『伝説巨神イデオン 接触篇/発動篇』 (3/100)
2006年 06月 01日
/ ビデオメーカー
ISBN : B00005HR50
スターシップがランナウェイする、イデオン。
その劇場版である、『伝説巨神イデオン 接触篇/発動篇』。
妙に高い値が付いてるとおもったら、いつの間にか廃盤になっていた模様で、
このたびめでたく再販されました。
詳しい内容に触れたいところですが、
本編であるテレビシリーズを観ていないので、余計なことは言わないほうがよいでしょう。
要するに、
エゴとエゴがおたがいの尻尾に噛みついて、
ぐるぐる廻っているうちに、運命に翻弄された挙げ句、敗北するお話。
だと、おもう。
救いがあるのか、ないのか。
受け取る自由だが、
この物語にこめられたものは、今でもかなりのプレッシャーとして伝わってくる。
それは哀しいことではあるが、名作である所以なのだろう。たぶん。
(接触篇/発動篇、どっちも2時間ない内容なので一気に観れるかと高をくくっていたら、無理でした。
ショッキングなシーンのたびに、一旦止めてからでないと、わたくしには観れませんでした。)
しかし、
これは子供は観たがらないだろうし、適当に宣伝できるものでもない、よ。
わたくしはリアルタイムで知っていたけど、
アダルトタッチなキャラや、積み木を釘で打ち付けたようなロボットやら、まったく観る気の起きないアニメでした。
ほとんど記憶にもない。
たとえ観ていたとしても、理解できたか、あるいはひどいトラウマにでもなったろうか。
さて、折角なので、
監督である富野由悠季の当時の仕事が、如何に神懸かっていたか。カンタンに思い知りたいとおもいます。
『伝説巨神イデオン』のテレビ放送が、1980年の5月。
それが翌年の81年1月に打ち切りとゆー形で終わるわけだが、
二ヶ月後には『機動戦士ガンダム』の劇場版が、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲと続けて公開され、
さらにその後、この『イデオン』の劇場版が2作同時に公開されるわけだ。
つまり、ガンダムのテレビシリーズと映画×3、
イデオンのテレビシリーズと映画×2は、ほとんど同時期に進行製作されていたことになる。
(映画がテレビの再編集ものであるなど、愚問。)
因みにガンダムの前は『無敵超人 ザンポット3』と『無敵鋼人 ダイターン3』で、
その後は『戦闘メカ ザブングル』、『聖戦士 ダンパイン』、『重戦機 エルガイム』と続くわけだ。
恐ろしい。
『ガンダム』は戦争とゆーリアルを描くため、
今でゆーところのスーパー系要素、
例えば無尽蔵なミサイルだとか、怪光線とか、
オーバーテクノロジーとか、異星人とか、大いなる意志だとかを徹底的に排除した。
『イデオン』は、その排除された要素をかき集め、些か大胆におもえるほどの、世界を構築している。
二つの作品は、現実と幻想、両極端であるが、
結末として「生還」と「滅亡」を置くことで、
二つのテーマが交錯するのは、意図的なものだったのではないかと、おもう。
これを区切りにでもして、新しい時代とやらを始めなさいよと、
誰もいなくなった世界から訴えてもいるわけだが、
それ、希望でもあるが、
いまだにガンダムを作らなければならない監督の現状を鑑みると、複雑な気持ちになるが。