SB)(D)

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 『Vフォー・ヴェンデッタ』の、ジェームズ・マクティーグ監督。
 ミラ・ジョ(略)主演の、テロ・サスペンス。

 凄腕外交官が、
 凄腕テロリストに狙われるけど、
 強力な主人公補正を発揮して逃げ回り、飛行機にまで乗ってNYへ向かい、
 テロを防げるのか、防げないのか。
 とゆーお話。

 何ら新鮮味を感じないストーリーに思えますが、
 コレがなかなか悪くなく、少し懐かしい安定感すら感じました。
 九十年代前半ぐらいの。

 ピアーズ・ブロスナンの殺し屋がまたハマっておりまして。
 スゴい迫力でずいずい追い詰めるけど、逃げられるとゆー。
 そこがまた良い、エンタメ。

 ストーリーの核心となる部分があっさり切り捨てられて、
 結局何も解決してないよーな気もするが、最期にあるテロップが出ましてね。

 要約すると、
 「NYを標的にしたテロリストは沢山いたけど、沢山捕まえましたよ」とゆーもので、
 文面通りの意味だとは思いますが、
 こーゆー映画の最期に提示されると、その意図は何? と勘ぐりたくなる。

 頑張ってます、ってコト?


by y.k-ybf | 2018-01-05 21:54 | 映画 | Comments(0)

むしろ、レコード・プレイヤー、の、ようなもの。


by yuki-yo