某雑誌にて、
『スラムダンク』のコミックが一億冊突破とか、
なんか、
そんな感じの記念? 企画? がございまして、
とある学校の黒板を使い、新作エピソードが発表されました。
で、
その黒板にチョークで描かれたエピソードが、
ポストカードになったというので、入手いたしました。
新作、とは、どんなものかと言いますと、
基本的には「最終話」の補足に近い、エピローグ的なものであり、
改訂、
といったほうが適当かもしれません。
期待された方のなかには、なんじゃいなとおもわれるかもしれませんが、
わたくしには期待以上のものでございました。
おそらく本編の最終話と、
このポストカードのエピソードにより、
『スラムダンク』の「最終話」は完成し、作品が完結したのではないのか、と。
それぞれの、
桜木の不良仲間も含め、
ほんのわずかな、それからが描かれておるのですが、
二つ、おおきな変更点があった。
一つは、日本人初のNBAプレイヤーが誕生したことを話すシーン。
おそらく田臥勇太選手のことであるとおもわれますが、
スラムダンクの連載当時、
日本人がNBAでプレーするなど夢のはなしどころか、
夢で話しただけで笑われるような時代でした。
それが現実となった今、我々の認識は変わりました。
日本人でも、NBAでプレーすることができるのです。
そうなると不思議なことに、
『スラムダンク』のなかでNBAを目指している流川や沢北の顔つきが、
違ってみえるような気がしたのです。
途方もない希望を託されて描かれたものが、
現実の「返答」を受けとめて、
夢物語ではなくなった「目標」として、新作のエピソードとなった。
ラストカットのは桜木の横顔にすら、その可能性を感じることができます。
あくまで個人的な印象ではありますが。
そして、
それが『スラムダンク』に込められた井上雄彦の想いの一つと言うのならば、
この「改訂」された最終話により、
物語はやっと完結できたのではないでしょうか。
ポストカードには、
「第一部 完」の表記が消えていました。
それがもう一つの変更点でした。