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三大イヤな監督の、イヤな映画。三本。


ハッピーエンド [Blu-ray]

イザベル・ユペール,ジャン=ルイ・トランティニャン,マチュー・カソヴィッツ/KADOKAWA / 角川書店

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 18年公開、ハネケの新作。

 指摘されるまで気が付かなかったけど、お祖父ちゃんと娘の設定が前作『愛・アムール』と一緒なのね。
 続きではないらしいけどテーマを更に深めた作品ではある、らしい。

 正直に云うと、わたくしにはよく判らん映画でした。
 視点に距離があるとゆーか、
 ネットにアップされたバラバラの動画を張り合わせたよーな視点に感じられました。
 本音をぶちまけるボケ老人と、SNSでしか本心を語れない人々。
 死にたがりと壊したがりの死亡遊戯は確かにコメディっぽくも見えるけど、ちょっと中途半端な気もした。

 指折りシーンは最高です。


【Amazon.co.jp限定】ザ・スクエア 思いやりの聖域 (劇場パンフレット付) [Blu-ray]

クレス・バング,エリザベス・モス,ドミニク・ウェスト,テリー・ノタリー/Happinet

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 『フレンチアルプスで起きたこと』の、リューベン・オストルンド監督作。

 「ザ・スクエア」とは、だいぶ要約すると「額縁」のことで。
 額縁のなかに収めてしまえば総てはアートとなり、
 その存在は尊重され、意味と理由を考慮された上で平等に格付けされる。
 コピーされたトマトケチャップのチラシがポップアートになったよーに。
 それは「思い遣り」と似ている。
 では、額縁の外の世界は…。

 と、ゆー話。

 もーバカバカしいほど辛辣な棘は観る者の胸に刺さり、ゾッと鳥肌を立てる。
 泣けて、笑えて、冷や汗をかく。
 額縁の中では人々はあんなに優しく、賢く、他人を敬うことができるのにね。

 批評の無限入れ篭。



 観ているうちに常識が塗り替えられるよーな、とても奇妙な感覚に襲われる新鮮な恐怖。
 これが味わえるだけでも観る価値がある。
 つか、
 こーゆー気分を体感したくて映画を観ているよーなものなので、もうメロメロです。

 なんだよあの不味そうなスパゲティの食べ方わ!

 大仰な劇伴も一々可笑しい。
 そして盲信に傾いてゆく家族の姿が、恐ろしい。


 この三本は、どれも近代的なテーマを扱っている気がします。
 国とか関係なくね。


by y.k-ybf | 2019-06-08 23:14 | 映画 | Comments(0)

むしろ、レコード・プレイヤー、の、ようなもの。


by yuki-yo