ロマン・ポランスキーの映画だよ。三本。
2019年 06月 08日
映画監督の側面よりも、ポランスキー個人に焦点を合わせており、
本作は09年、スイスの映画祭で逮捕、軟禁された時点からスタートする。
映画好きな方なら有名なエピソードだけど、
ポランスキーってヒトは希有な人生のなかでも超ハードモードを経験されている方で、
シャロン・テイト事件では妻が殺害され、
その間にも俳優、監督としてキャリアを重ね、数々の賞を受賞、巨匠と呼ばれるに至る。
そーした大事件の真相をポランスキー自身が語るわけで、
まあ面白いとゆーか興味深いとゆーか、
(『戦場のピアニスト』はその体験から生まれた)
国外逃亡の理由や、事件の現状を知れたのもよかったです。
インタビューに応える彼はとても物腰が柔らかく、知的で温厚そーなおじいちゃん。
壮絶な過去があったとも、
とあるテナントに引っ越してきた男の恐怖の日々は、視点を変えれば奇妙で可笑しな人々の生活にも見える。
姿なきエゴに強要されて振り回される様は、とても現代的に感じられた。
ポランスキーらしい作品で、とても楽しめました。
映画館でブルース・リーの『燃えよドラゴン』を観ながら欲情するシーンが、なんだかとてもエロかったです。
72年公開の、お下劣コメディ。
コメディっつーか一昔前のギャグマンガみたいな映画で。
「らんぽう」とか「マカロニほうれん荘」みたいな、あんなの。
一人旅の女性が男たちに襲われて、逃げ込んだ先が色情と気狂いばかりの奇妙な館であった。。。
ナニからナニまでどーかしており、まともなニンゲンが一人も出てこない。
主人公含めて。
基本、ずっとソフトSMしてるよーな映画で、
その滑稽な姿には痛烈な風刺やらが潜んで、、、いるんかな?
画面には映らない「音」が多くのシーンで鳴っており、
ミステリアスな雰囲気を作ると共に、館の閉塞感を解消しているのが、巧い。
『テナント』にもあった「壁の穴」が本作にも登場するけど、特に意味はなかったぜ!
何の映画なのかさっぱり判らなかったけど、最後はこんな会話で終わる。
女 「このままでは終わりのない映画みたい」
男 「何てタイトル?」
『che?』とは本作の原題。
ポルノ化して量産されるエンタメへの皮肉のよーにも聞こえました。
さすがポランスキー。